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群の位数と濃度

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回答No.2

「群と位数と濃度の関係」というより,それ以前に「群と集合の関係」を整理して理解する必要があるように思えます. 群とは,「集合」(すべての元の集まり)と,その集合の上に定められた積演算という「関係」をあわせて捉えたものです. ただの集合は群ではない,その上に定められている積演算関係を考え合わせてはじめて群といえる. 逆に,群を(積演算関係を捨象して)単に元の集まりとみなして扱えば,それはただの集合. (その意味で,「群と集合は違うもの」という意見は,半分正しくて半分勇み足です) 群の位数とは何か? それは,上述の意味で群を単に集合とみたときの「濃度」と同義です. さらに言えば,「群G」と書いた時点で,そのGという記号の使われ方は「単なる元の集まりとしての集合」と「積演算関係を伴った群」の両方の意味が重なった曖昧な使われ方であることに留意すべきです. 後者を明示的に表現したければ,たとえば集合をG,積演算関係を・で表して (G,・) と書くのが正式な記法です.単にGと書いて群を意味するのは省略された記法です. ところで,集合Xの濃度を cardX でなく |X| で表すのは広く用いられている記法です. したがって,|G| と書いたら,それは本来は「群 G を単なる集合とみたときの濃度」を表す記法です.そしてそれは「群 (G,・) の位数」の定義そのものです.だから,|G| と書いた時点で「単なる集合としての濃度」と「群としての位数」の両方の意味が重なっていて,しかしどちらでも結局同じだから区別する必要はないのです. さて,「群を集合とみたときの濃度」を単に「群の濃度」と称することは許容されるか? というと,私は許容すべきと考えますが,許容しないという立場もあるでしょう. 位数という言い方は有限群を強く想起させる一方,集合の濃度という言い方は無限集合を想起させます.また,群論の文脈で「位数が無限」というと,それは「無限であることを積極的に認識する」というより「有限でないので考察の対象から外す」という消極的なニュアンスを感じます(無限を対象として積極的に扱うとなると,それは群論ではなく集合論になる). 私の印象としては,一貫性を欠くのは承知のうえで,有限群については「位数」,無限群については(あえて呼ぶなら)「濃度」と呼ぶのが,なんとなくしっくりきます.

lusa
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 質問文の書き方が悪かったようです。 群が集合とある条件を満たした演算の組であることを知った上で あえて「群(G,・)」を「群G」と表現したこと、 「この場では」|G|とcardGを別々のものとして表していることを強調するために 「群Gの位数を|G|、濃度をcardGとするとき」と書いたことで わざわざ細やかな説明をさせてしまったようです。 初めは群(G,・)の位数|G|と集合Gの濃度cardGは同じものだと思っていました。 しかしある代数の入門書に|G|=n<∞といったような表記がされており、 「群の位数」が「単なる集合とみたときの濃度」と同義なら|G|=n<a(a:可算の濃度) と書くのでは、と思ったためこのような質問をしました。 |G|=n<∞と書いていたのはなぜでしょうか。 単に代数の入門書であるから、濃度の概念を用いずに「<a」ではなく「<∞」と書いたのでしょうか。 それとも、そもそも完全に「群の位数は、群を集合とみなしたときの濃度である」とは言えないのでしょうか。

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