• ベストアンサー

今更ながら、TPP加盟問題の是非に就いて

ksm8791の回答

  • ksm8791
  • ベストアンサー率44% (125/284)
回答No.5

TPP参加には反対の立場の回答です。   米国主導のTPP交渉に参加すれば、北東アジアで影響力を強めようとしている中国と、TPP不参加の韓国との間で経済協定が進むでしょう。中国は大幅に譲歩しても韓国を取り込もうとするでしょうから、日本はアジアの貿易市場でかえって苦しい立場に追い込まれるかもしれません。 反対派の意見として慶應大学経済学部教授 金子勝氏のコメントを紹介いたします。   『今、なぜ環太平洋連携協定(TPP)なのか。野田佳彦首相は9月、オバマ米大統領との初会談で、交渉参加について「早急に結論を出す」と約束し、急速にかじを切った。米国の強い要求が背景にあることは明らかだ。  欧州の金融不安拡大で米経済の先行き懸念は強まっており、失業率は9%台に高止まりしている。そのため、来月11月の米大統領選で苦戦が予想されるオバマ氏は、TPPを支持回復の足がかりにしたいと考えている。  オバマ氏は昨年1月の一般教書演説で「今後5年間で輸出倍増、新規雇用200万人」の目標を掲げたが、実現はおぼつかない。そこで、何でも言うことを聞く日本に、輸出の受け皿を担ってもらおうという協定なのだ。  TPP交渉に関しては現在、農産物の関税撤廃が焦点となっているが、24の作業部会が交渉中で、分野は幅広い。米国が求める「公正貿易」は「米国が参入できないものは公正ではない」という論理。米国のルールを押しつけられれば、日本経済の混乱は必至だ。  保険・医療分野では、米国が求めるように保険外診療が拡大し「混合診療」が解禁されれば、所得によって受けられる医療が制限され、日本が長年培ってきた国民皆保険制度の崩壊につながりかねない。郵政事業の開放も問題になるだろう。  公共事業などの入札(政府調達)では、日本はすでに世界貿易機関(WTO)の基準に従い海外企業の参入を認めているが、交渉ではこの基準の緩和が検討されており、米国企業の参入が急速に拡大する可能性がある。  また、食品の安全規制も大幅に緩和される。労働市場が開放されれば、交渉参加国であるベトナムの看護士受け入れ問題が出てくるだろう。  そんな米国の思惑があるのに「TPP参加で国を開き、アジアの成長を取り入れる」との主張が日本のメディアからも聞かれる。  しかし、交渉には中国も韓国もインドも入っておらず、アジア各国との貿易拡大には直結しない。交渉参加国のシンガポールやブルネイ、ベトナムとは経済連携協定(EPA)を締結しており、TPPのメリットはない。  政府は「とりあえず交渉に参加し、ルール策定に関与しよう」とも繰り返すが、そもそも米国主導のルール策定に日本がどれだけ関与できるのか。そういう状況を意図的に隠しているように見える。  一連の動きを見ていると、日本がイラク戦争に協力し、失敗した過程とそっくりだ。米国についていけばうまくいくという発想は捨て方がいい。巨額の財政赤字を抱え、国際競争力も低下した日本には、米国を助ける余裕はないのだから。』 更にもうひとつ東大大学院農学生命科学研究科教授 鈴木宣弘氏のコメントも紹介いたします。 【環太平洋連携協定(TPP)参加をめぐって「国内総生産(GDP)に占める1次産業のシェアはわずか1.5%。そのために98.5%を犠牲にしてもいいのか」という議論がある。大きな間違いだ。農業などの営みがあることで、地域の加工業や輸送業、商業、観光業が成り立っている。その波及効果の大きさを忘れてはならない。  しかもTPPに参加しても、98.5%の産業が利益を得るわけではない。輸出産業がGDPに占めるシェアは十数%。米国の自動車の関税は2.5%で、現地生産も進んでいるから、自動車産業の利益も実は小さい。それよりも、輸出産業の利益のために失う国益の大きさを考えなくてはならない。  外国人の安い労働力を期待する声もあるが、それでは工場が日本に残っても、若者の就職先は減るし、賃金水準も下がる。投資や金融、保険、電気通信などのサービス分野で規制が撤廃されれば、日本企業がベトナムなどで利益を得られるというが、日本も米国企業に攻められるのだから、もろ刃の剣だ。  米国企業が、日本に差別的な公的介入があると判断したら、損害賠償と制度撤廃を求めて日本政府を訴えることも可能になる。  貿易モデル分析の権威である川崎研一氏(経済産業研究所コンサルティングフェロー)の試算によると、TPPに参加しても日本のGDPの伸びは0.54%。独立国家のとりでを明け渡すような関税や国内制度の撤廃までしても、得られる利益はわずかだ。  TPPに乗らないとアジア・太平洋の貿易ルールから取り残されるというのも間違いだ。米国の狙いは、成長するアジアから利益を得ることだ。そのために日本をTPPに引き込んで「対中包囲網」をつくり、アジアがまとまることを阻止したいのだ。  日本がやるべきことは、アジアで利益を共有できる足場を固め、米国と対等な友好関係を結ぶことだ。  日中韓の自由貿易協定(FTA)が年明けから政府間交渉に入る見通しだが、農業など条件が似ている3国間なら妥協点を見いだせる。川崎氏の試算でも、日中韓FTAによる日本のGDPの伸びは0.74%で、TPPより高い。  日本と欧州連合(EU)とのFTAも交渉範囲を確定する予備交渉に入った。EUも日本と同様に関税と国内対策を組み合わせて農業を強化しており、日本にとっても着地点を見つけやすい。これらを、米国との関係をこじらせないよう、したたかに進めるべきだ。  全国で多くの地方議会がTPPに反対を決議している。こんな重大な国家的選択を、情報を隠し続けて強行突破しようというのでは、民主主義国家の体を成さない。民意を代表しない政治家には退場していただきたい。】 ご参考にしていただけたら幸いです。

