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ファーストリテイリング儲けのしくみ
代表取締役会長兼社長の柳井氏が 2012年 推定資産8100億円 日本富豪ランク1位 となりましたね。 もともとアパレル業界は 1:在庫を抱える 2:先に商品を作らなければならない 3:流行があり一年経過したら翌年はもう流行遅れ というような性質があり 一般的には企業会計上 不利な職業と思われます。 事実、アパレル企業は倒産も多い業界ですね。 しかし、こちらの企業は儲かっていますね。 この理由をお教え下さい。
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製造小売という業態を取ることによってブルウィップ効果を抑制しているからです。 一般にどの業界・業種でも →卸売1→小売1→消費者 メーカー →卸売2→小売2→消費者 という流通構造があります。 20人の消費者が、ある商品を、欲しいと思って小売1に買いに行ったとします。 ところが小売1には、その商品の在庫が10個しかありませんでした。そこで10人の消費者はその商品を買いましたが、残りの10人はその商品を小売1に注文しました。 さて、小売1は卸売1にその商品を何個発注するでしょう? 品切れになってさらに10個の注文が入るくらいですから、その商品はもっと売れるに違いありません。小売1が卸売1にその商品を10個しか注文をしなかったとすると、11人目の消費者は小売2でその商品を買うでしょう。ですから、小売1は損をしてしまうわけです。そこで小売1は、卸売1に少し余分に発注します。そこで、12個発注することにしましょう。 さて、卸売1はメーカーにその商品を何個発注するでしょう? 小売が品切れになって12個の発注をするくらいですから、その商品はもっと売れるに違いありません。卸売1がメーカーにその商品を12個しか発注しなかったとすると、13人目の消費者は小売2へ行き、卸売2から仕入れた商品を買うでしょう。ですから卸売1は損をしてしまうわけです。そこで卸売1はメーカーに少し余分に発注します。 ところで、小売2にも消費者が買いにくるはずです。小売1と小売2が同じ程度の規模で同じような環境に出店していたとしたら、小売2にも20人の消費者が買いに来て、10人がその商品を手に入れ、10人は小売2に注文することになります。 さて、小売2は卸売2にその商品を何個発注するでしょう? そして、小売1、卸売1と同じような過程により、メーカーには14個の商品が発注されることになります。 というわけで、2軒の小売店への消費者の20個の注文に対して、メーカーへは28個が注文されることになります。 このようにして、消費者の需要が卸売を経てメーカーへ伝わるまでに、ニーズが拡大されて伝わってしまい、実際のニーズよりも多くの商品が生産され、多くの在庫が発生してしまう現象を「ブルウィップ効果」と呼びます。 ブルウィップ効果により在庫が増え、それがアパレル業界のような商品に「旬」があるような業界の場合は売れ残って不良在庫になり、廃棄損となって企業を圧迫するわけです。 ブルウィップ効果が生じるのは、「小売業者は不良在庫にならないように少なめに注文しているかもしれない」という不信感から余分に発注することによります。あるいは逆に「欠品にならないように、余分に注文しているかかもしれない」という不信感から少なめに発注し、多量の欠品を生じたりもします。要するに、他社を信頼できないからこのようなことが起きるわけです。 ファーストリテイリング社は、メーカーから卸売から小売までが1社になっています。ですから、小売への消費者のニーズ状況によって生産をします。ですから、きちんと利益を出すことができるのです。
お礼
ご丁寧にありがとうございました。 感謝致します。