高校 有機化学 芳香族化合物の酸化

質問

高校の有機化学において、芳香族化合物の酸化について、細かい内容ですが教えて下さい。
①私が使用しているテキストでは、ベンゼンやナフタレンを酸化するときに、加熱しながら酸化バナジウム（Ⅴ）存在下で空気酸化すると酸無水物が生じ、ここで酸化バナジウム（Ⅴ）の代わりに酸性条件下の過マンガン酸カリウムを使用すると、π結合３つ分、全て酸化開裂が進行するとあります。使う試薬の強さの関係でそうなるのかと事実として暗記しておりますが、ここには何らかの理屈は付けられますでしょうか？

②アルキルベンゼンの酸化では、中性条件下の過マンガン酸カリウムを加えて加熱すると、アルキル基が酸化され、ベンゼンに直結しているC原子が酸化されてカルボキシ基に変化する。これは理屈は分かりませんが、そういうものとして覚えておりますが、中性条件下はなぜなのでしょうか。酸性条件下では、①にある「π結合３つ分、全て酸化開裂が進行する」からなのでしょうか。

①、②について、確認したかったのは、大学入試の問題で、
「分子式C８H１０で表され、ベンゼン環を含む有機化合物について、数種類の構造異性体がある。そのうちの構造異性体Aを硫酸酸性の過マンガン酸カリウム水溶液を用いて酸化すると、化合物Bができる。また、ナフタレンを酸化バナジウム（Ⅴ）を触媒として高温で酸化してできる酸無水物Cの加水分解でも、化合物Bが生成する。」とあります。

Bはフタル酸となっているのですが、ナフタレンからの合成ではわかるのですが、硫酸酸性の過マンガン酸カリウム水溶液を用いて酸化すると、①の考えからするとフタル酸にならないのではと考えております。

アドバイス頂けると大変助かります。

回答No.1

bellflaw17sai · ベストアンサー

酸性条件だと
MnO４ー　がMn2＋　まで還元されるため酸化力が強くなります

中性または塩基性だとMnO2までしか還元されませんので
その分酸化力が弱くなります

②は質問者さんのおっしゃる通りの理由だと思います
やりたいことがアルキルベンゼンの酸化だったら
酸性条件にする意味はありません
ベンジル位の水素は弱い条件でも簡単に反応するからです

さて気にしておられる入試問題についてですが
過酸化マンガンによる酸化反応はバナジウムによる触媒反応と違って
当量反応ですので
反応させたい分だけきっちりモル数を合わせて反応させれば、
またはあまり時間をかけずさっさと中和して反応を止めれば
安定なベンゼン環が反応するより先に側鎖のほうが反応すると思います
酸性なのは中性だと反応に時間がかかりすぎるとかが理由ではないかな～と思います

C8H10なら構造異性体Aはオルト-キシレンですよね？

お礼

bellflaw17sai　様

ご回答頂きありがとうございます。
大変参考になりました。