isoken
質問者

お礼

回答を賜りまして、感謝致します。 尚金子教授は経済学に於いて私が共感出来る数少ない人物、日本は国益の有無を最優先として全てを考えるべき、やはり提示される現状は、TPP加盟に否定的な部分が多いのですね。

関連するQ&A

  • 日本はTPPに加盟できなければどうなるのでしょうか

    TPP交渉にに早くから参加をし条約を検討中の11ケ国の中に新たに加わりたい日本ですが、本当にTPPに加わわることはあるのでしょうか。♪♪♪ オバマ大統領は農産物を日本に売るたいので積極的に日本の加盟に賛成の様ですが、共和党は農産物生産者の金持の政党ですからTPPに日本を引き入れることには反対しませんが、オバマ大統領の支持者の全米自動車労組は反対です。♪♪♪ 日本のマスメディアはあまり報道しませんが、アメリカ議会が日本自動車の関税を廃止するとは考えられませんので、アメリカ議会は結局日本の参入に反対に出て、日本はTPPに入れないという事態になる可能性が高い様です。♪♪♪ 日本国内のTPP反対論者が勝つ事態となります。♪♪♪ 皆様はもし日本がTPPに参入できなくなったら、どうなるとお考えでしょうか。♪♪♪

  • TPP加入のメリット/デメリット

    以前カダフィ大佐の件で質問させていただいた者です。 http://okwave.jp/qa/q7093256.html その際こちらで頂いた回答が非常にわかりやすく大変勉強になったので 再度質問させていただきます。 現在TPPの問題が騒がれていますが、TPP加入のメリットデメリットは具体的に何でしょうか? 農業等の第一次産業にとって不利で、輸出産業にとって有利であることはわかるのですが、 それだけでしょうか。 加えてTPP加入に賛成か反対か、その理由も書いていただけると大変ありがたいです。

  • 高校生でもわかるTppのメリット デメリット

    高校生でもわかるTppのメリット デメリット 高校で作文の発表をすることになり、作文の内容を「TPPに加盟する事でできるメリットとデメリット」にしようと思ったのですが、 tppは難しい言葉がたくさん出て来るので、 あまり理解できてないままでいます。 なので、高校生でも ある程度わかるような言葉でTPPのメリット等について教えてください。

  • TPPの重要性など

    TPPは私も細かいところまでわからないのですが、国内の大企業(コンビニ産業や加工食品産業)は当然関税のかからないまま入ってきた安い輸入食品を買うので、国内の農産業に大変な影響が出るというものですよね。 他に外国にとってのメリットと日本にとってのデメリットになることを教えて下さい。 あと、そうしたTPPで日本がアメリカと問題になったりしているのに、「ヘタリア」など国を扱った作品で個人で二次創作として漫画や絵を描いて嬉しそうにしている人たちはどうしてなんでしょうか? わかっていないのでしょうか?知らないのでしょうか?それとも関係ないと思っているのでしょうか?

