学歴至上主義でいいのか・・・

質問

うちの親は二浪で早稲田政経で、私は現役で早稲田社学ですが、
父に社学を馬鹿にされ、一浪で東大にいきました。
現在、３年生で、法科大学院への進学を目指しています。

父は学歴について非常にうざいです。
あの人は何々大学に入ったとか、あの人は新潟高校（わたしの地元でNO１の高校）出身だとか、
あの議員はどこ卒か？とか、
本当に学歴について敏感です。

今まで私は一貫して学歴不要派を馬鹿にしてきました。
しかし父の異常な学歴至上主義に反発心を覚えるようになりました。
弟がいるのですが、父の以上のような態度の影響のせいで、
不登校になり、おかしなプライドだけが残り、苦しんでいるようです。

それに対して、家族の反応はといいますと、祖母は父とまったく同じ考え。
母はどちらかといえば擁護派ですが、怠け者とみなしています。

わたしとしては、弟がこうなってしまった原因は家庭環境のせいだと考えています。
すべては学歴を人間のステイタスの一部と考えずに、ほとんど全てとみなしてしまっていることに原因があるはずなのです。
絶対そうであると、確信しています。しかし・・・、それが理論かできないのです。
つまり、学歴を批判する立場に立とうとしてもなかなか批判ができない。

わたしは一昨日からそれについて理論化する作業をして、ずっと寝ていません。
どうすればいいのかわかりません。
父は学歴必要派ですが、論理、あるいは、屁理屈なのかもしれませんが、
論が通らないとわかれば、考えを変える者です。
ですから、みなさんから、学歴を批判する根拠などの材料をいただきたいのです。

また、それ以外にも考える材料として、学歴が重要であるという考えについても述べれる方は述べていただきたい。
さらには、弟のことについても助言がいただけたらうれしいです。

回答No.12

Ama430

非常に難しい問題ですので、簡単にお父さんを論破できるとは考えられませんが、多少なりとも参考になれば幸いです。

東大を頂点とする学歴社会のスタートをどうとらえるかは諸説ありますが、とりあえず明治維新説でお話ししたいと思います。

鎖国によって国力が欧米に比べて数段劣っていることに気付いた日本のリーダーたちは、「富国強兵」「殖産興業」のスローガンを打ち立てます。
そのためには、極度に中央集権的なシステムが必要である、だから、江戸時代は単なる飾り物であった天皇を「幕府」という支配力の失われたシンボルのかわりに「日本の顔」として採用することにしました。

神武天皇の即位が新暦の２／１１というのも明治になって「逆算」して決められたものです。天皇に主権があるとする「立憲君主」という制度がスタートしました。
近代化のためには、教育が必要です。それも、少数のリーダーに対するエリート教育と、大多数の国民に対する「臣民教育」(従順にリーダーの言うことをきく)が同時に必要でした。

「帝国大学」に代表されるエリート教育と、歴代天皇の名前を全部暗記しないと棒で殴られるという臣民教育が戦前の２本の柱でした。
「家父長制」といい、家族では父親が一番偉く、女性は「老いては子(息子)に従え」と言われて、常に男性の言うなりになるのが普通でした。

戦後、一定の民主化が行われ、「臣民教育」は否定されました。
しかし、経済発展のためには、今度は、天皇に替わって、会社に忠実な国民を育成したいという財界からの圧力がありました。

欧米のように、労働者の権利を主張して団結されたのでは、会社はなかなかもうかりません。
学校教育では、「何のために学ぶのか」「何のために生きるのか」というような哲学的なことは考えさせずに、「いかに効率よくテストに答えられるか」という勉強に集中させたらいい、という方針があったと思います。

もうひとつの側面は、教育に税金をなるべく使わずに、優秀な企業戦士を育てる、というテーマです。
欧米では、ずっと前から義務教育の１クラス定員は20人台です。日本のように50人とか45人という国はありませんでした。
しかし、日本では、福祉・教育に国の予算を使わずに、ゼネコンに大型公共事業を発注してもうけさせることが優先され続けてきました。

そういう中で、学歴社会が定着してきたという部分は否定できないと思います。

ひとつ付け加えるなら、受験学力は、公務員のように、決まった仕事をミスなく進める力をつけるのには役立ちますが、研究者やイベント運営型の仕事にはあまり力にならないのです。
本来多様である人間の中身を「テストの点数」という１本のものさしだけで表現できるはずがありません。

高学歴で、日本を動かすような立場の人たちのうち、何人が自分の利益を優先させて多くの人たちに苦しい思いをさせたことでしょう。
学校教育自体の舵取りもしばしば間違ってきたと思います。薬害エイズの問題も、東大出のカリスマ教授がお金儲けを命より優先させた結果でした。

公務員希望の人たちが学歴を重視するのは当然です。
しかし、それをすべての人間に適用しようとするのは、円柱を横から見て「長方形だ」と騒ぐ行為に似ているように思うのです。