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ファインマンの物理学における重力の位置のエネルギーとは?
- ファインマン物理学Iでは、重量あげの器械の働きについて解説されています。
- 重量あげの器械では、一方のおもりを下に押し下げると他方のおもりが上に持ち上がります。
- このような器械では永久運動は存在せず、重りを上げたり下げたりしても始めの状態に戻るとおもりの差し引き重りは上がっていません。
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ファインマン物理学は読んだ事がないのですが、なかなか面白い事が書いてあるんですね(^^)。たぶん、こういう事だと思います。 滑車の運動を考えた時(添付図)、一方の重りが下がれば他方は同じだけ上がり、一方が上がれば他方は同じだけ下がるのは明らかだけれど、これが滑車のように単純な機構でなく、無茶苦茶に複雑な機構でも、事によったら複雑過ぎてブラックボックスであっても同じだろうか?、・・・と(^^;)。 添付図のブラックボックスマシンの重りをたくさん上げ下げした後に、左の重りを最初の位置に戻したとします。このとき「もし」右の重りが戻りきらず高さhにあったとすると、右の重りは高さh分の位置エネルギーを使って、左の重りをhまで引き上げます。そうすると今度は、左の重りが高さh分の位置エネルギーで右の重りをhまで引き上げ、・・・が、いつまでも続くという事になります。これが永久運動シーソーです(^^)。 注目すべきは、この結果はブラックボックスの内部機構をいっさい考慮せずに出せる、という点です。経験事実として永久シーソーにはなりませんから、「内部機構にはいっさい触れずに、重力の位置エネルギーは保存する」と言えることになります。「内部機構にかかわらず」保存すると言える。これが保存則の意味だとファインマンは言いたいのだと思います。 もしこの世に地球とブラックボックス以外何もなければ、ブラックボックスに重力を及ぼす地球も含めて、それらには外部からの作用力は一切ありません。こういうのを「孤立系」と言います(実際には近似的な孤立系ですが)。「孤立系の力学的エネルギーは保存する」(←内部機構にかかわらず)というのが、正確に述べた力学的エネルギー保存則です。 保存則がなぜ重要かといえば、力学問題を解くうえで(それには定性的な議論も含まれる)内部機構にかかわらず、ある程度の一定の結論を出せるからです。一般性と汎用性があるわけです。数値的に運動方程式を解く場合でも、エネルギー積分があると問題の難しさがワンランク下がります。 ・・・というわけで、「>もしも差し引き重りが・・・」には句読点が入って、「>もしも差し引き、重りが・・・」になると思います(^^)。
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- ddtddtddt
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#1です。まぁ~、回答が正しかったとしてですが、ランダウ先生に鍛えられたからです。 ゴールドスタインを読み切ったら、ぜひランダウも読んでくださいね(^^)。ゴールドスタインの帯に書いてあったと思いますが、 「古典力学と馬鹿にする事なかれ。古典力学は今や、量子力学などのより抽象度の高い(目に見えない)世界の数式に、目に見える世界の対象をアナロジー的に対応させ、抽象的数式を具体的なイメージで捉える訓練の場にもなっている」 そうです。それは古典力学の内部でも同じです。ゴールドスタインという訓練の場を経れば、きっとランダウも読めるはずです(自分は、この順序でした)。そして、ランダウ先生の鮮やかな切り口からゴールドスタインを読み直し、目から鱗を落としてください(^^)。
お礼
>#1です。まぁ~、回答が正しかったとしてですが、ランダウ先生に鍛えられたからです。 >ゴールドスタインを読み切ったら、ぜひランダウも読んでくださいね(^^)。 ありがとうございます!ランダウが理解できればそういうことが簡単に感覚的につかめるのですね.楽しみです.ゴールドスタイン,まだ半分もいっていないですが,くじけずに頑張ろうと思います!
お礼
とてもわかり易く解説頂きまして大変ありがとうございます.なるほどそういうことだったのですね.というか,なぜ回答者様は質問文だけを見てファインマンの意図するところが理解できたのですか?...^^;凄すぎです..