ウィルスの変異とワクチンの効果について

このQ&Aのポイント
  • ウィルスの変異によってワクチンの効果は変わるのかについて、質問しています。
  • 季節性のインフルエンザワクチンは特定の型に対して効果があり、変異による型の変化には対応できないと言われています。
  • 新型インフルエンザについても変異が起きており、ワクチンの効果について疑問が生じています。
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ウィルスが変異するとワクチンは効かないのでしょうか?

知人、誰に聞いても答えに詰まって「分からないね・・どうなんだろう」ということでこちらに質問させていただきました。 今、流行しだしている新型インフルエンザを始め、季節性インフルエンザのワクチンがありますよね。新型は今流行している型から、季節性は流行するだろう型を予想して作られているのだと思います。 季節性のワクチンは「型が違えば効き目がない」と言われています。ここでいう「型」というものと「変異による変化」は違うものなのでしょうか。通常のウィルスの変異程度ならワクチンは有効なんでしょうか。変異というのはインフルエンザの型「N」「H」の組み合わせは変わらないということだから??? 新型も今かかっておけば・・とかいう人もいますが、すでに変異が出てきているそうですので、その考えは正しいのか正しくないのか。(わざとうつして貰うことの是非は別にして) 患者が増えたからか、人にかかりやすく変異したからか、強毒性になりつつあるのか、重症者が増えています。質問ばかりで申し訳ありませんが、ご存知の方、教えていただければうれしいです。

noname#124315
noname#124315
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noname#160718
noname#160718
回答No.3

