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外板応力とは?

航空機や船舶などに使われるとされる 外板応力構造について教えてください。 ググってもなかなか出てこないのは(自分の理解の)言葉が まちがっているのでしょうか? そもそも第二次大戦後半で軍用機にさかんに 取り入れられたそうで、この辺に興味があり この部分についてもコメントいただけたら幸いです。

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noname#107878
noname#107878
回答No.1

 外板応力構造は応力外皮構造ともいいますが、モノコック構造という言い方が今一番よく使われていて、おそらくお耳にしたことがおありでしょう。  簡単に説明しますと、まず堅固な骨組みを作って、この骨組みで外から加わる応力に耐えさせるようにし、それに外板を貼るといった構造に設計することが旧来一般的に見られた方法でした。こうした構造はもともと木製の骨組みにファブリック(布)を貼った往年の航空機にその例を見ることができます。このような構造ですと、外板がたとえ金属に代わっても外板そのものには応力がかかりませんし、応力に耐えるように設計する必要もありません。  ただ、このような構造にしますと、骨組みに強度を持たせれば持たせるほど重くなってしまい、ことに重くなっては困る航空機などの設計には、重量の増加がネックになって機体の構造設計に行き詰まりが生じてしまいます。そこで開発されたのがモノコック構造(外板応力構造あるいは応力外皮構造)というわけです。  堅固にしようとすればするほど重く、また大きくなって嵩張ってしまう骨組み構造に対して、最初から「骨組み」といった感覚を捨て去って、躯体(ボディ)を構成する外板全体で外から加えられる応力に耐えるようにしたり、あるいは加わった応力を全体に分散して吸収したりするようにと、外板の構造を成す部材ひとつひとつの強度や剛性を考えながら設計する手法、これがモノコック構造で、外板応力構造あるいは応力外皮構造と呼ばれるゆえんでもあります。  先にも書いたように、もともとは強度を確保しながらも重量を軽減したい航空機の設計で取り入れられた設計手法ですが、今日ではモノコック構造といえばまず頭に浮かぶのが自動車、さらには鉄道車両や船舶、あるいは建築や液体用のタンクなどにもこの手法が取り入れられています。  今日の自動車を見てみますと、あいかわらずシャーシー(車台)と呼ばれる「骨組み」を持つのがトラックなど大型車種、これらはシャーシーの上に、消防車やアルミバン、ダンプなどと用途によっていろいろなボディを架装する必要があってこの方法をまだ採っていると言えるでしょう。  これに対して、乗用車では、今日ほとんどすべての車種がモノコック構造となっています。モノコック構造を採用することによって、ボディをよりコンパクトで軽くしながら強度や剛性を高められる、ボディの内寸を極限まで大きく取って広いキャビンやトランクルーム、あるいはエンジンルームを確保できる、もちろん材料にムダが生じない、さらには、乗り心地やしなやかさなどもかなり自由に設定できる、衝突エネルギーの吸収や分散をかなり自由に設定できる、コストを下げて販売価格を抑えられる、空力学的に有利に設計できる・・・・などといったメリットが得られるわけです。  構造設計に大型コンピュータを活用できるようになった今日では、こうした細かなセッティングも数値的な解析によって総合的に、かつ大変細かく検討できるようになりました。  モノコック構造を最初に採り入れた航空機については残念ながら知識がありませんが、時代はたしかに第二次大戦後半の頃でしょう。ただ、そこには、ある日一足飛びに骨組み構造からモノコック構造に移ったのではなくて、外板にジュラルミンなどといった強度のある軽金属を用いるようになるにつれて、次第に外板にも応力を負担させながら、骨組みの方は少しずつ細く軽く設計していったものと考えられます。  ちなみに、わが国で最初に、本格的にモノコック構造を採用して設計された自動車はスバル360だと言われていますが・・・・・。

gaplant2
質問者

お礼

回答ありがとうございました。 応力外皮構造という言葉もわかりました。 説明頂いた内容もわかりやすく十分に参考になりました。

その他の回答 (1)

  • LB05
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回答No.2

 フツーは『応力外皮構造』と言います。この名前で検索をかけると、例えばgooだと627件ヒットします。  応力外皮構造に関しましては、下段Janvier様の非常に判り易い解説が全てです。  ただ一つだけ補足致しますと・・・工学的には、応力外皮構造(=モノコック構造)と外皮の裏側に骨組みを持つ混成構造(=セミモノコック構造)との境界線は、極めて曖昧です。応力外皮構造では、構造部材としての全体剛性は十分でも外皮そのものの面剛性が不足することがあり(要するに薄い板でペコペコになってしまう事があり)、また窓などの切欠き部分の補強などもあって外皮の裏に簡単なホネを追加するケースが多いです。結果的にこのホネも応力を受けてしまうので、応力外皮構造と言っても100%応力を皮だけで受ける構造は、圧力容器などの単純な形状に限られてしまいます。  ワタシは自動車工学が専門なのでこの分野で言うと・・・モノコック構造はドアがないレーシングカーでより徹底しており、市販車では工学的な意味での完全なモノコック構造にはなっていません。(その為、市販車の車体構造は『ユニット・コンストラクション』などとも言っています。) >そもそも第二次大戦後半で軍用機にさかんに >取り入れられたそうで、  第二次大戦後半では、航空機の設計で応力外皮構造(モノコック構造)がアタリマエになっていたと言うだけで、この構造自体の歴史はもっとずっと古いです。  またまた自分の専門分野から御紹介致しますと、市販車で最初に量産されたモノコック構造のクルマは1922年発表のランチア・ラムダで、当然第二次大戦よりずっと前です。無論これ以前にも、試作・実験レベルでならモノコック構造のクルマが作られていましたが、何れにしろこれらの話は自動車工学が航空工学より進んでいたという事ではありません。この時既に航空機分野でもモノコック構造が誕生しており、クルマにも同じ構造設計思想が芽吹いていた、というだけです。  ついでに。日本の市販車で最初の全金属製モノコック構造が採用されたのはスバル360ですが、モノコック構造自体は、1955年発表のフジキャビンが最初です。このクルマ、驚くことにいきなり全プラスチック(GFRP)製のモノコックで登場しましたが、更に驚くのは、このクルマが世界初の全プラスチックモノコック車でもある事です。

gaplant2
質問者

お礼

回答ありがとうございました。 応力外皮構造という言葉もわかりました。 説明頂いた内容もわかりやすく十分に参考になりました。

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