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化学の参考書の「水」についての項目を読んでいると、
化学の参考書の「水」についての項目を読んでいると、 「水は水素結合のおかげで表面張力が強いため、毛細管現象によって割と高く持ち上げられる」 みたいなことが書いてありました。 ここで疑問に思ったのですが、 表面張力と毛細管現象の関連性が理解できません。 Wikipediaを見てもよくわかりませんでした。 表面張力ってその液体の表面積を最小にしようとする働きなんですよね? 液体が毛細管内を上ると、表面積は減るどころか増える気がするのですが………。
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液体の表面張力の作用により,液体の表面積は最小になろうとします。 液体に表面張力があるように,固体にも表面張力があります。そして,液体同様に,やはり固体の表面張力の作用により,固体の表面積は最小になろうとします。 一方,液体の「表面」というのは,厳格にいうならば,気体と液体との「界面」です。そして,液体の「表面張力」とは,気体と液体との界面にはたらく「界面張力」であり,この界面張力の作用により,気体と液体との界面の面積は最小になろうとします。 固体の表面張力も,同様に,気体と固体との界面にはたらく「界面張力」であり,この界面張力の作用により,気体と固体との界面の面積は最小になろうとします。 こう考えると,液体と固体との界面張力というものも定義できることにお気づきでしょう。 そして,液体と固体との界面にはたらく界面張力の作用により,液体と固体との界面の面積が最小になろうとします。 なお,表面張力(または界面張力)が大きいとは,表面(または界面)の面積を小さくしようとする作用が大きいということになります。 さて,毛細管現象の話に戻しますと,例えば,空気中でガラス製の毛細管で水を吸い上げるような場合では, (1)水の表面=空気と水との界面,(2)ガラスの表面=空気とガラスとの界面,(3)水とガラスとの界面,の3つの界面に着目する必要があります。これらの3つの界面それぞれにおいて界面張力がはたらき,それぞれの界面の面積を小さくしようとします。これは一種の綱引きであり(図を参照),3つの界面張力のバランスがとれたところで,ガラスに対する水のぬれかた,つまり水とガラスとの接触角が決まります。 水面に垂直に立てた毛細管の場合は,もうひとつ,下向きの重力の作用も考慮しなければなりません。 結局,毛細管内の水柱がどこまで上昇するかは,重力の作用,3つの界面張力の作用のバランスで決まります。 重力の作用を受けながら水柱が上昇していくと,空気と水との界面の面積,水とガラスとの界面の面積は増えていきますが,一方で,空気とガラスとの界面の面積は減少していきます。そしてうまくバランスがとれたところで水柱の上昇が止まります。その状態がエネルギー的に安定,すなわち,居心地がよいということになります。
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- jamf0421
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例えば水をテフロン板の上に落とすと水滴になります。この時水滴のフチの1点に3つの力がかかってつりあいます。水滴を真横からみて、テフロン表面の表面張力(正確にはテフロンと空気の界面張力)が水平方向テフロン表面側に引っ張る力になります。(σ1) 水滴のフチから上方に水滴断面の接線方向に水の表面張力で引かれます。(σ2)この接線と、水平なテフロン面(但し水滴とテフロンの界面の側)の角度をθとすると、力の水平方向の成分はσ2cosθとなります。この角度を接触角といいます。相手がテフロンだとθは90°以上なのでcosθは負になります。テフロンと水滴の界面方向にσ3の引っ張る力が働きます。いずれも界面に存在する張力です。水滴が安定なら力は釣り合っているのです。 σ3+σ2cosθ=σ1...(1) です。今の例のようにθが90°より大きければ左辺第二項はマイナスで、その力はテフロンの引っ張り方向に一致します。 表面張力(N/m)は単位面積あたりのエネルギー(J/m^2)と看做せるのでどの界面を作るのがエネルギー的に有利か、で終点が決まります。今の例と逆に高エネルギー表面のもの(金属など)だとσ1が大きく、水が濡れ広がってσ1を消してσ3を作ります。そしてθはゼロになって行きます。この場合表面を水が完全に濡らします。中間的なものに対してはあるθの接触角の水滴になります。 もう一つ予備知識が必要で、界面張力を持つ面が曲がっていると、内側と外側で圧力が違うということです。内側と外側で(表面張力と性質が違いますがゴム風船でも内圧が高いです。)圧力差は ΔP=2σ/r...(1) となります。これをラプラスの式といいます。rは界面の曲率半径、σは界面張力です。 さて話を簡単にするため、管壁が水が完全にぬらすものとします。接触角はゼロです。この時、水と管の間で接触角がゼロですから、水は管壁から垂れ下がったような形になります。空気の側と水の側の圧力差がいたるところで同じなら、曲率半径もいたるところ同じで、球面になります。管径が十分小さくて接触角ゼロなら、水面は半球になります。半球の水面ですから(1)式のrが管の半径になります。そして(1)式の分だけ大気の側の圧が高いというか、寧ろ水の側の圧が低いことになります。しかし管を立てている水の水平面は下にあり、水平面上の圧が丁度1気圧です。管の曲がった水面の水がわは低圧ですから、その分だけ下から押し上げられるのです。その高さは水の表面張力と管の太さをしればΔPが出ますのでΔP=ρghから出せます。ρは水の密度、gは重力加速度、hは登った水の高さです。
>液体が毛細管内を上ると、表面積は減るどころか増える おっしゃる通り、この説明は毛管現象の説明ではないのです。 毛管現象は水とガラス表面のH-O-Siとの親和性が大きいので起きています。タオルが水を吸うのもセルロースは糖類が縮合した構造をしておりアルコール基がたくさんあるから水と親和性があるのです。 表面張力の大きな別の代表である水銀はガラスとは毛管現象を示しません。ガラスと親和性がないからです。しかし他の金属とは親和性があるので、金属管なら上がってきます。
お礼
界面張力が3種あるということには全く気付いていませんでした。 勉強になりました。謎も解けました。 ありがとうございます。