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温度について
maris_stellaの回答
池の水温と、池の外の外気(大気)の温度の比較という話でよいのでしょうか? この場合、池の水は、当然、「水」からできていて、大気は「空気」という気体からできているということが重要です。 また、空気・大気の温度は、主に、地面からの熱伝達・熱放射で、その温度が決まるということも重要です。池の水の温度は、大気や地面の温度と相互に影響し合います。 このような熱の伝達という面と、もう一つ重要なのが、物質の持つ「熱容量」あるいは「比熱」という物理特性です。比熱というのは、ある物質1グラムの温度を1度上げるのに幾らの熱エネルギーが必要かという量です。 この比熱は、水がほぼ1カロリーで、酸素や窒素はほぼ0.2カロリーで、土が大体0.14から0.2ぐらいです。 冬、寒くなると、地面がまず温度が低くなります。空気は大体、地面の温度と同じぐらいの温度になります。そこで池の水ですが、これも、温度が下がって来て、地面や空気と同じ温度になります。 空気の温度が零下になると、地面も零下になり、池の水も零下になって、池には氷が張り、地面も凍って、霜などが降ります。しかし、池の水は、表面は氷になっても、底まで、全体が氷になるということは、なかなかありません。それは地面も同じで、地表近くは零下になって凍っても、土の深いところでは、零下にはなりません。 勿論、シベリヤとか南極大陸などの永久凍土がある場所では、地面は相当深くまで零下になっています。しかし、地面の底から、熱が「地熱」という形で地表に出てきているので、どんなに寒くなっても、ずっと深いところでは、零下よりも、地面の温度は高いのです。南極でも確か火山があり、そこでは、お湯などが湧いていたはずです。 日本での話だと、日本にある池は、2,3メートルも深さがあると、底まで凍るということはありません。それは、昼間になると、冬でも、太陽の光が射して来て、地面の温度が上がるからで、池の水の温度も上がります。 ここで、先に述べた「比熱」が問題になって来ます。水の比熱は1で、土や空気は、大体0.2でした。これは、太陽から、同じ熱エネルギーが昼間放射されて地面や水面(あるいは氷面)に供給された場合、0.2の土や空気は、簡単に温度が上昇するのです。水の温度を上げるには、土の温度を上げるのに必要な5倍の熱量が必要です。 その結果、昼間になると、地面は少し暖かくなり、霜も解けたりしますが、池の水の氷はなかなか溶けません。これは、冬のあいだは、池の水が、平均すると、地面の温度よりも低いということになります。 けれども、池の水は、底の方では凍っていないということは零下まで下がっていないので、夜や早朝など、まだ地面や空気が冷たく、零下のときには、池の底の水の方が、温度が高いということが起こります。 井戸の水も似ていて、井戸の水は、一種の池の底の水のようなものなので、冬の夜や朝などは、井戸の水の温度の方が、地面や空気の温度よりも高く、井戸水で顔を洗うと、「相対的」に暖かいと感じたりします。 これは冬の場合です。 夏になると、今度は、反対になります。池の水も地面も空気も、大体、同じぐらいの温度に昼間はなろうとするのですが、池の水は「比熱が1で大きいので」、簡単に温度が上昇したり、下降したりしません。昼間、ある温度まで暖められると、夜になって、地面の温度が低くなっても、池の水は、暖かいままです。 つまり、夏は、全体的に、池の水の方が、地面よりも、相対的に暖かくなります。ただし、夜間のある時間を除いて、空気はあまり低くならないのが普通です。 海は大量の水があるので、夏になっても、なかなか暖かくなりません。池の水は、もうかなり暖かく、水泳できても、海では、まだ水が冷たいということが起こります。 日本の夏は、蒸気圧が高いので、(つまり湿気が多いので)蒸し暑く、池などで泳ぐと涼しい感じもしますが、池の水の方が、ぬるま湯みたいで、暖かいことがあります。勿論、昼間は、空気や地面の方が温度が高いですが、夜になって、地面が冷えても、池の水などは、昼間とそれほど温度が変わらないのです。 以上が、大体の一般論です。空気の温度は簡単に上昇させることができるので、夏だと、池の水より、空気の方が、昼間も夜も、池の水よりも高い温度になることが、日本では普通です。また池の水は、蒸発により温度が下がるので、なかなか温度が上がりません。 夏には、池の水の温度は、夜間は、地面よりも暖かいが、空気よりは冷たいということになります。海と同じで空気は、対流で流れていて、夜になって冷えて来ると、海の上の暖かい空気などが、日本の上空には訪れるので、夜も空気の温度は高いということになるのです。 池の水は流れていない、蓄積された水なので、こういうことが言えます。流れている水は、夏でも、あまり暖かくならず、川の水の方が、池の水より冷たいです。 一般的に、夏は、昼間は: 池の水<地面<空気 という順に温度が高く、 夜間は: 地面<池の水<空気 という風になることが多いです。 冬は、昼間は: 空気<池の水<地面 という感じで、 夜間は: 空気<地面<池の水 という風になることが多いです。 冬の池の水の温度は、凍っていない、内部の水の温度です。
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