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有機化合物の反応性について

有機化合物の反応性を議論するために必要なパラメーターを教えてください。何が妥当でしょうか? 質問が漠然としているので具体的には 例えば酸化反応に対してベンゼン、トルエン、ナフタレン、キノリン、アントラセンのうちもっとも反応性が高いのはどれでしょうか? 特に芳香族系の酸化反応における反応性について知りたいです。 やはり電子密度とかHOMOとかを議論するべきなのでしょうか。

みんなの回答

noname#62864
noname#62864
回答No.3

ベンゼン環自体の反応と、置換基の反応は区別すべきですね。 となれば、トルエンはここで同列で議論するには不適当ですね。 酸化反応という意味ではキノリンも同列では議論しにくいですね。 酸化反応に対する反応性は、ベンゼン<ナフタレン<アントラセンということになるでしょうし、電子密度が関係しているといえるでしょうね。ただし、全体の電子密度というよりは、芳香環のどの部分で電子密度が高いかという議論になるでしょうね。 となると、π分子軌道も関与するでしょうし、HOMOも関与するでしょう。だとすれば反応相手のLUMOも関与するはずですので、単純にHOMOのエネルギー準位のみで説明できるというわけでもないでしょう。つまり、反応相手にもよるでしょうね。 ただ、現実問題として、そういったHOMOやLUMOの計算結果から反応性を判断するというよりも、経験的に判断していることが多いのではないでしょうか。また、このレベルの議論では、古典的な共鳴理論も結構使えると思います。まあ、私はそのあたりの理論的なことは弱いので誤解があるかもしれませんが。 酸化反応ということは、反応相手として酸素を想定しているということでしょうか。たとえば、Br2との反応で、HをBrで置換するというのも酸化反応になりますし、多くの芳香族求電子置換反応も酸化反応(酸化的な置換反応)ということになります。すなわち、これらの反応が起こりやすい場所というのは、おおむね、酸化されやすい場所といえるでしょうし、求電子置換反応を起こしやすい化合物ほど酸化されやすい傾向はあると思います。 上記の理屈でいけば、トルエンの方がベンゼンよりも芳香環の部分での酸化を受けやすいと思われます。キノリンもたしか、求電子置換反応を起こしやすかったと思いますので、酸化されやすいのではないかと思います。 ただし、基質の構造が違うので、ベンゼンやナフタレンと同様の反応が起こるとは限りません。

goo-user
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 私も芳香環のどの部分で電子密度が高いかという議論が重要だと思います。さらに反応相手にもよるということもそのとおりだと思います。やはり実際反応させてみないとわからないんですかね・・・

回答No.2

ついでですが、質問者さんの挙げておられる系列だと、大抵の反応の場合はアントラセンが最も活性を示すでしょう。 ある種の界面活性剤存在か、過酸化水素と混ぜることで、エンドパーオキサイドという、9,10-位でO2とディールスアルダー反応したような付加体を形成します。HOMOの上昇を反映したものといえるでしょう。 また、臭素やNBSなど用いた臭素かも容易に進行します。とはいえ、これくらいの激しい反応だと、トルエンやナフタレンと区別しづらい気がしますが。 この手の化合物は、質問者さんが考えておられるような指標で説明しやすいものだと思います。 簡単な理論計算などしてみることで、「あ、この原子上で求電子置換するな」といった予想をたてやすいものです。 ちなみに、LUMOも下がっていますので、還元も容易に受けます。 マグネシウムと混ぜると、9,10-位の間にマグネシウムが架橋したような変わった錯体(マグネシウムアントラセンというそのまんまな名前)ができます。強力な還元剤として、市販もされています。

goo-user
質問者

お礼

マグネシウムアントラセンという化合物があるのを始めて知りました。 ためになりました。ありがとうございます。

回答No.1

酸化反応だと、電子を奪われることになります。 逆に言えば、電子を与えることになりますね。 ですから、質問者さんのおっしゃるとおり、HOMOの高さや電子密度は指標になります。 たとえば、ベンゼン、フェノール、アニリンと比較した場合、ベンゼン環のパイ電子密度がこの順番に上がりますから、酸化反応がいきやすくなるのでは、と予想されるでしょう。 臭素を使った、芳香環の臭素かの行きやすさなど良い例でしょう。 実際には、出発物質のHOMO、電子密度だけではなく、中間体のカルボカチオンの安定化を考慮しなくてはいけませんが。 また、アセンの系列も分かりやすいものです。 ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、と伸ばした場合、どんどん反応性が高まり、ペンタセンは酸化にも光にも弱い化合物です。 これはHOMO-LUMOギャップの縮小を反映したものです。 ただし、HOMOの高さなどだけでは、実際に反応性がその順番になるかは分かりません。 たとえば、質問者さんが上げておられますが、ベンゼンとトルエンを酸化反応にかけた場合を考えて見ましょう。 ベンゼンを酸化するのは、なかなか大変ですが、まずパイ電子系から反応していきますね。 トルエンを酸化すると、ベンゼン環よりもベンジル位が反応しますね。 これは、発生するラジカルの安定性が効いています。 同じ部位・置換基の反応性を予想しているのならともかく、このように反応の仕方が変わってくると、簡単には比較できませんね。 また、上述したように中間体の安定性(本当は遷移状態だけど)も考慮しないといけません。 なかなか、全ての化合物を2、3このパラメータだけで同列に議論するのは難しいですね。 最低限、同じ種類の反応を比較したらこうなる、というように設定・条件を忘れないことが必要ですね。

goo-user
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 ひとつのパラメーターだけではなかなか議論できないんですね。 現在の計算化学ならだいたいの反応性が分かると思っていたんですが 残念です。

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