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y'' + y = 0の解
y'' + y = 0の解 この方程式の解は sinxとcosxが当てはまるのは分かりますが、実際に解を導くには どうするばいいのでしょうか? 試しに、変数分離法で解こうとしました。 (dy^2 / dx^2) = -y - dy^2 / y = dx^2 - (logy dy) = xdx + C1 - (logy dy) = x^2/2 + C2 - (ylogy - y) = x^2/2 + C2 ここから先y = の変形が分かりません。 根本的に解き方が違うのでしょうか?
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y=c sin(t) とおくのは,置換積分の常套手段です. 右辺は単に積分を計算しているだけなのです. 高校生のときにやってるでしょう? それと,No.2氏の解は通常微分方程式の解とは言いません. まだ解けるから(No.3氏ご指摘の通り) 線型n階常微分方程式ってのは, 実際は解は完全に分かっているのです. y''+y=0 の場合は,z=y'とおいて,連立の微分方程式にしてしまいます. (y, z)' = A (y,z) A=(0 1) (-1 0) このとき (y,z) = Ce~{Ax} (y(0), z(0)) となり,e~{Ax} = (cos(x) sin(x)) (-sin(x) cos(x)) これを計算すれば求めている解です. これは行列の指数関数を勉強すればすぐにわかります. 一般の線型n階常微分方程式は,斉次・非斉次を問わず 行列の指数関数を用いて解析的に解けます. こういう解き方が代数的でいやなら,因数分解の応用でもとけます. いわゆる「演算子法」という手法の簡単なものです y''+y=0 は「微分をする」という演算をDと書くことにすると (D^2 y) + y =0 (D^2+1)y=0 (D+i)(D-i)y=0 というように虚数を使って因数分解できます. これはどういうことかというと z=(D-i)y = Dy - iy = y'-iy とおくと (D+i)z=0ということです これは Dz + iz = 0 すなわち z' + iz =0 です.これは普通の変数分離であって z=Ce^{-ix} です そして,z= y'-iyであったので y' -iy = Ce^{-ix} です. これをとけばいいので 両辺に e^{-ix} をかけると (ye^{-ix})' = Ce^{-2ix} y e^{-ix} = (C/(-2i)) e^{-2ix} + D y = (C/(-2i))e^{-ix} + D e^{ix} ここで,Cは任意定数であったので,Cを -2iCとしてもよいので y = C e^{-x} + D e^{ix} さらに,e^{ix}=cos(x)+isin(x)であるので y = Ccos(x) - iCsin(x) + D cos(x) + iDsin(x) = (D+C)cos(x) + i(D-C) sin(x) ここで,CとDが互いに共役な複素数だとすれば y= C1 cos(x) + C2 sin(x) C1,C2は実数と表せる このように「因数分解できる」ということと 定数係数線型n階常微分方程式が簡単に解けるということが 一致することがわかります そして代数方程式は必ず因数分解できる(代数学の基本定理)ので 対応する微分方程式も必ず解けるということで, ポイントは「複素数まで広げてしまう」ということです. 行列の指数関数という形に関数を閉じ込めるか 因数分解によってより具体的に関数を書き下すかという違いはありますが, どちらも同じです. ちなみにまだほかのとき方もあって 解をあらかじめ y=Σa_i x^i のように級数で表現して 微分方程式に代入することで級数の係数を求めるということも可能です. これは具体的な形がわかるので工学的には計算しやすいですし 数学でも解を具体的に構築できるので便利ですが なかなか解を「閉じた形」に「陽」に表現するのが難しいです 今回の問題の場合は,じつはそれほど難しくなく(計算は長い), 三角関数の和であることは導けはします.
