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薬剤の作用とその後について
薬を飲んでそのあとどのように体の中で薬が作用し、最終的にどうなるのか教えて下さい。注射も同様に知りたいです
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経口薬は飲んで吸収された後、門脈から肝臓に入り、肝臓で大部分が酸化酵素により分解されてしまい(初回通過効果;first-pass effectと言います)、分解されずに残った成分だけが効き目を現します。全身作用を目的とした肛門坐剤の場合は、直腸から吸収された後、門脈を通らないので初回通過効果を受けず、肝臓での代謝の影響が少ない投与経路と言えます。 「どのように作用し」は薬の種類によっていろいろあるので、全てを列挙するのは難しいです。例えば抗ヒスタミン薬などは、競合的拮抗薬などと言われますが、これは細胞の表面にあるヒスタミンH1受容体にヒスタミンが繰り返し結合するとアレルギー症状を起こしますが、抗ヒスタミン薬はH1受容体に強固に結合し、ヒスタミンが受容体に結合することをブロックします。 アロプリノールという痛風の薬は代謝拮抗薬と呼ばれ、これは体内のキサンチンという物質が酸化酵素で酸化されて尿酸となり、尿酸の濃度が高くなりすぎると痛風になりますが、アロプリノールはキサンチンの代わりに自分が酸化酵素に酸化されることでキサンチンの酸化を遅らせる働きをします。 抗生剤は主に細菌の細胞壁の合成を阻害することで細菌を攻撃します。 まだいくらでもありますがキリが無いのでこのへんにして、「その後」の話に移ります。代謝を受けずに残った薬剤が効果を現しますが、やがてその残った薬効成分も肝臓で酸化を受けたり、抱合(尿中に排泄しやすくするために、水溶性の高い化合物と結合させられる)を受けたりして失活し、最終的には尿中、糞中、呼気中などから排泄されます。
お礼
ご丁寧にありがとうございました。作用と排泄の仕組みがわかりました。