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プルーストの時間概念(円環的時間)ベースの英米文学を教えてください

noname#188015の回答

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noname#188015
noname#188015
回答No.6

>プルーストの時間概念(円環的時間)ベース とおっしゃると、ジョルジュ・プーレとか、アンリ・ベルグソンの時間概念とか、「失われた時を求めて」の最後の美学論とかを、どのように理解するかが問題になると思いますので、超難問ですね。 (なお、プーレは「人間的時間の研究」Etudes sur le temps humainの3巻<おそらく邦訳はありませんが、英訳はあるはず>でホイットマンに、また「円環の変貌」Metamorphoses du cercleでT.S.エリオットに言及していたと思います。) というわけで >特に円環的時間にはこだわらず、時間が非線形の作品 の方で思いつく(と勝手に思っている)ものを・・・。 トマス・ピンチョン「V」 http://ja.wikipedia.org/wiki/V. 現在の物語と、順不同で書き表される過去の物語(陰謀?)が絡み合う。 ジョン・バース「フローティング・オペラ」 自殺をすべきだと論理的思考の果てに決意した男の一日。20年後の男の物語がちょこちょこ混じる。 バースは「やぎ少年ジャイルズ」や「レターズ」が円環的時間を描いているということになっているそうですが、技巧として時間を使っていることが分かりやすいのは、この処女作では? ウィリアム・バロウズ「裸のランチ」 時間がどうのこうのというより、何編もの物語のコラージュなんですが、この作品からバロウズは文体のコラージュへと向かうわけで、そういう意味では時間の操作への第一歩かもしれません。 レナード・コーエン「嘆きの壁」Beautiful loosers 17世紀の聖処女の物語と現代カナダの物語がかぶる。 Robertson Davies: Murther & walking spirits http://www.amk.ca/davies/ 妻の愛人に殺された男が幽霊になり(!)、トロント映画祭に行ったところ(!)ご先祖様方の生き方を見ることに(!!)。こう書くととんでもない物語ですが、カナダ人のアイデンティティが主題らしい・・・。ちなみに作者は高名な文学者のようです。 夢野久作「ドグラ・マグラ」 いわずとしれた奇書ですが、時間軸に関しても、読み手の解釈次第、という不思議な本。個人的には無限に繰り返される悪夢だと思っています(怖いっ!!)。 中井英夫「悪夢の骨牌」 一筋縄ではいかないタイム・トラベラーのお話。 赤川次郎「ふたり」 姉が事故死。妹は死んだ姉(幽霊?妄想?)と共に生きるが、しばらくして姉は決定的に去ってしまう。妹は姉のことを書き留めることを決意する。題は「ふたり」。おおっ!!この結末はプルーストの影響かな?! 時間が非線形、の意味を取り違えていたらごめんなさい。 追記:「フィネガンズ・ウェイク」は本当に難しい本ですね。死ぬまで読み終えない自信があります!

Riccota
質問者

お礼

具体的なあらすじも載せていただいて、ありがとうございます!日本語のも助かります。 本当はいろいろな言語の、非線形(非時系列)構成の方略を調べたいのですが、スケジュールと自分の言語能力の限界もあり、日英でまずは調べてみたいと思います。 Wash your hands before eating. 食べる前に手を洗いなさい。 などの比較から、物語の大きな構成まで、時間のベクトルに逆らうものを分類してみたく思っています。 今回こちらで質問してみて、あらためて回答者の方々の造詣の深さに触れた思いです。 ありがとうございました。

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