• 締切済み

仮設住宅、健康を保つには?

 東日本大震災で被災し仮設住宅に入っている人が、被災前とは違う生活で体調を崩すケースも多いと聞きます。仮設住宅住まいが健康にどんな影響があるのか、本格的な寒さの到来を前に、気をつけるべきことを教えてください。=匿名

みんなの回答

  • SANKEI1
  • ベストアンサー率82% (57/69)
回答No.1

■エコノミークラス症候群  厚生労働省の17日現在のまとめによると、東日本大震災で建設された仮設住宅で、被災者が入居しているのは岩手、宮城、福島など7県の4万4967戸。避難所や旅館などに避難する人が減り、仮設住宅に移る人が増えている。仮設住宅では、避難所などよりプライバシーの守られた空間を確保できる一方で、孤立し閉じ籠もりがちになることによる心身の健康への懸念も出てくる。  例えばエコノミークラス症候群だ。宮城県石巻市の石巻赤十字病院が、市内の仮設住宅の190人に対し8月下旬に行った検査で、7%の13人が足の静脈に血栓があり、エコノミークラス症候群の一種「深部静脈血栓症」であることが分かった。血栓が流れて肺静脈を詰まらせると死に至ることもある病気だ。  検査をした植田信策医師(呼吸器外科)は、「仕事のないお年寄りらが狭い仮設住宅で座ったままじっとしていると、血液の流れが悪くなり足に血栓ができやすくなる」と原因を分析する。動かなければ年齢を問わずかかるという。  新潟県中越沖地震の際は、仮設住宅に入居後2カ月ほどでエコノミー症候群が増えたというデータもあるといい、植田医師は「今後寒くなればさらに動かなくなる。9~10月にかけて入居した石巻市ではこれからエコノミークラス症候群が増える可能性がある」と警鐘を鳴らす。  仮設住宅内で動かないことで引き起こされるものはほかにもある。筋力が低下し歩けなくなる「生活不活発病」になり、それが原因でエコノミークラス症候群や、菌などがのどから肺に入って起こる「誤(ご)嚥(えん)性肺炎」になることもあるという。また、アルコール依存症や、認知症の悪化も懸念されている。  こうした心身の症状の根底にあるのは、複数の専門科が最も懸念する精神面のダメージだ。兵庫県立大の神崎初美教授(災害・成人看護学)は「一番の問題は孤独による閉じ籠もり」だと指摘する。  仮設住宅には被災前のコミュニティーや避難所の人間関係に関わらずバラバラに入居するケースが多く、「仮設住宅で人間関係をまた一から作り直すことになる。人付き合いの苦手な人にとっては新たな関係を築いていくのが難しい」。  神崎教授によると、阪神大震災の仮設住宅での孤独死のうち、3割がアルコールが原因とみられる肝疾患だったという。神崎教授は「被災して職や生きがいを失った人は、閉じ籠もって過度な飲酒をしたりきちんと栄養を取らず衰弱したりする。仮設住宅は個人のほっとする空間が確保できる一方で、避難所のようにほかの人が症状に気付けないリスクもある」と分析する。   ■役割分担にも効果  では、閉じ籠もりを防ぐにはどうすればよいのか。  宮城県気仙沼市の仮設住宅で24時間態勢の支援活動を行っているNPO法人「阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」(神戸市)の黒田裕子理事長は、「住人が出てこられる場と人間関係を季節を問わずつくらなければならない」という。  同法人では、毎朝ラジオ体操を行い、集会場では感染症や高血圧の予防法を紹介するなど集まる場を設けている。同世代、同じ趣味などの共通点から住人同士を引き合わせる「つなぎ役」が、集会場に出てこない人にも気を配る。  一定の役割を分担するのも効果的。班ごとに掃除や住人への声かけ、花壇の世話などの仕事を分担する。顔を合わせれば互いの健康状態も分かり、当番に出てこない人の安否確認にも役立つという。  また、共通の話題である仮設住宅の住み心地や問題点を話し合うことも「コミュニティーづくりのきっかけになる」というのは、仮設住宅の改造例をインターネット上などで紹介している新潟大の岩佐明彦准教授(建築計画学)だ。  防寒対策に窓に荷造り用のエアキャップを張る、冷気の伝わる壁には布を掛けるなどの工夫が共有でき、「仮設住宅の問題点が住民の間でまとまっていれば、行政も対応しやすい」というメリットもあるという。  植田医師は「家の中に閉じ籠もらず、普通の活動を取り戻すことが大切」と話す。冬はただでさえ室内にこもりがちだが、健康を保つには意識して人付き合いをし、外出することが必要のようだ。(高橋裕子)

関連するQ&A

  • 仮設住宅で暮らしている人は仕事をしているの?

