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「森林破壊によって、土は流れ、水は汚染される」因果関係がわかりません

「森林破壊によって、土は流れ、水は汚染される」と聞きましたが、因果関係がはっきりとわかりません。土が流れるのは、木々の根が土をしっかりにぎっていた(幼稚な言い方ですが…)ということでしょうか。水が汚染される、というのは、どういう理由かよくわかりません。HPを検索してみましたが、理由まで書いてあるものを見つけられませんでした。よろしくお願い致します。

みんなの回答

  • iggyrock
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回答No.8

No.7の続きです. 土砂の成分的な話に移ります.土砂は有機物と無機物からできており,誤解を恐れずに言えば有機物は動物の餌,無機物は植物の餌です(厳密には違うため,興味があれば仰ってください).土砂は有機物を含むため,その流入は河川の動物の餌を増やす可能性があるということです.しかし,人が全てのものを食べられるわけでないのと同じように,他の生物にも好ましい餌と,そうでない餌があります.一般的に行って,土砂の有機物は,水生昆虫や魚にとって,付着藻類と比べると質の劣る餌であると言えます.彼らに食べられない土砂の有機物はどうなるかというと,バクテリアなどの微生物が食べてくれます.河川は基本的に酸素が豊富ですが,ダム湖などのように水が止まっているところ,川砂の採取や浚渫によって河床が深く掘られたところでは,過剰に供給された有機物を食べる微生物の呼吸によって酸素が少なくなることがあります.酸素がないと多くの生物は生きてはいけません.酸素不足は特に底の方でおきるため,二枚貝のような底に棲んでいて,移動性の低い生物は壊滅的な打撃を受ける可能性があります. また,土砂の無機物(ここでは栄養塩と言われる窒素とリン)によって,付着藻類や植物プランクトンは成長が良くなります.日本の河川は流れが速いため,河川内で植物プランクトンが大発生することは基本的にありませんが,ダム湖などの水が止まっているところや,河口域において,植物プランクトンの大発生(赤潮やアオコ)を招く可能性もあります. 有機物も無機物も,「過剰」に供給されればというところが重要です. 生物はみな餌が必要ですから,有機物や栄養塩が増えればよく成長できます.一方,江戸時代に「白河の清きに魚のすみかねて もとの濁りの田沼こひしき」と詠まれたように,きれいすぎては生きてはいけません.ただ餌が自然が処理できる限界を超えてしまうと,酸素がなくなったり,赤潮やアオコが発生したりするということです. どこからが過剰かというは非常に難しく,河川の形(深さや曲がりくねり方),生息する生物などによって異なるようです. また,これらの最も大きな被害としては,川が汚くなると川に興味を持つ人が少なくなり,その結果河川環境の保全を考える人が減るということがあげられるかもしれませんね. あえて参考図書等はあげませんでしたが,詳しく知りたいところ,意味が分からないところ等あれば仰ってください. 出来る限り説明,または文献を紹介したいと思います.

  • iggyrock
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回答No.7

河川の研究をしている大学院生です.他の方とは少し違う観点から答えてみようと思います. 長くなりますがお付き合いください. 土砂が河川へと流入する仕組みとしてはyukin55さんの理解で基本的にはいいと思います.木がなくなると,土壌が根に保持されなくなるので,雨によって流されるようになります. しかし,土砂が河川へと流入するのは,木が全てなくなる場合だけではありません.木がありすぎてもいけません.日本は国土の約2/3を森林が占めており,森林のうち約4割が人工林です(1995年).人工林は最初に大量に苗木が植えられ,その後に間引きされていきます.しかし,材木価格の低下,林業従事者の高齢化もあり,間引きされず荒廃した人工林が日本全国にあります.間引きをしないと木が多すぎ,林床にはほとんど光が届きません.光がなければ植物は生きてはいけず,本来林床にはえるシダや笹などがない,暗く林床は丸裸という林になります.林床が丸裸であれば,雨のたびに土砂が河川へと流入することになります. また,最近シカが全国的に増加傾向にあります.増えたシカは大量の餌を食べます.シカが多い森林では,餌として好まれないイグサや,毒のある植物以外消えてしまったところも少なくありません.その結果,荒廃した人工林と同様に土砂が河川へと流入することとなります,シカが増加している原因は色々説がありますが,雪が少なくなり,冬に生き延びられるシカの数が増えたのが一因と言われています. 河川へと流入した土砂は濁りをもたらします.他の方も指摘されていますが,河川が濁ると河床まで光が届かずに,河床の石の上の付着藻類(一般にはコケと言われたりしているかと思います)が成長出来なくなります.Vannoteという人が提唱した「河川連続体仮説」では,中流域では河川の生物は付着藻類に依存していると言われています.そのため,付着藻類が成長出来なくなると,それらの生物に大きな影響が及ぶことが考えられます. この場合,濁りは河川水中に浮遊(懸濁)している土砂によるものですが,細かい土砂が大量に水中にあると魚の鰓につまったり,または鰓を傷つけたりすることが知られています.また,濁りは視界の低下をもたらすため,視覚に頼って捕食している魚(特にハスなどの魚食魚)は,餌をとることが難しくなる可能性もあります. また河川へと流入した土砂は浮遊して濁りとなるだけでなく,河床に沈降します.綺麗な川というと,河床が石で敷き詰められたものを想像するかと思いますが,流入した土砂はそれらの石の隙間を埋めていきます.石の隙間には,水生昆虫や底棲魚の重要な棲み家で,土砂で埋まると棲み場所がなくなります.また,多くが絶滅の危険にさらされているタナゴ類は,二枚貝に産卵しますが,二枚貝は河床が土砂で埋まると生きていけなくなります.その結果,タナゴ類も生きていけなくなります. 人に大きな影響があるところとしては,アユの味があると思います.アユは日本の夏の風物詩ですが,彼らは付着藻類を食べています.付着藻類の上に土砂がつもると,アユは土砂も同時に食べることになります.アユの醍醐味として,腸の旨さがあげられると思いますが,土砂を食べているアユの腸は香が悪く,またじゃりじゃりしていて,食べられたものではありません. 字数制限があるので,他の方も触れていることですが,酸素の低下や,アオコなどについて次の回答で書きます.

