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一段増幅回路について
- 一段増幅回路でダイオード接続負荷(NMOS)を用いたソース接地増幅段の利得がAv=-gm・RD=-gm1/(gm2+gmb2)となる理由が理解できません。回路を小信号等価回路にした場合、抵抗Ro1、Ro2があると思いますが、なぜ式に関与しないのでしょうか?
- MOSを電流源負荷として用いたソース接地増幅段の利得がAv=-gm(ro1//ro2)、抵抗負荷を用いたソース接地増幅段の利得がAv=-gm{ro・RD/(ro+RD)}となる理由が理解できません。
- MOSの抵抗が上記2式においては考慮されるのに対し、回路を小信号等価回路にした場合の抵抗Ro1、Ro2が式に関与しない理由がわかりません。
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(1) RDが1/(gm2+gmb2)になる理由 抵抗負荷(RD)の場合の利得が Av = -gm・RD となる理由は分かりますか。 Av = -gm{ro・RD/(ro+RD)}= -gm{RD/(ro/RD+1 ) }なので、ro>>RD の場合、ro/RD << 1 とみなして、ro/RD を無視するからです。 一方、ダイオード接続を負荷とした場合、RDのところが、結果的にそれと等価な素子におき変わっただけです。下のように計算すれば、RD に相当する部分が 1/( gm2+gmb2 ) になること分かると思います。 (2) 抵抗Ro1、Ro2があると思いますが、なぜ式に関与しないのでしょうか? これも以下で計算していますが、gm2+gmb2 に比べて Ro1//Ro2が大きとして 1/( Ro1//Ro2) を無視した近似だと思います。 (3) MOSを電流源負荷として用いたソース接地増幅段だと Av=-gm(ro1//ro2)... これは質問ではないかと思いますが、こうなるのは下の計算で、Vgs2 = Vbs2 = 0V とした場合です(こうなる接続法は?)。 ┌───-┬ 電源 │ │d ┌──────┬──────┬─┐ │ ├─┘ Q2 ┐ │ │ │ ┷ g└┨ ├→─┐b Vgs2 ↓gm2*Vgs2 ↑gmb2*Vbs2 Ro2 ↑i2 ├─┐┷ │ │ │ │ │s └───┴──────┴───-──-┤ ├─ Vout Id ↓├─ Vout ├─┘d ┌──────┬──────┤ g┌┨ ├→┐b ┐ ↓gm1*Vgs1 ↑gmb1*Vbs1 Ro1 ↓i1 │ ├─┤ Vgs1 │ │ │ Vin │s Q1 └───┴──────┴──────┤ ┷ ┷ ┷ GND 【図1 ダイオード負荷接続されたソース接地MOSFET回路と交流等価回路】 【ダイオード負荷接続されたソース接地MOSFET回路と交流利得】 Q1のソースが接地され、Q1 のドレインと Q2 のソースが接続され、Q2 のドレインが電源に接続されているような一般的な回路を考えます(他の端子の電圧は後で考える)。Q1のVgsが入力(Vin)、Q1 のドレイン電圧が出力(Vout)とします。 すると、図1の右の等価回路から、Ro1とRo2の両端の電圧は Vout に等しいので(ここでは交流を考えてるので、電源はGNDと考える) Vout = Ro1*i1 = Ro2*i2 --- (1) のはずです。一方、Q1 と Q2 のドレイン電流 Id は等しいので Id = gm1*Vgs1 - gmb1*Vbs1 + i1 = gm2*Vgs2 - gmb2*Vbs2 - i2 --- (2) となります(電流の向きに注意)。すると式 (1) より、i1 = Ro2/Ro1*i2 --- (1') 式 (2) より、i1 + i2 = gm2*Vgs2 - gmb2*Vbs2 - gm1*Vgs1 + gmb1*Vbs1 --- (2') 式 (1') を式 (2') に代入すると ( 1 + Ro2/Ro1 )*i2 = gm2*Vgs2 - gmb2*Vbs2 - gm1*Vgs1 + gmb1*Vbs1 → i2 = ( gm2*Vgs2 - gmb2*Vbs2 - gm1*Vgs1 + gmb1*Vbs1 )/( 1 + Ro2/Ro1 ) --- (3) Vout は Ro2 の両端の電圧なので Vout = Ro2*i2 = Ro2*( gm2*Vgs2 - gmb2*Vbs2 - gm1*Vgs1 + gmb1*Vbs1 )/( 1 + Ro2/Ro1 ) = Ro1*Ro2/( Ro1 + Ro2 )*( gm2*Vgs2 - gmb2*Vbs2 - gm1*Vgs1 + gmb1*Vbs1 ) Ro1*Ro2/( Ro1 + Ro2 ) はRo1 と Ro2 の並列抵抗なので、これを Ro1//Ro2 と書けばこの式は Vout = Ro1//Ro2*( gm2*Vgs2 - gmb2*Vbs2 - gm1*Vgs1 + gmb1*Vbs1 ) --- (4) ここまでは一般的な Vout の式です。ここから図1の回路で考えます。 図1の回路では、Vgs1 = Vin、Vgs2 =-Vout、Vbs1 = 0V、Vbs2 = -Vout となっています。Vgs2 が -Vout となるのは、Q2のゲートが交流的にGNDで、ソースの方が信号源になっているので、ソースを基準としたゲート電圧は -Vout になるからです。Vbs1= 0V、 Vbs2 = -Vout なのは想像です(質問では回路が示されていないため)。これらの値を入れると、式(4)は Vout = Ro1//Ro2*( -gm2*Vout - gmb2*Vout - gm1*Vin ) → Vout/Vin = - Ro1//Ro2*gm1/ { 1 + Ro1//Ro2*( gm2 + gmb2 ) } = - gm1/{ 1/( Ro1//Ro2 ) + gm2 + gmb2 } Ro1//Ro2 が gm2 やgmb2 に比べて大きければ 1/( Ro1//Ro2 ) ~ 0 として Av = Vout/Vin ~ - gm1/( gm2 + gmb2 )
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- inara
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良かったですね。 誰も回答しないので気になっていました。回路はあれで合っていましたか?
- inara
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ANo.1 です。 (1)を訂正します。ro と RD が逆でした。 【正】Av = -gm{ ro・RD/(ro+RD)}= -gm{ RD/( ro/RD+1 ) }なので、ro >> RD の場合、ro/RD << 1 とみなして、ro/RD を無視するからです。 【正】Av = -gm{ ro・RD/(ro+RD)}= -gm{ RD/( RD/ro +1 ) }なので、ro >> RD の場合、 RD/ro << 1 とみなして、RD/ro を無視するからです。
お礼
詳しく回答して頂きありがとうございます。 理解できました!助かりました!! ありがとうございます。
お礼
はい!回路もドンピシャでした。 ありがとうございました。