 獣医師でウイルスに専門知識を有します。  特にインフルエンザウイルスに関しては、「型」という言葉が大変混乱して使われているので、まずそこから整理してみます。  普通インフルエンザウイルスの「型」という場合は、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルスというA~Cの3つの「型」を意味します。  ところがこれらのウイルス、以前は同じ"インフルエンザウイルス"という種の"3つの型"だったのですが、現在ではこれら3つのウイルスは属のレベルで異なるウイルス、と再分類されています。  つまり現在では「A型インフルエンザウイルス」という呼び方自体が正しくなくなっているわけです。正しくは「インフルエンザウイルスA」という呼称になります。(Influenzavirus Aが学名)  まあ、遺伝子構造も生物学的特徴もかなり異なるウイルスなので、現在の分類法が妥当なのです。  さて、他によく聞く分類にH1N1とかH5N1というHとNによる分類があります。  これはウイルスの構造蛋白であるHAとNAという2つのタンパク質の「形」によって、HAは16種、NAは9種に分類されているわけで、これを「亜型」と呼びます。つまりインフルエンザウイルスAには、16×9=144亜型が存在する、というわけです。  この「亜型」という表現も、その上にA~Cの「型」があった時代の名残です。他のウイルスであれば、これは素直に「血清型」と呼ばれているところでしょうね。  さて、このHAとNAの2つの蛋白のうち、感染するときに重要な役割を果たすのがHA蛋白です。ウイルスというのは自活する機能を持たないため、自分の遺伝子を複写することですら単独ではできません。  生きた細胞の中に侵入して、"細胞に自分の遺伝子を読ませる"ことによって自分の遺伝子を複写してもらい、またカプシドやそれこそHAやNA蛋白を細胞に生産してもらうことによって初めて"増殖"が可能となるわけです。  HA蛋白は、例えるなら「細胞のドアを開けるための鍵」です。生体側がこのHA蛋白に対する抗体を持てば、ウイルスは細胞に感染できません。細胞に感染できないウイルスはただの"モノ"で、生物とは呼べない存在です。当然病気を起こすこともできません。  このHA蛋白は先に述べたとおり、1~16の16種類確認されていて、現在ヒトの間で流行しているインフルエンザウイルスAはH1N1(ソ連型)とH3N2(香港型)、それとH1N1(新型)の2亜型(3種類)です。  ですがこのHA亜型、デジタルにすっきりと16種類に分類してしまえるわけではありません。問題は「形」ですから、アナログに連続的に様々な"形"があり得るわけです。  鍵でも新品ですっきり開くモノと、多少すり減って引っかかるけどなんとか開くモノ、相当引っかかってガチャガチャやっていたらそのうち開くようなモノ、どうやっても開かないモノ、いろいろあるでしょ。HA蛋白の変異もまったく同じです。  もちろん「亜型」が違えば抗体はまったく効きません。それはとなりの家のドアに自宅の鍵を挿しても話にならないのと同じです。  でも、自宅のドアに対する鍵でも、長い時間使用してすり減ってしまったものなど、"上手く開かない"ものや"そもそも挿せなくなってしまった"ものなど、いろいろあるでしょう。  一般にインフルエンザワクチンに対して「型が違えばワクチンも効かない」というのは、この"形"のことを意味します。これを指す良い言葉ってないんですよね。  敢えて言えば「タイプ」でしょうけど、タイプはtypeで和訳すれば「型」になってしまう・・・  この変異が大きくなれば、同じH1でもソ連型に対する抗体が新型にはまったく効かない、ということがあるわけです。  そもそもこのHAにしてもNAにしても、亜型を調べる方法は、「1-~16までの鍵穴」を用意して、調べたいウイルスがどの鍵穴を最も良く開けたか、で決めています。スムースに開けることができても、さんざガチャガチャやってようやくまぐれのように開いても、H2~H16の鍵穴は結局開けることができなかったとすれば、結果は同じH1亜型、ということになります。  なのでワクチンが効く効かないの話にしても、デジタルに「100%の効果」と「ゼロ」ではなく、その間に無段階の"効き方"があるわけです。  例えばH1-aというウイルスが流行したとします。集団内の全てのヒトがH1-aに罹患してしまえば、全てのヒトが抗H1-a抗体を持つわけですから、もはやH1-aウイルスはヒトに感染できず、死滅するしかありません。  ここにH1-bという"少しだけ"変異したウイルスが出現すれば、極端な話100人にチャレンジして1人しか感染に成功しなかったとしても、H1-aよりはマシなわけです(H1-aはゼロだから)。するとH1-aは死に絶えてH1-bが残ります。H1-bもじわじわと流行しようとする途上でH1-cという変異株が出てくるでしょう。H1-cはH1-bより少し有利で100人にチャレンジすれば5人くらいに感染できるでしょう。するとH1-bよりH1-cが"先回り"して感染を拡大させていくので、H1-bも生きる場所がなくなって死に絶えます。  さらにH1-dが出現するとH1-cも生存競争に負けて滅亡してしまい、H1-eが出てくると・・・というわけで、HA蛋白は猛烈な勢いで変異していくように見えるわけです。  実際は「変異率」自体は、HAもその他の領域も変わりません。  ですが、「変異体に対する自然選択圧」がHAとその他の部位では比較にならないほどHAが高いため、結果的にHAの進化速度が他の領域とは比較にならないほど高くなるわけです。  新型は今のところ、人類はこのウイルスに対してまだバージンですから、HA領域に変異が起きても変異体に強い選択圧はかからない理屈です。変異しない新型も変異した新型も、流行拡大の速度は変わらないですから。  なので今年製造したワクチンは、高い確率で今年の流行に関しては効くでしょう。  ただし2周目となる来年は、高い確率で「今年のワクチンが効かないタイプ」が流行することが容易に予想できます。なので来年は来年で、またワクチンを作り直し、ということになります。  再来年もまたウイルスが変異しているのでまたワクチンを作り直して・・・  というわけでなんのことはない、いつもの季節性インフルエンザと同じことになるわけです。というより来年から新型も「季節性インフルエンザの1亜型」になるでしょう。  この時、今の季節性インフルエンザの亜型(現在はソ連型:H1N1と香港型:H3N2の2亜型)が1つかあるいは2つ消える可能性もあります。つまり新型との生存競争に負ければですが。  というより、これまでは「新型インフルエンザがパンデミック(世界的大流行)を起こすと、それ以前の季節性インフルエンザは消える」のがお決まりのパターンでした。  スペイン風邪が流行したときは、それ以前のH3亜型と考えられる季節性インフルエンザは姿を消し、アジア風邪の時はスペイン風邪(H1N1)が消えました。  そのアジア風邪(H2N2)も香港風邪(H3N2)流行時に消えたのですが、なぜかその後でH1N1が再出現した、という経緯があります。  なので「今罹っておけば・・」というのは、"個人のことだけ考えれば"言い換えれば"自分さえ良ければいいのであれば"おそらく正しい、と思います。保証はできませんが。冬には既に変異株が流行していて、ご丁寧に2回罹る可能性だって十分ありです。(新型は感染拡大速度が速いので、冬には2周目に入っていたりするかも)  ただ、世の中の人がみんな「今のうちに罹っておこう」と思って感染防止を怠れば、当然感染拡大の速度がさらにさらに速まり、その結果冬には2周目に突入してしまう可能性も高くなるでしょうし、何より感染者=発病者が爆発的に増えると医療機関が対応しきれず、普通の状態だったら助かる人が犠牲になってしまうリスクが大きくなります。  ま、「今のうちに罹っておいた方が・・」という考えは、「自分さえ良ければいいのであれば概ね正しいと言える」という書き方をしましたが、2周目に再感染するのも医療機関がパンクして犠牲になるのも、その自分に降りかかる可能性だってあるわけですから、やはり感染症に対しては「できる限りのことをして感染防止に努める」のが基本であり、鉄則でもある、ということなのでしょうね。

