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熱処理すると結晶性?結晶配合?が良くなるというのはどういうことでしょうか?
sat000の回答
アニールしても、結晶全体の結晶性が向上するとは限りません。 熱エネルギーによって、固相の原子が動き、原子配列が整う可能性はありますが、同時に結晶欠陥(転位等)も動きます。 粒界は巨大な結晶欠陥です。 ここに粒界内部の欠陥が動くと、集まってきます(引力があるわけではなく、確率的にという意味です)。 巨大な欠陥の方が動きにくいのです。 もちろん粒界に欠陥が集中すればするほど、エッチングされやすくなります。 また、転位同士が合体することもあります。 この場合は転移が巨大になり、積層欠陥などに発達する可能性もあります。 熱処理では転位等はなくならないというのが一般的な理解ではないかと思います。 但し、合体すれば転位密度は低下するので、結晶性が部分的には向上する可能性があります。 合体すれば数が減りますが、その合体して巨大化した転移が用途に対して望ましいかどうかで熱処理が有効とされるかどうかが決まります。 つまり合体前は転位密度が高いですが、合体後は転位密度は下がります。 しかし、合体前は各転位は相対的に小さいですし、合体後は相対的に大きくなります。 どちらがより望ましいかは用途によるのではないかという意味です。 また、表面を少し溶融させ、再結晶化させると、運がよければ結晶品質が改善するかもしれません。 なお、点欠陥については、ある割合で存在する方が結晶のエネルギーが低下するため、アニールはほとんど効果がないと思います。
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