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- 178-tall
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>..... 質問したかったのは、分からない状態からの答えの導出です。 それなら、変数分離法です。 微分オペレータ d^2/dx^2 - 1 = (d/dx + i)*(d/dx - i) から、 (d/dx + i)y = 0 (d/dx - i)y = 0 の解を求めて、線形結合しているわけですから。
お礼
ありがとうございます。
y''+y = 0 y' を乗じて y'y''+y'y = 0 ∴ d{(y')^2+y^2)}/dx = 0 ∴ (y')^2+y^2 = c^2 ここで c は定数 これから dy/dx = ±(c^2 - y^2)^(1/2) 変数を分離して ±dy/{(c^2-y^2)^(1/2)} = dx 積分して x+d = ±∫dy/{(c^2-y^2)^(1/2)} (1) ここで d は定数 y = c sin(t) とおくと dy = c cos(t)dt (c^2-y^2)^(1/2)=c cos(t) (±は c に含める) よって (1) より x+d = ∫dt = t (右辺の積分定数は d に含める) = arcsin(y/c) ∴ y/c = sin(x+d) y = c sin(x+d) なお、sin(x) と cos(x) が微分方程式を満たすことに気づけば、解の一意性の定理から、一般解が y = c sin(x) + d cos(x) = e sin(x+f) の形であることがわかります。解の一意性の定理については自分で調べてください。
お礼
回答ありがとうございます。 式については、自分なりに理解できました。自分には思いつかないような素晴らしい式変形です。 勉強になります。 気になりましたのは、「y=c sin(t)とおくと」という部分があり、やはり解はc sin(t)である という目星をつけないと導くことになるのでしょうか? 式1を直接変形して、y = c sin(t) (とy=c sin *)が導かれた、とはならないものでしょうか。
- Knotopolog
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次のような解法と解の表示の仕方もあります. y'' + y = 0 の両辺に y' を乗ずる. y'' y' + y y' = 0 これを変形すると ((y')^2)' + (y^2)' = 0 A を積分定数として,上式の両辺を x で積分すると (y')^2 + y^2 = A y' を求めると (y')^2 = A - y^2 y' =±(A - y^2)^(1/2) B を積分定数として,上式の両辺を x で積分すると y =±∫(A - y^2)^(1/2) dx + B この式は,微分方程式 y'' + y = 0 の一般解です. (検算) y =±∫(A - y^2)^(1/2) dx + B y' =±(A - y^2)^(1/2) y'' =±(1/2)・(-2 y y')・[(A - y^2)^(-1/2)] y'' =±(1/2)・(-2{±∫(A-y^2)^(1/2)dx+B}・ ・{±(A-y^2)^(1/2)})・[(A-y^2)^(-1/2)] y'' =±(1/2)・(-2{∫(A-y^2)^(1/2)dx+B}・ ・{(A-y^2)^(1/2)})・[(A-y^2)^(-1/2)] y'' =±(-{∫(A-y^2)^(1/2)dx+B}) y'' + y =±(-{∫(A-y^2)^(1/2)dx+B}) +[±∫(A - y^2)^(1/2) dx + B]=0 となり, y =±∫(A - y^2)^(1/2) dx + B が一般解であることを確認できました.
お礼
回答ありがとうございます。 y =±∫(A - y^2)^(1/2) dx + B まで導いていただいているようですが、知りたかったのはcosとsinが解であることの導出です。
- 178-tall
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「定係数線形微分方程式」の基本解は、y = e^(px) です。 y" + y = 0 に y = e^(px) を代入すると、 (p^2 + 1)*e^(px) = 0 すべての x について成立するには、 p^2 + 1 = 0 (特性方程式) p = ±i つまり、e^(ix) = cos(x) + i*sin(x) と、e^(-ix) = cos(x) - i*sin(x) が基本解。 一般解は、ふたつの基本解の線形結合。 y = A*{cos(x) + i*sin(x)} + B*{cos(x) - i*sin(x)} 実係数なら、 y = C*cos(x) + D*sin(x)
お礼
回答ありがとうございます。 いただいた回答は答えが先に分かっているもとに成り立ちますが、質問したかったのは、分からない状態からの答えの導出です。
お礼
ありがとうございます 演算子法というのが一番すっきり理解できました。まさに希望していた回答です。 他にも解き方は色々あるのですね。非常に勉強になりました。