  • csman
  • ベストアンサー率22% (81/362)
回答No.6

『水質汚染』と『水質汚濁』は別物です。 水質汚染とは、鉱物や工場廃液などに含まれる各種有害物質(ヒ素、水銀、鉛など)が流入した状態をいい、ホコリや土粒子などの無機物質や有機物質が流入することを水質汚濁といいます。 通常、森林破壊で問題になるのは水質汚濁で、これは覆っていた植物が失われて、地表面が露出し、雨滴によって土砂が流出するためにおきます。

  • gorou987
  • ベストアンサー率0% (0/2)
回答No.5

土砂流入によって生物がどう変化するのか、という視点で考えてみました。  基本的に河川では珪藻といわれる植物プランクトンが多く生息し、川魚などの餌になっていますが、殆どが川底の石や岩などにいます。  もし透明度が低下した場合、これらは光合成ができなくなるので、死ぬことになり、これを餌としている生物も減少すると思われます。  次に豊富に栄養素を含んだ水は、例えばダム等で滞留すると、アオコ等の有毒生物の大発生を誘引し、これが悪臭や毒性を持つため、大きな社会問題になります。この毒により、魚も死んだりします。 このように、土砂流入(川がにごる)⇒魚がいなくなる。土砂流入⇒アオコが増える⇒くさい、魚が死ぬ。となります。 このような流れがあるので、森林破壊=水が汚染される、というイメージになるのではないでしょうか?

  • tanuki4u
  • ベストアンサー率33% (2764/8360)
回答No.4

水質汚染というときは、簡単には BOD 値があがると定義されます。 簡単に言うと、水中が酸欠状態になり、魚などの生物が生きていけなくなるということです。 森林破壊による水質汚染のメカニズムは二つ 1:土砂の流出による、川底の植物の死滅、透明度の低下による植物の死滅(光合成できなくなるわけですから)これによって、水中に放出される酸素が減ります。 2:富栄養化によるプランクトン等による酸素消費。No1の方が指摘するように、濾過されずに土砂ととともに水が河川に入るとき、土砂中の窒素 リン酸 カリ、つまり肥料の三元素が河川にもたらされます。これによって、バクテリアが大発生し、酸素を消費します。赤潮などがこれです。

yukin55
質問者

お礼

少し難しい用語もありましたが、大変わかりやすい説明をありがとうございました。納得しました。 濾過するのは、「土」がですか?

  • debukuro
  • ベストアンサー率19% (3634/18947)
回答No.3

森林が破壊されると植物による浄化作用がなくなるから 土が流されることと水質汚染の因果関係のことでしょうか? 土が水に混ざって水が濁る

yukin55
質問者

お礼

ありがとうございます。 浄化作用、というのはNo4の方が言われたことでよろしいでしょうか?

noname#140971
noname#140971
回答No.2

Q、「森林破壊によって、土は流れ、水は汚染される」因果関係がわかりません A、私も判りません。 水質が悪化するという表現ならば判ります。 例えば、森林が無くなれば水は土地の表層を流れて川にというコースを辿るでしょう。 ということは、地下水の量は減るでしょう。 地下水の量と地下水の質との間には、密接な関係があります。 ある限度を越えて地下水の量が減れば、その質に飛躍的な変化が発生するでしょう。 ですから、水質が悪化するのは必定です。 ただ、水の汚染と言ったばあい、これは人為性の問題でしょうね。 ですから、「汚染」の意味が問題かと思います。

yukin55
質問者

お礼

ありがとうございます。 汚染、と、水質悪化、は違うことなのですか? 私はこの話を英文で読み、「water pollution」と出てきたので、安易に「汚染」と日本語訳してしましました。

  • onpuu
  • ベストアンサー率29% (75/251)
回答No.1

木の根が土をにぎっていたということです。 土が木の根によって支えられていれば、その地面の中に流れ込んだ雨水に対して濾過フィルターの役割をしますが これがなければ汚れた大気にさらされ汚れた雨水が土と一緒流れ汚れた泥水になるという感じだとか

yukin55
質問者

お礼

ありがとうございます。 文脈からすると、濾過するのは「土が」でしょうか? この分野は全く無知なため、なんだかイメージしづらいのですが

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