計測器校正における「4対1理論」の考え方について
精密機器製造業にて計測器の校正を担当する事になりましたが、計測の「4対1理論」の考え方について良く分かっていない事があり、教えて頂れば幸いです。
当社ではJCSS校正(社外校正)された標準器を使って、社内の計測器を校正しています。
その方法としては、大きく分けて以下のパターンになります。
A. 標準器の出力を被校正器に入力し計測
例:標準器は電圧発生機、被校正器はマルチメータ。
B. 被校正器の出力を標準器に入力し計測
例:被校正器はファンクションジェネレータ、標準器はオシロスコープ。
C. とある出力を標準器と被校正器の両者に入力し計測
例:標準器はマルチメータ、被校正器は電圧計。両者を並列接続し同一電圧を計測。
被校正器の合否基準ですが、「4対1理論」に基づいて標準器の精度の4倍以内であればOKとしているものが多いです。
標準器と被校正器の両者ともその精度が±x%Readingで、かつ上記A, Bの場合は分かりやすいのですが、Cの場合と、標準器と被校正器の精度がどちらも±x% Full Scaleの場合に、標準器と被校正器との間に「4対1理論」をどの様に考えればよいのか、いまいち理解ができていません。
Cの場合、被校正器の合否基準としては、標準器の値±一定範囲以内としています。
一定範囲の値は、標準器と被校正器で「4対1理論」が成り立つように決める、という事だと考えています。
例えば、精度が±1%Readingの標準器で、その値が101(100 + 1)のとき、被校正器の値は104(100 + 4)以内であれば良い、という事で問題ないのでしょうか?
また、標準器と被校正器の精度がどちらも±x% Full Scaleの場合、「4対1理論」の精度比は測定幅で判断するものと考えています。
例えば、標準器のロードセルがあるとして、その最大容量が5kN、精度が±1% Full Scaleだとすると、その測定幅は±50Nとなります。
標準器と被校正器を正対させて重ねて設置し、両者に同一荷重が掛かるように測定した場合、被校正器の測定幅が±200N以内であれば合格とする、という事で問題ないのでしょうか?
また、測定最大値が被校正器 < 標準器の場合には問題があると考えています。
つまり、被校正器のロードセルの最大容量が1kNとすると、その合否基準は1kN±200Nとなり、±20% Full Scaleという事になってしまいます。
(実際のところは標準器の精度は±0.2% FSですので、被校正器が1kNだと合否基準は±4% FSとなり、まだ許容できる程度だとは思いますが・・・)
そもそも、測定最大値が異なるFull Scale同士で校正すること自体、妥当ではないのでしょうか?
お礼
ご指摘いただきましてありがとうございました。 これで問題は解決しました。