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パワートランジスターはそれ自体の発熱でなぜ壊れないの?

Ta595の回答

  • Ta595
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回答No.6

こんにちは。 トランジスタが発熱する理由というのは,意外と説明が難しいですね。物質に電流を流すと発熱する,というのは電気のもっとも基本的な性質なひとつです。(超電導体は除きますが) 消費電力,という言葉はもちろんご存知かと思いますが,電力を消費する,とはいったいどういう現象を意味するのか,想像してみた事はおありですか? 実は,「電力を消費する」と「発熱する」は,電気・電子回路にあっては,ほぼ同じ意味なのです。動作中の電気製品がすべからく何かしら暖かいのも,熱を発生させる電気製品(電気ストーブ,炊飯器,ホットプレート,電気ポット,ヘアドライヤーなど)に消費電力が大きいものが多いのも,このためです。(電球や真空管のフィラメントは,光っているから熱いのではなく,いうなれば発熱したオマケとして光っています) 逆の言い方をするならば,「大きな電力を消費しているものは必ず熱くなっている」という事でもあります。 では,なぜ電流を流すと物質が発熱するのか? この理由を説明するのもまた難しいですが,大ざっぱに言うと,電子が物質の原子核にぶつかって,原子核の振動が大きくなるからです(たくさん体を動かすと温かくなる・・・とはいろいろ違いますが,何となくそんなイメージでお願いします,笑)。 これは,真空管も,裸電球も,トランジスタなどの半導体も同じです。 また,トランジスタの金属部分が熱いのは,トランジスタ本体で発生した熱が金属部分まで伝わってきているからであって,金属部分が発熱しているのではありません。金属部分が熱いからトランジスタが壊れるというのは考え方としては逆で,金属部分が熱いのはトランジスタから発生した熱を奪っているからで,そうやって熱に弱いトランジスタが高温になる事から守っています。(熱くなるからこそ,熱を伝えやすい性質を持つ金属をケースに使ったメタルキャンタイプなのです) 高出力のオーディオパワーアンプで巨大な放熱板や冷却用のファンがついているのも,そこまでしてトランジスタから熱を逃がしてやらないと,トランジスタが壊れてしまうからです。 (なお,金属部分がコレクタ電極であるというのは誤解で,メタルキャンのメタル外装部分は,電気的にはトランジスタとはつながっていません。単なる放熱用です) 以上,疑問にうまく答える事ができたかどうか自信がありませんが,まとめると,  ・物質に電流を流せば発熱するのが当たり前  ・消費電力が大きい(ハイパワー)ほど発熱が大きいのも当たり前  ・金属部分が熱いのは,発熱によってトランジスタが壊れないように熱をそこに逃がしているから という事になります。 長文,失礼いたしました。

jupitan
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 ご丁寧な解説、感謝致します。 >なお,金属部分がコレクタ電極であるというのは誤解で,メタルキャンのメタル外装部分は,電気的にはトランジスタとはつながっていません。単なる放熱用です このことですが、ケースはコレクタです。ヒートシンク取り付けの際はショートしないように絶縁板(マイカ板)を介する筈ですが・・・ 参考http://homepage2.nifty.com/~mhitaste/audiotop/dcamp_parts/dc_ampparts010.html

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