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民法2条?3条?4条?

とある問題集(2006年2月1日初版)の解説に「民法2条を改正して成年年齢を18歳にすれば、特に憲法を改正しなくても選挙権を18歳以上のものに与えることが出来る」と書いてありました。 ですが、平成17年度版の6法全書を参照すると、成年に関する条文は民法4条にありました。また、平成16年に改定されるまでは、成年に関する条文は確か3条だったと思います。 この解説に書いてある民法2条というのは誤植という解釈で大丈夫でしょうか?

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noname#61929
noname#61929
回答No.2

本題はおそらくそれでいいと思います。 それ以外に少々補足解説をしておきます。 「民法2条を改正して成年年齢を18歳にすれば、特に憲法を改正しなくても選挙権を18歳以上のものに与えることが出来る」について、これがどういう趣旨かが問題です。 前提として、憲法は成年者の選挙権を保障していますが、未成年者の選挙権については保障していないとは言え、禁止しているかどうかは分らないということを理解しておく必要があります(理論上は、単に保障しないだけ、保障しないだけではなく禁止している、と両方に解釈することができます)。 もし仮にこの解説を書いた人が、未成年者に対する選挙権の付与は憲法上保障されないだけに留まらず、禁止している可能性がある、という点に配慮したならば、当該文章の趣旨は、「(憲法解釈次第であるが)民法を改正しないと未成年者に選挙権は付与できない」ということになります。 民法の規定は成年となる年齢を一般的に定める原則規定ですから、これに反する規定を公選法に置くと違憲となるおそれがあります。民法の成年年齢は単なる私法上の意義に留まらず、一般的な成年の基準となる規定なのです。つまり、現行民法で成年は20歳としているのにこの規定を改正せずに公選法で選挙権付与年齢を21歳以上などとすればそれは成年者の選挙権を保障した憲法に違反するということです。 さてここで問題は、「選挙権付与年齢を引き上げるのは確実に違憲であるが、引き下げるのはどうか」ということです。先に述べたとおり、未成年者に選挙権を与えることを禁止していないとは断定できないと考えるならば、民法そのままで選挙権付与年齢を引き下げて未成年者に選挙権を与える規定は違憲のおそれが出てきます。 以上まとめると、 「憲法では選挙権を付与するのは成年者としている」「成年年齢を一般的に定める法は民法である」 「公選法は、民法を受けて20歳としているだけである」「民法そのままで仮に公選法を21歳とすれば、公選法は確実に違憲となる」 「民法そのままで仮に公選法を19歳などとすれば、憲法解釈いかんによっては公選法は違憲となる可能性もある」 「であるから、憲法解釈に関係なく確実に違憲とならないためには民法を改正しておくことが必要である」 「つまり、民法の成年年齢を18歳と改正すれば18歳の者に選挙権を付与できるとは、民法を18歳と改正しておけば、憲法解釈、公選法の規定などにかかわらず確実に18歳以上に選挙権を付与できるという趣旨である」 ということです。 なお、時間がなかったので学説(判例はないでしょう)を調べる暇はなかったのですが、選挙権について公選法が20歳としている点について例えば伊藤正巳先生の「憲法」には、公務としての側面があるので公選法で20歳としているという趣旨の記述があり、これから察するに、未成年者に選挙権を与えないのは、公務としての選挙権の側面から望ましくないから政策的に公選法によって未成年者を排除しただけで憲法上の問題ではない、と考えているのではないかと思います。

ag102210
質問者

お礼

弾劾裁判所の件にもご回答していただき、また、今回の件について大変に深いところまで丁寧に解説していただき、本当にありがとうございます。 ≫未成年者の選挙権については保障していないとは言え、禁止しているかどうかは分らないということを理解しておく必要があります そのようなところまで全くもって考えが及びませんでした。しかし、言われてみたら確かにその通りですね。 最近、法律や経済のことについてこの場でよく質問をしているのはただただ、試験勉強のためだけでとりあえず表面上わかればいいや、程度でしたが今回この解説を読んで、試験勉強とは別に法律の解釈を探求することの難しさ等を素人ながら感じることが出来ました。 質問した件だけにとどまらず、さらに深くまで解説を加えていただき、本当にありがとうございました。

その他の回答 (1)

  • nep0707
  • ベストアンサー率39% (902/2308)
回答No.1

その解釈で大丈夫だと思います。 >「民法2条を改正して成年年齢を18歳にすれば、特に憲法を改正しなくても選挙権を18歳以上のものに与えることが出来る」 これ自体、よくわからん解説ですねぇ…。 民法4条の「成年」と、憲法15条の「成年者」は別に結びつける必要はないでしょう。 それぞれに成年として必要な定義を与えればいいだけなんで… (その結果として、たまたま同じ年齢なることはあるでしょうが)

ag102210
質問者

お礼

≫その解釈で大丈夫だと思います。 安心しました。。。 因みに、「次の記述のうち、憲法改正しないと実現できないのはどれか」という問題の中の選択肢で、「選挙権を18歳以上の者に与えること」というものがあり(正解は誤)、それの解説でそのまま抜粋すると(誤植部分もそのままにします)、「憲法15条3項で〔公務員の選挙については成年者による普通選挙を保障する〕と規定しているだけで、民法(2条)を改正し、成年年齢を満18歳とすればよく、憲法改正の必要はない」と載っていました。 ≫これ自体、よくわからん解説ですねぇ…。 私が適当にアレンジして載せたのがまずかったですかね。。どうもスミマセンでした。

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