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係り結び「こそ」と「已然形」の関係について
思考が狭く浅いからかもしれませんが、そもそもが倒置法だと聞かされれば「ぞ」「なむ」「や」「か」に対しては「連体形」で結ぶしかないのは当然に思えます。同様にして「こそ」についても「已然形」で結ぶ必然性が有る筈だと推察しますが、こちらには一刀両断、誰にも納得がいって何十年経っても忘れそうもない素人向けの説明はないのですか。 よろしくお願いします。
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ほんのさわりだけでお許しください。 上代(奈良時代)では、已然形という活用形は単独で順接および逆接の確定条件を表すことができました。つまり、簡単な作例で説明しますと、 花咲け、蝶寄り来。 花咲け、蝶より来ず。 のように、已然形だけで、 花咲けば、蝶寄り来。 花咲けど、蝶寄り来ず。 の意味を表すことができたわけです。 この已然形単独の(接続助詞を伴わない)条件節を強調するために「こそ」が挿入され、 「花こそ咲け、」のような表現が行われ、それが「こそ…已然形」の係り結びの起源といわれています。そういわれてみれば平安時代以降も、「こそ…已然形」の係り結びは、逆接で下に続くことが多いのですね。 詳しくは大野晋の「係り結びの研究」だったでしょうか、それをお読みになるとよいと思いますし、そこにあげられている参考文献も有益な情報を提供してくれるものと思います。
お礼
なるほど分かった、というほど単純な話ではないのでしょうが自分なりに納得がいきそうです。 接続助詞を伴わず「花咲け、蝶寄り来」、「花咲け、蝶より来ず」の表現が自然な時代には「こそ」と「已然形」の関係も自然なのは理解できます。順接にしても逆接にしても(特に逆説のときは意外感が伴うので余計に)条件節を強調する必要が生じて「こそ」が割り込みそうです。 「係り結びの研究」は町内の図書館にあるそうです。 毎度、お相手をして下さって感謝しています。有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。 21日(土)中に何方様からも新たな寄稿がないときは締め切ります。