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ゴキブリの飛翔は生殖に関係ありますか。

4017Bの回答

  • 4017B
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回答No.3

今までの通説だと「ゴキブリに能動的な飛翔能力は無い」とされて来ましたが。2002年7月に専門的な知識を持つ研究者によって、その通説を覆す正式な論文報告がなされています。 - "クロゴキブリの自発飛朔": https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjeez/14/1/14_47/_pdf/-char/ja これまでにも俗説的には「ゴキブリは危機に遭うと飛び掛かって来る!」などとは言われて来ましたが…実際の記録映像なども無く、都市伝説に尾ヒレが着いて話が大きく盛られているのだろうと解釈されていましたが。これによって一応は科学的な決着が着いた形となります。 ただしこれはあくまでも「自発的に飛翔する時がある」という観察事例に過ぎませんので。トンボやカブトムシの様に、機会が有れば積極的に飛んで行って自らの活動範囲を広げる習性がある事にはなりません。夜の街灯に誘われて飛来するのは、ゴキブリ以外でもほぼ全ての飛翔性昆虫類の普遍的な特徴の1つに過ぎないので。 後、そもそもゴキブリ類の飛翔能力は極めて低く、前述の観察事例でも長くて20秒ほどだったとされているので。他種に比べると、大空を自由に飛び回る~といった事は難しそうです。あくまでも瞬間的に高速移動して、外敵などからの襲撃を緊急回避するのが主目的だと思われます。この程度の飛翔能力では、遠方に存在するメスのフェロモンを辿って飛行するなどとても無理なので。 また一般にゴキブリ類の多くは、同種で大勢で一箇所に群れてコロニー的な集団を作って暮らすタイプものが多く、そのためわざわざ遠方に飛んで行って繁殖相手を探す必要が無いので。そういった生活スタイルの違いからも、ゴキブリが余り飛翔能力に依存していないのだと思われます。 P.S. ゴキブリに限らず全ての野生動物の能力はバーター関係にあり、それらは全てコスト見合うかどうかによって自然選択と淘汰圧が掛かります。素人考えだと「ゴキブリの素早い俊足」と「トンボの優れた飛翔能力」を両方持った方が、弱肉強食の自然界では生存に有利で進化もそういう方向に向かいそうですが…現実にはその様な動物はいません。何故なら「素早い俊足」と「優れた飛翔能力」には、それぞれに見合うだけの莫大なコストを投資しないと手に入らないからです。 実際には全く違いますが、話を簡単にするために例え話をしますと…。自然界では最初から「生存能力コスト」みたいな数値があって、全ての生物種には自分が属している大本の生物種別に「生存能力コスト:昆虫=100」みたいに初期ボーナスを持っています。ハエもカブトムシもゴキブリも、この「コスト:100」をそれぞれに割り振って自分の能力値を決めています。例えば「素早い俊足:10」と「優れた飛翔能力:15」みたいな感じです。100の内の25なら2つの能力を獲得出来るのでは?と思うかもしれませんが…このコストの中には「生物として必須の生体機能維持のための能力コスト」も入っています。 実はこの「生物として必須の生体機能維持のための能力コスト」が地味に足を引っ張るというか、これだけで大体は「生体機能維持:80」とかコストが掛かっているのです。なので外見は色々と変テコな生物が居ても、その中身はほとんどの場合は皆んな同じ様な体の作りになっています(脳があって肺があって胃腸があって~みたいな)。このため、生体機能維持を購入してしまったら後はもうほとんどコストが残っていないので、そのわずかに残ったボーナスを何とかやりくりして、ようやく "一芸" を獲得するのがやっとの状態なんです。 ですのでゴキブリは「素早い俊足」を獲得した時点で、もう他の能力を獲得できる様なコスト残高が残っていないのです。同様の理屈で、昆虫界最強の飛翔能力を持つトンボは走るどころか歩く事すらままなりません。足は枝につかまって止まるのがやっとです。同じくゴキブリ以上の走破能力と瞬発力を獲得したアシダガグモは、クモでありながら糸を張って巣を作る能力を持っていません。獲物を捕まえた時にも牙で噛み付くだけで、コガネグモみたいに大量の糸を吐いて獲物をグルグル巻きにして拘束する能力はありません。ペガサスの羽根が生えたライオンが居ないのと同じ理由です。 全ての動物種の能力は「コスト問題」で説明できます。どんなに優れた能力であっても、それを獲得し維持し続けるだけのコストに見合うメリット~多くの場合、それは繁殖に有利である事に直結しなければ、進化の過程で一時的にその様なオーバースペックな能力を獲得出来たとしても、その多大なコストに見合うだけの繁殖活動に結び付けられずに、他のそこそこのコストパフォマンスの良い微妙な能力しか持ってない個体と比べて、より多くの子孫を残せずに自然淘汰されていきます。近所のコンビニに行くためだけにフェラーリを買って借金生活しちゃう様なお父さんはすぐに愛想を尽かされて離婚されてしまい、普通の小市民的な生活をしているお父さんよりも子供の数が少なくなる理論です。 後、これも素人考えだとピンと来ないのですが…自然界では「内部の内蔵代謝機能を変えるよりも、角や手足の長さ等の外見を変化させる方がコストが安くすむ」というのが定説です。この特質は哺乳類以外の特に昆虫類(節足動物)に顕著に見られる特徴です。

kaitara1
質問者

お礼

コストの面からのご教示興味深く拝読いたしました。それな羽がないものも出現しないかなとも思いますが、飛べることも何かの役に立っているという事ですね。

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