    東関東大震災で仮設住宅で暮らしている人は やはり仕事をしているのでしょうか? 仮設住宅で生活するには やはり収入がないとダメで仕事をしないと仮設住宅に住めないのでしょうか? それとも仮設住宅に住むくらい被災しているのなら 仕事をしなくても暮らしていけるほど、支援されているのでしょうか?

  • 仮設住宅には何年住めるのでしょうか?

    いまだに阪神大震災の被災者で、仮設住宅に住んでるか経っているのですか?

  • 仮設住宅の許可

    東日本大震災の避難者のために仮設住宅が建てられていますが災害時の仮設住宅は確認申請は必要なのでしょうか? 必要でないとしても、どんな住宅でも勝手に建てていいというものではないと思うので何らかの審査はされるのでしょうけど、やはりどこかに申請して建設許可を受けなければいけないのでしょうか? また、構造や仕様などの基準はあるのでしょうか? お詳しい方おられましたら、よろしくお願いします。

  • 仮設住宅でのインターネット

    今回の地震と津波で被災した者です。 家がないので仮設住宅への申し込みを検討しているのですが、仮設住宅にインターネットをひくことは出来るのでしょうか? 被災前までパソコンをつかった仕事をしており、被災後も会社からかなり支援して頂いたので早く復帰したいのですが、インターネットについてご存知の方がいましたらご回答ください。 よろしくお願いします。

  • 仮設住宅の居住性とコミュニティ

    東日本大震災で建てられた仮設住宅のことについて調べています。 現在の仮設住宅の居住性は決していいものではないと思うのですが、住民から居住性について苦情等があったとき行政はどのような対応をしているのでしょうか? また仮設住宅では震災前のコミュニティ(近所付き合い)がなくなり新たなコミュニティが形成されていると思います。 阪神大震災では行政がコミュニティ形成をおろそかにした結果、孤独死が多発したと聞きました。 やはりコミュニティ形成には行政の手助けが必要だと思いますか? また、人間が生きていく上で住居の居住性とコミュニティはどんな関連性、共通点があるのか皆さんの意見を聞きたいです。 よろしくお願いします

  • 敷地内にある仮設住宅について

      こんにちは、わたしは建築関係の仕事をしているものです。 この度、市街化調整区域内のところに住宅の建て替え工事の仕事をいただいたのですが、建築主の方は震災の被災者で、現在仮設住宅で暮らしています。 そこで質問なのですが、建築確認の時に仮設住宅は既存の建築物としてみたほうがいいのでしょうか? 建て主さんは後に物置として使いたいと言うのですが? 建築に詳しい方、どなたか教えていただきたいのですが。 よろしくお願いします。

  • 東日本大震災 仮設住宅等の費用について

    東日本大震災で建てられた仮設住宅の費用はどこから支払われているのでしょうか? その財源はなんですか? また宮城、福島、岩手三県の震災前と震災後の財政などはどう変わったのでしょうか? わかる方よろしくお願いします

  • 仮設住宅について

    今現在、被災地の仮設住宅に住まわせて頂いております。家庭環境や、就業場所などの問題からとても不便で他の市町村の仮設に入りたいです。前に一度移りたい地区の役所に相談に行きましたが門前払いでした。 就業場所はあまり問題ではないですが、一緒に暮らしている祖母が認知性で私に対して特に酷いです。母からも仮設移動した方がいいと言われています。どうしたら他の市町村の仮設住宅に入れますか?それともこんな理由では無理なのでしょうか?因みに移動したいのは私一人です。

  • 仮設住宅は誰でも無償?

    現在、東北の被災者の為の仮設住宅は無償で利用するものだと思うのですが、これは被災前にアパートや借家に住んでいた人達も無償で住んでいるのですか?

  • 募金をもっとすれば「仮設住宅」は広い部屋になったの?

    11月27日午後7時からのNHKニュースで新潟地震で被災して、仮説住宅へ入居された親子にインタビューあり、幼稚園位の子供が部屋を見て一言「ちいせ~」でした。まあ子供だから正直な意見か?と思っていましたが、その父親が「前の家が広かったので、せまいけど我慢します」でした。 私と家族は「ありがたい」ぐらいのセリフは述べてもいいんじゃないか?と議論になりましたが・・・。 この仮設住宅は「何」の予算から建てられたものなのでしょうか? 募金や義援金からもまわっているんじゃないかな?と思っていますが、そうでなかったら別に私達家族が議論するまでもないんですが。 私がもっと募金しとけば「広い」仮設住宅になったのかなぁ?

専門家に質問してみよう