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外国特許明細書のパラメータ

伊藤 寛之(@skiplaw)の回答

回答No.1

弁理士です。 日本では、多くの弁理士は、「Aの値は、1~10が好ましく、3~7がさらに好ましい」と書いていると思います。 この記載方法だと、2.5の先行技術が現れた場合に、3~7に減縮するしかありません。 また、6.9の先行技術が現れると終わりです。 先行技術にどのような値が記載されているのか予測することは、困難です。そこで、具体的な値を種々記載しておいて、色々なパターンの補正を可能にします。 例えば、以下のように記載します。 「Aの値は、1~10が好ましく、3~7がさらに好ましい。Aは具体的には、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10であり、これらの数値のいずれか2つの間の範囲内であってもよい」 2.5の先行技術が現れた場合は、3~10に補正し、 6.9の先行技術が現れた場合には、1~6に補正します。 もちろん、上記のように補正をしても、進歩性の問題や記載要件の問題で特許性が確保できないかも知れませんが、少なくとも新規事項追加の問題は回避できますので、どちらかというと有利な方向に働くと思います。 先行技術以外にも例えば、実施例が5しかない場合、審査官が2~8の範囲で特許を認めるのか、4~6の範囲で認めるのかは予測困難です。 明細書に3~7しか記載がない場合、担当した審査官が厳しめの人で4~6でないと特許を認めないと考えても、そのように補正を行うことは、新規事項の点で不可能になります。 このような場合、上記のように具体的な数値があれば、新規事項の問題は生じません。 判例は知りませんが、他人が書いた明細書の中間処理を行う際に、数値限定の根拠がなくて苦労することは多いので、自分の明細書ではキーとなるパラメーターについては具体的な数値を記載しておいて、補正の自由度を高めるようにしています(あまり馴染みがないので、最初は不思議に思うクライアントもいますが、説明すれば納得してくれます)。

petitmonkey
質問者

補足

丁寧なコメントをありがとうございました 以下の点について、追加の質問をさせて下さい 「Aの値は、1~10が好ましく、3~7がさらに好ましい」と書いている場合には、6.9の先行技術が現れると終わりとのことですが、 これは、新規事項の追加と認定されるため、だと解釈しております。 ただ、1~6とか6~10に数値範囲を減縮する補正は、 日本では、1~10の範囲内であることが明らかであるので、限定的の減縮として許容されるとおもいます。 欧米では、上記のような主張は通用しないのでしょうか?

伊藤 寛之(@skiplaw) プロフィール

SK特許業務法人 弁理士 伊藤 寛之 (いとう ひろゆき) 日本弁理士会 ■お問い合せ■ SK特許業務法人 【対応エリア】全国 【営業日】10:00~18:00 ■事務所について...

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