noname#124315
質問者

お礼

お礼が大変遅くなって申し訳ありませんでした。 丁寧にご説明してくださったおかげで、インフルエンザについての理解が深まりました。 たとえも多く、凄く分かりやすかったです。 私のような疑問を持った人は世の中、かなりの数になると思います。 そして、「いったい何が本当なの?」と不安を感じています。 確かに感染防止やパンデミックだ!!と、予防や現状を(マスコミはあおっているだけのようにも感じますが)伝えるのは大切ですが、このようなお話をもっとみんなに伝えることで、より正しい知識で感染防止に努めるのになぁ、と思った次第です。 横にそれましたが、わたしの周りでも新型の罹患者がぼちぼち出てきました。子供たちも新学期に入り、学校も親もピリピリしています。感染防止に努める、基本の手洗いうがいは徹底して行っていくつもりです。 大変勉強になりました。お時間を割いて丁寧に教えてくださり、本当にありがとうございました。

その他の回答 (2)

  • Us-Timoo
  • ベストアンサー率25% (914/3620)
回答No.2

効きません。 それで当たり前です。 インフルエンザに限らずウィルスが変異しても ワクチンがきくのならひたすら変異を続ける エイズ(HIV)ウィルスに効くワクチンも とっくにできているでしょうし これらの病気でなくなる人も減るはずです。 現実はどうですか? 年々増えていますよね。

noname#124315
質問者

お礼

早々にありがとうございます。エイズなどを考えるとそうですよね。 アメリカで「今のうちにかかっておけばいい」ということで「移しあいっこパーティ」が行われていたということもあって、??ってますます思っていたんです。 今、国が準備している新型インフルエンザワクチンもこの先、変異していくと意味がない、ということになりますね。変異の可能性が高そうなので(既に一部変異しているという報道もありますし)、ワクチンが効果あるんだろうか、とも思ってしまいます。 ありがとうございました。

  • Us-Timoo
  • ベストアンサー率25% (914/3620)
回答No.1

効きません。 それで当たり前です。 インフルエンザに限らずウィルスが変異しても ワクチンがきくのならひたすら変異を続ける エイズ(HIV)ウィルスに効くワクチンも とっくにできているでしょうし これらの病気でなくなる人も減るはずです。 現実はどうですか? 年々増えていますよね。

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