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低カリウム血症とST低下について。

Shonemanの回答

  • Shoneman
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回答No.3

もうひとつ補足です。 最初に書き込みました通り、STがなぜ変化するのか、は、心電図学的に分かっていることと分かっていないがゴチャゴチャとしていますので、専門書や専門家の解説でも結構矛盾して見える記載があるだろうと思います。 今回書き込ませていただいたのは、ST部分(活動電位のプラトー部分)の電位差によって心内膜外膜間で弱く電流が流れる、という「説」で、この場合、身体の外(=記録電極が存在する体表面)に向かう電流は陽性波として記録されてST上昇を来すということになります。一方、ST部分、つまりプラトー相の電位差でなく、むしろ静止期(活動電位4相)の電位差でSTが変化するのだという逆説的な説もあります。これは「傷害電流説」と呼ばれる古典的な説明で、虚血時のST変化をうまく解説できます。虚血などで傷害を受けた心筋は、Ik1など、静止膜電位を担うカリウムチャネルに障害が発生するため、静止期の活動電位が浅くなるという現象を起こします。この時、健常部の心筋は正常な深い静止膜電位を持っているので、傷害部と健常部の間に弱い電流(傷害電流)が流れ続けます。例えば心内膜傷害ではこの傷害電流は外膜側に向けて流れる(傷害部位が-60と仮定すると健常部は-90と相対的なマイナスになりますから)ことになります。結果的に、静止期の心電図は少しプラスにシフトした形で電極に記録されることになります。ところが、興奮時、つまりプラトー相ではこの傷害部位と健常部位の差がほぼなくなるため、上記の様な傷害電流によるシフトは消失します。逆説的ですが、「ST部分以外は若干上へシフトして記録され、ST部分はこのシフトがキャンセルされる」という結果で「STが低下する」と考えるのです、心外膜傷害や貫壁性傷害ではこの傷害電流は逆向きになるので、ST部のシフトは逆になりST上昇になるということです。なんだかこんがらがってきますが、この後半の解説は「傷害電流説」という言葉で正書に解説されています。一方、プラトー期の電位差によるST変化は、ブルガダ症候群の実験的研究で解説されています。

jodie_0830
質問者

補足

丁寧に回答して頂き、有り難う御座います。 傷害電流に関連して1つ質問させて下さい。非貫壁性虚血 (心内膜側のみの虚血) のST低下についての解説を幾つか閲覧した際、参考書や文献等によって 「ST部分 (プラトー相) において、虚血による障害を受けた (心内膜側の) 細胞と (心外膜側の) 正常な細胞の間で電位差はほとんどない。」 とするものと、 「虚血による障害を受けた細胞では脱分極不全が生じ、脱分極後のST部分において、(心内膜側の) 障害細胞と (心外膜側の) 正常な細胞の間で (正常細胞が高位となる) 電位差が発生し、心外膜側⇒心内膜側の方向で電流が発生する。つまり、電極側からみて離れる電気であり、ST部分が低下する。」 とするものを見かけます (後述の解説については「真のST低下」と表記されていました) 「傷害電流による基線の上昇を反映したST低下」に加えて、この「ST部分での電位差によるST低下」というのは、正しいのでしょうか? 質問が分かり辛くて済みません、お時間の宜しい時にお答え頂ければ幸いです。

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