クラッシュ症候群に対する非医療従事者の対処法

質問

クラッシュ症候群の処置として、血液透析とか輸液とかあるようですけど、それらは医療従事者でないとできませんよね。
大地震などがきて、クラッシュ症候群の傷病者が発生しても、すぐに医者に診てもらえるとは限りません。
一般の人間にもできるクラッシュ症候群に対する応急処置みたいなものはないのでしょうか？

回答No.1

arshemind · ベストアンサー

毒性のある血液が、身体中にまわるのを遅らせる必要があると思うので、なるべく心臓に近い箇所を縛る。安静にさせる。
それから、水分を沢山とって、毒性を薄める。これぐらい？

回答No.2

soo-chan

専門家です。

確かに、災害現場で何か応急処置をして症状が軽快したり、悪化するのが未然に防げるならそれにこしたことはありません。
が、ことクラッシュ症候群に関しては、現場でできることは限られており、いかに早く高次医療機関に送るかが救命率をあげるカギです。従って、一般の方々が被災地でできるのは、せいぜい吸水（カリウムを含まない）、保温、励まし・勇気付け、くらいでしょうか。それよりも高次病院へ運ぶことを最優先して下さい。患肢の駆血は有効とされていますが、阻血時間が長いと患肢そのものが壊死しますので決定的な方法ではありません。

ちなみに、クラッシュ症候群では、
救出直後は腫れなども目立たず元気（単なる打撲と判断される）
救出後、圧迫部の腫脹が目立ち始め、局所は運動麻痺あり
全身状態は経時的に悪化（数十分から数時間）
　　血液濃縮、血圧下降、吐き気、嘔吐
　　ミオグロビン尿（コーラ色）、欠尿、無尿

救出時は比較的元気で（ややハイな状態）、横にして寝かしている内に無口になり心停止していた、なんて事例も報告されています。

JR福知山線脱線事故でも、先頭車両に残されたヒトは医師団が現場に入って処置しましたが、点滴、吸水、保温など基礎的なことしかできず、むしろ、救出されてから超特急で医療センターに搬送し、血液透析、筋膜切開などの手術が施され一命を取り留めました。

蛇足ですが、現在の日本国の体制では阪神淡路大震災の教訓から、大規模災害時（地震）にはクラッシュ症候群の患者さんが多数発生し、被災地での治療はほぼ不可能になるため、広域医療搬送（自衛隊機など）を積極的に行うことが決まっています。
従って、現場で下敷きになったヒトを救出した場合は、速やかに災害拠点病院に搬送し、状態を安定化させた後、空港などにさらに搬送。DMAT（災害医療派遣チーム）の手によって自衛隊機を使って被災地外の他県の災害拠点病院に送って高度な医療を提供する、という手はずになっています。