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工業用クロム鍍金の腐蝕
工業用クロムめっき製品を取り扱う仕事をしているのですが、めっきクラックからの腐蝕でなく、クロムめっきそのものの腐蝕で悩んでおります。 ネットで調べても「塩酸に溶けない」と書いてあるサイト(めっき業者に多いようです)もあれば、 「塩酸に溶ける」と書いてあるサイト(学問的化学系サイトに多いようです)もあったり、 程度問題の差かと思うのですが、はっきりわからない状況です。 どのような薬品に、とのくらい腐蝕されるものなのでしょうか。 「何モルの○○(試薬)でみるみるうちに溶ける」とか「市販の○○に漬けて10日くらい放っておくと色が変わっている」とか、経験のある方、教えていただけないでしょうか。
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No.5です。 > それだけでも酸化皮膜はできるものと思ったのですが、不十分なのでしょうか。 > 酸化剤の性質を持つ酸であれば、仮にもともと酸化皮膜が無くとも不動態化する まず、充分かどうかについては、申し訳ないのですが私には知見がありません。 (私も、今回のご質問を受けるまで、クロムの酸化皮膜が生じるのがいつなのかという ことに疑問を持ったことがありませんでしたので・・・) 次に、不動態化の件ですが、例えば硝酸で鉄を不動態にする場合ですと、 「濃硝酸」への浸漬が必要だったと思います。 (希硝酸では不動態化せず、鉄は水素を発生して溶解) http://syllabus-pub.yz.yamagata-u.ac.jp/amenity/Knowledge/KnowledgeWeb.aspx?DSN=ElectroChem&nKnowledgeID=1029 クロム酸処理をされているなら話は別ですが、そうでないとすると、通常のめっき処理 の工程で酸化皮膜まで生じさせているとは考えにくいのですが、いかがでしょうか。 (めっき法が電解であるにせよ無電解であるにせよ、めっきの最中に酸化皮膜が生じて しまうとめっき層の成長が阻害されるはずですし、めっきの反応は「還元的条件」の為、 酸化皮膜は生じないものと思います。従って、めっき処理後に意図的に「酸化的条件」に 転換させていない限り、めっき直後には酸化皮膜は生じていないのではないかと) また、濃硝酸での処理であっても、浸漬ではなく噴霧の場合は「不均一な酸化皮膜 の形成」となり、(あくまで推測の域を出ませんが)必ずしも耐食性を向上させるとは 限らないと思います。 (使用環境での酸暴露の場合は、(濃度はともかくとして)これに近い状況のはず) > 何らかの理由で一度できた酸化皮膜が消失することはないのでしょうか。 還元条件下に晒されれば、皮膜の消失もありえると思います。 (No.1の方の黒鉛の事例は、恐らくこれに該当するのではないかと。また、不動態化 させたクロムの表面に亜鉛末を乗せて塩酸を作用させた場合も、表面が侵される かもしれません) また、鉄の例では、塩化物イオン(Cl^-)によって酸化皮膜が破壊され、「孔食」と 呼ばれる局部腐食を受けるとのことですので、クロムについても同様の可能性が 考えられると思います。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8C%86 (「Cl^-イオンによる反応」の項を参照) また、数百度の環境に晒されるのでしたら、「水素脆化」というキーワードも参考に なるかもしれません。 (現象自体はそれとは違いますが、高温水蒸気との接触で水素が発生するなら 還元的条件になり、酸化皮膜が侵される可能性あり) ・・・以上、推測ばかりで済みませんが(汗)
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- DexMachina
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経験があるわけではないので、定性的なお話になってしまいますが・・・ 下記のご質問でも回答させて戴きましたが、金属クロムはイオン化傾向が 高い(=反応性が高い)のですが、表面に酸化皮膜をつくることで安定化します。 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1829934 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1857956 この酸化皮膜(成分は酸化クロム(III)・Cr2O3)は、酸やアルカリに不溶です。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B8%E5%8C%96%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%A0#.E9.85.B8.E5.8C.96.E3.82.AF.E3.83.AD.E3.83.A0_.28III.29 つまり、 金属クロムはイオン化傾向が高いため、塩酸などに溶けるが、 酸化クロムの皮膜を作ったクロムは、塩酸などに侵されない ということです。 (化学系サイトは純粋に金属としての性質を、めっき業者系サイトは 製品形態での(つまり酸化皮膜形成後の)性質を、それぞれ説明 されたものと思います) ・・・こういったことから推測するに、「クロムめっきそのものの腐食」というのは めっき層上の酸化皮膜が充分に形成されていない、といったことは 考えられないでしょうか。 めっき業者の方が実際にどうしているのかはわからないのですが、 上記の仮定が正しいなら、例えば 「めっき後に、陽極酸化などを施す」 「空気酸化で酸化皮膜ができるまで放置」 「酸化が早く進むよう、恒温槽などで加熱」 といったことをすることで、耐食性が向上する可能性があるのではないでしょうか。 ・・・既にそういった対応をされているようでしたらすみません。
