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福島原発の冷却の必要性と問題の原因
- 福島原発は、なぜ冷却が必要なのか、その問題の原因を解説します。
- 福島原発では、原子炉と使用済み核燃料の冷却に苦戦しています。通常、原子炉が停止すれば化学反応も停止するはずですが、それがなぜ起きないのかについて詳しく調査しましょう。
- また、核爆弾との違いや、今回の問題が起きた理由についても考察します。日本のメーカーの研究のおろそかさが原因との推測もありますが、その点について技術的な解説をお願いします。
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化学反応と同列に扱うと理解しにくいかと思います。 ザックリと説明します。(その代り厳密にはおかしい部分も ありますがお許しを。) [化学反応の基本] 原子や分子同士の繋がりは変化するが原子自体の 変化は伴わない。つまり質量保存の法則が成立する。 (反応式の右辺左辺で質量は不変) [核分裂(融合)の基本] 原子自体が変化する。(他の原子に変化する) つまり質量の一部がエネルギーに変化する。 もっと乱暴な説明をすると、化学反応は電子の授受と見る事 が出来ますが、核分裂(融合)は原子核を構成する陽子と中性 子(の数)が変化すると思ってください。 (中性子の吸収放出というイメージでとらえれば良いかと 思います。) 同じように見えますが全く別の物です。 [原子炉の停止とは?] 連鎖的な核分裂反応が止まった状態を「原子炉の停止」と 言います。 例えばウラン235の代表的は反応は以下の通り U^235+n → Y^95+I^139+2n (nは中性子) この様に、U^235は核分裂に伴って中性子を放出し、この中性子 が次のU^235の核分裂を誘発します。(連鎖的核分裂) 現在の原子炉は、この反応が止まったと云う状態ですね。 ただし、右辺で生まれた物質が核分裂する能力を持っていれば さらに放射線を放出して他の元素に変化します。 例えば現在問題になっているI^131はベータ崩壊でXe^131mに変化 しますが、この段階で出る放射線を燃料棒の被覆管や燃料自体が 吸収することで熱が発生します。 つまり、「連鎖的な核分裂反応は止まったが核分裂反応自体は 止まっていない。だから未だに熱が出る。」んですね。 そのために冷却が必要となります。 [核分裂反応を止めることは出来るか?] できません。 誤解していただくと困るのですが、連鎖的な核分裂を止めることは 出来ます。 先に書いたウランの核分裂反応なら、左辺のnを取り除く、すなわち 制御棒を挿入することで分裂は止まったように見えますが、中性子 が無くてもU^235はベータ崩壊でTh^231に変化します。 つまり、「原子炉は崩壊しやすい核物質に中性子を照射することで 効率的に熱を取り出せる核反応を”加速させて”起こさせる。」という ことなんです。 ですから >・使用済み核燃料の自然的核反応を防ぐ方法は無い >というような 答えは 私としては ? と思っているので これについては「無い」と理解していただくしかないですね。 ただし >核爆弾と違って、一旦燃焼開始しているのだから、なかなか >消せない と言った学者がいたなら、これはもう言語道断です。 瞬間的に発生している連鎖反応を止めることなど誰にも できません。 原子炉の場合は、核爆弾に比較するともう桁違いに遅い 反応なので容易に止められる(原理的にいうと、止まろうとする 反応を無理やり進めているようなもの)んです。 不明点があれば補足ででも御要求ください。 それと宜しければ、疑念が晴れましたら質問を締めていただけると 助かります。 場合が場合で皆さん御不安ですから、出来るだけ回答して御不安 を解消しようと思っているのですが、回答が締められていないと 検索等で困ってしまいます。 (ポイントをくれと云う意味ではありません。)
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- Mokuzo100nenn
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>いわゆる燃料棒の残留熱がなかなか収まらない 残留熱ではなくて、核燃料の内部にある核反応化合物の崩壊熱がが継続的に発熱を続けているための「新規発生熱」です。 >使用済み核燃料が自然発火的科学反応を起こした 「起こした」のではなく、もともと発熱しておるモノに対する冷却が止まった。だから代替的手段で冷却を実施しようとしている。 >核爆弾と違って、一旦燃焼開始しているのだから、なかなか消せない 燃焼では無いですが、核分裂連鎖反応は制御棒を挿入することで「消す」ことに成功しています。 >使用済み核燃料の自然的核反応を防ぐ方法は無い 使用済み核燃料の中にある核反応化合物の崩壊熱を人工的に即時停止することはできない(物理学的な事実)。
お礼
ありがとうございます
- kokubosino
- ベストアンサー率19% (697/3530)
中性子を出して発熱する燃料棒に対して、それを抑える為の制御棒というのがあります 緊急時にはこの制御棒を全挿入して全ての中性子を吸収して発熱を抑える装置が組み込まれているのですが(この技術は日本も確立しています) 今回、稼動中の原子炉と言うことで、制御棒が離れた状態で、地震に合い制御棒が下りない状態になりました、制御棒の他に中性子を抑える為の真水が炉内を覆っているわけなのですが、地震と津波の衝撃で炉が破損して、水が漏れ出して燃料棒の発熱が進行しました だから、注水(緊急時ですから近くにある大量の水という事で海水)をして発熱を抑え、制御棒を動かす電力を供給して、原子炉を停止状態にする為の努力が進んでいます。
お礼
ありがとうございます
- aokii
- ベストアンサー率23% (5210/22062)
・核爆弾と違って、一旦燃焼開始しているのだから、なかなか消せない。 ・使用済み核燃料の自然的核反応を防ぐ方法は無い。 その通りです。 日本は世界一の原発先進国ですが、そのような事態を防ぐ技術はありません。 日本のメーカーが(アメリカ軍も未完成、完成すればノーベル賞)研究をおろそかにしたまま今日に到った訳では有りません。 もともと、放射性物質や放射線を完全に防御できない原子力を、人間が利用するという発想が誤りです。 ちなみに、原子力は地球上に存在しない放射性物質(存在を消すこともできない物質)を作り上げてしまったのです。 原子力発電や核爆弾や核実験は、人類を滅亡させる、ウイルスを作って放出させたようなものです。 アインシュタインは自分の発見した理論を悔いていました。
お礼
ありがとうございます まだまだ 原子力は研究すべき課題が いろいろとありそうですね
- RTO
- ベストアンサー率21% (1650/7787)
一つは 核燃料は化学反応ではなく核反応でありメカニズムが全く異なること。 もう一つは制御棒が全挿入されて中性子が抑制されて核分裂が止まっても燃料棒自体の核崩壊による発熱は止まらないこと 以上はここ数日のテレビを見ていてもわかる程度の基礎知識です
お礼
ありがとうございます
お礼
ありがとうございます いろいろと技術的にご教示いただき納得できました 化学式は 正直全ては理解できていませんが 自分なりには まったく式のとおりだと感じています あまり 関係ないかもしれませんが 以前に東海村かどっかで作業員が 核燃料を(ある量以上に)バケツにつっこんでしまい 核反応を起こしてしまった というような記憶があるのですが 今回についても 核燃料を1000本以上プールに入れておく なんてことをしなければ 大事故は抑えられたかもしれないと 思っています