  • TPPに野田首相が積極的なのは何故ですか?

    野田総理はTPPに賛成のようですが、何故なのでしょうか? ネットやテレビなどでもTPPの問題が大きく取り上げられ国民の多くが反対しているのにも拘らずTPPに積極的ということは何かメリットでもあるのでしょうか? ニコニコやYOU TUBEなどで官僚さんが話していたことくらいしか知らないのですが、 詳しい方や「私はこう思う」などの意見がある方は教えてください 是非よろしくお願い致します。

  • TPPと亀井代表

    亀井代表が 野田総理に TPP交渉の不参加を 提案 しましたが 私には 亀井代表がズルに見えて しかたありません。なんでも そうですが 何か 大きな事をやるときに 必ず 布石を打つために反対する人が いますが 何かあった時そのような人の「だから俺は反対した!」と逃げるシナリオはウンザリです。私の考えは 議論しても TPPは必ずデメリットはあるので「参加したくはないが、やらざるを得ない」です。 簡単にデメリットを並べて反対するだけの人は 勇気を出して とりまとめようと する人からしてみれば なんて楽なんだろう。皆さんは 亀井代表の行動を どう考えますか?

  • TPP

    TPP問題で、 日本の農業が衰えるという点ではデメリットだと思います。 しかし、農業に関するメリットは日本側にあるのでしょうか?

  • TPP

    本日、TPP参加の表明がなされました。そこで質問ですが、関税撤廃された時の農業のメリット、デメリットは理解できるのですが、日本の医療制度も崩壊しかねないとの反対があるのですが、、いまひとつ理解できません。私は反対、賛成の立場ではないのですが、知識として知っておきたいので、わかり易い説明をお願いします。

  • TPPへの疑問

    <TPPへの疑問:詳しい方ご教授下さいm(_ _)m> 以下、素人の疑問です。 (1)端的に言うと、TPPは、自由貿易の促進(関税撤廃・規制緩和)、と捉えているのですが、逆に、自由ではなく、国内経済や制度がTPPの条件に縛られるイメージがあるのですが、どうなんでしょうか? (2)TPPのメリット:関税の撤廃で輸出産業にメリットがあると言われてますが、日→米輸出の関税は、自動車2.5%、液晶5%なので、5円円安になれば済むだけな気がするんですが。たったそれだけのメリットをつかむために、国内経済や制度を脅かすリスクを取る意味があるのかどうか。 (3)TPPとEUの違い:TPPはEUと違い、通貨統合や政治的統合もないですが、EU各国の経済連携と何か違い(関税や規制緩和)はあるのでしょうか? また、経済連携はメリットもありますが、今のEUのように、どっかの国がこけると連鎖的に将棋倒しになりそうなリスクがある気がしますが、大丈夫でしょうか?

  • TPPについての僕の考え方

    TPPについてはいろんな考え方がありますが、僕の考え方を述べさせてもらいます。 ズバリ言うと、TPP参加に賛成です。(というか反対できないのではないかと思っています) 昔、コメの自由化で日米経済摩擦となったときにも、僕はコメの自由化に賛成でした。 (世間の風潮と全く反対でしたが) というのは、世界の貿易のルールとしては、「売る限りは買え」なのです。 (売るわ、買わんわでは、日本だけ儲かってケシカランとなるからです。 さらに日本は「払わん」(GNP1%じゃ防衛努力していない)も文句言われることです) コメだけを考えると、「日本の農家はどうなるか」という理論になりますが、 アメリカは、「日本がアメリカの車産業を壊滅してるくせに何をいうのか」と言います。 実は日本がつぶした欧米の産業はこんなにあります。  アメリカ : 自動車と鉄鋼  イギリス : 造船と橋桁技術  フランス : 工作機械と鉄道  ドイツ : カメラを含む精密機械  スイス : 時計 しかも、日本のコメの価格は世界平均の10倍だことも、GATTでは勝てない要因です。 売る、買わん、払わんの3つを考えるとき、売るも払わんも正しいはずならば、買わん をあきらめなければならないと思います。 皆さんは、僕の考え方にどう思われますか? 僕の考えに反対する人はそれでいいと思いますが、この考え方を踏まえた上で批判してください。