お礼
他のページで調べたところでは、クロムめっきは空気酸化で皮膜ができるようです。 腐食している現物が目の前にあるのに、なんで腐食が起こるのかわからないです(泣) 色々ネット検索していて、こういうページを見つけました。ちょっと目的のとは違うんですけどね。 http://www.akg.co.jp/puresijyon/bcr1.htm これによると塩酸に溶けるらしいのですが、状況からして塩化物イオンが生成するとは思えないのです。
補足
今まで2度もお世話になっていたとは気づきませんでした。 >・・・こういったことから推測するに、「クロムめっきそのものの腐食」というのは >めっき層上の酸化皮膜が充分に形成されていない、といったことは >考えられないでしょうか。 空気酸化を意図している訳ではないですが、めっき後組み立てまでの間に空気に晒しています。 それだけでも酸化皮膜はできるものと思ったのですが、不十分なのでしょうか。 酸化剤の性質を持つ酸であれば、仮にもともと酸化皮膜が無くとも不動態化するでしょうから、腐蝕されないとも思いますし…。 何らかの理由で一度できた酸化皮膜が消失することはないのでしょうか。 めっきが数百度の高温に晒される可能性はあるのですが、酸化クロム(III)の融点は1000℃を超えるようでし…。
- nrb
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クロムめっき製品って 電気メッキですよ 電気が流れる事により、腐食するのです http://pub.maruzen.co.jp/book_magazine/book_data/search/462107119X.html http://www.nakabohtec.co.jp/jigyo/kowan01.html 電気 腐食 で検索すれば沢山でますので自分で確認下さい
補足
No.3で > No1 のって > 超微細な電気が流れて腐食するのが原因だと思いますよ と改めて書かれていたので「当たり前のことでは?」と思ったのです。 これらの本には、化学薬品によるクロムメッキの腐食についても書かれているということでしょうか。
- nrb
- ベストアンサー率31% (2227/7020)
No1 のって 超微細な電気が流れて腐食するのが原因だと思いますよ 電気が流れない特殊形状になったボルトもありります
補足
腐食というのは酸化還元反応でしょうから、ふつう超微細な電気が流れるのではないでしょうか。 ステンレスの話でしたが、炭素化合物ができるというのはネットで読んだことがあります。 ステンレスなら鉄鋼中に炭素が入っているでしょうが、メッキであるため炭素源となるものが思いつかないので…。
- nrb
- ベストアンサー率31% (2227/7020)
本来クロムめっきをされたボルトはそんな環境では使用はしません 屋外だと簡単に腐食します 酸性雨の雨に含まれた酸が腐食します 空気にも多少は含まれてますので・・・・ 屋外であれば溶融亜鉛メッキを施したのを使います 又はステンレスボルトなど もちろん薬品を使うところでは特殊なボルトを使います 色々ありますよ チタン等 もちろん金メッキ、銅、樹脂製なんかもあります 通常ボルトは、何年も使います、下手すると数十年、薬品で腐食が多いとか少ないでは無く 時間が長くても腐食するならそんな環境に使うのではく、ちゃんと環境にあったボルトを使うべきです 私は考え方がおかしいと思いますよ ちなみち、溶融亜鉛メーカに酸の影響について記載されているのは見たことはあります 残念ながら、クロム鍍金は見たことはありませんので 大手のメーカに問い合わせれば試験デターはあると思いますので確認されたらいかがかな
補足
クロムめっきは酸性雨中の酸で腐食されるということですね。 どの位の期間で腐食されるでしょうか。 クロムめっきは硝酸には強いと書いてありましたが、酸性雨で腐食するとは…。 製品はボルトではなく、クロムめっき以外に変更するのは、強度等の関係で無理だと思います。
硬質Crメッキの厚さは3/100ぐらいでしょうか。 メッキ自体の腐食では経験がありませんが、黒鉛に接触した場合ピッチングが発生した事がありsus403の材料が腐食しました。 従ってその現象が発生した段階から黒鉛とは隔離するような処置を取っております。 材質をSus420J2に変更したりしましたが明らかな改善策にはならず避ける方向で処理いたしました。
補足
めっき厚さは、その位です。 黒鉛というのは「すす」のことですか? 接触時間や腐蝕の程度はどのくらいでしょうか。
補足
以前にさせていただいた質問「イオン化傾向について(クロムめっきは、なぜ硫酸銅aqと反応しないか)」 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1829934 で、わずかな時間ではありますが、反応しないことを確認しているので(十分なものなのかどうかはともかく)酸化皮膜はできているように思います。 いずれにしても、どんなメッキ後処理を行っているかを確認する必要がありそうです。 冬休み明けに何かわかるかもしれませんので、暫く締め切らないでおきます。ありがとうございました。