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病気になると感受性は鋭くなるのでしょうか?

serpent-owlの回答

回答No.7

 「ストーリーらしいストーリーがない」とも言われる梶井基次郎ですが、『檸檬』や『冬の日』などを読むと、やはりその鋭い「感覚」に惹きつけられます。ふつうの文学作品では、基本的に「出来事・事象があり、それへの反応として登場人物の心情の変化が起こる」という流れがあるものです。がしかし、梶井作品には目立った事象なしに突然「悲しみ」や「痛み」が人物の心情に湧き上がる場面が多々あります。へんな喩えですが、お味噌汁をじっと見ていると火山の爆発のような「味噌の湧き上がり」が見られたりする、それと似た感じで、突然深く大きな悲哀が人物を襲い、圧倒する場面がよく見られるということです。  これを説明できる要件はたった一つ。「肺病」です。昭和初期、死の病だった結核です。常に「死」を傍らにたずさえて生を歩む人の、独特の感性。そうとしか言いようがない。  伊藤整も『小説の方法』でだったと思いますが、「死を前にした者の目には、森羅万象のすべてが新鮮な美に映ずる」と述べています。そういうこと、あるのでしょう。  また、「感覚」というものは優れて「身体性」に依拠します。身体の在り方によって、感覚は左右されてきます。ここから、ある種の障害を持つ人の感覚が、健常者とは異なったものになるということは、かなり考えられると言えましょう。それが時に新鮮な感動を覚えさせるものにもなる、ということもあると思われます。  なかなか見つからないかもしれませんが、解釈学の門は開かれているものでしょう。何人かの人はそこを通ることができました。異なった感覚へのブレイクスルーは、不可能なことではないように思います。

motsuan
質問者

お礼

 いつもありがとうございます。文学においてはほとんど自明に近いことなのかもしれませんね。  「死を前にした者の目には、森羅万象のすべてが新鮮な美に映ずる」ということばから、O・ヘンリーの「最後の一葉」(ほとんど記号ですね)を思い浮かべてしまいます。病床にあっては、自分の外に自己を投影し(逆にいえば森羅万象を取りこんで)「身体性」から離れようとするのでしょうか?私は自分が弱っているとき(落ち込んでいるときや悲しいとき、病気のときもそうかも)に確かに自分の感情のようなものを他のものに投影し、それに意味を持たせようとしているような気がします。たとえば、流行っている歌の詞を自分のことに置き換えて勝手にじ~んとしたり、夕日や夜空を眺めてふとため息をついたり。(のっているときや喜んでいるときは逆で外に向かって、感情を投げかけている/投げつけている感じがします。弱っているときは自分のなかのわけのわからないものを、一旦、外に投影して、それを取りこんで了解しているような感じがします。感覚を裏返せば外側が内側に内側が外側に。うーん、スプラッター映画の世界ですね。)  『檸檬』は若いころよんでなんかついていけないと思った記憶があります(当時は元気だっから?)が、もう一度読んで見ようと思います。どうもありがとうございました。

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