死刑が犯罪抑止につながるのか？

質問

テレビで死刑の是非が話されていました。
　犯罪を研究している人が「数字的にも死刑があるからといって凶悪犯罪が無くならないとは限らない」とおしゃっていました。
　実際の数字として本当に死刑が導入されているからといって単純に犯罪の抑止につながらないのでしょうか？。

回答No.18

thetragedyofz · ベストアンサー

先日の回答の追記です。

国連犯罪統計局に報告された世界各国の殺人発生率、殺人以外の他の犯罪の発生率を
比較しても、死刑制度が有る国・無い国のどちらかに、
殺人やその他の犯罪発生率が高い・低いという統計上有意な差異は検出されていない。

国連犯罪予防機関－罪種別の世界各国別の発生率1995～1997
http://www.unodc.org/pdf/crime/sixthsurvey/publication_by_variable_screen.pdf

国連犯罪予防機関－罪種別の世界各国別の発生率1998～2000
http://www.unodc.org/pdf/crime/seventh_survey/7sv.pdf

国連犯罪予防機関－罪種別の世界各国別の発生率2001～2002
http://www.unodc.org/pdf/crime/eighthsurvey/8sv.pdf

上記の世界各国の犯罪統計を死刑制度の存続国・廃止国別に表す。

死刑廃止国の殺人発生率／人口十万人あたり

国　　　（年度）　故意殺人発生率＋故意でない殺人発生率／人口十万人
イギリス（2002）　2.03＋0.03
オランダ（2000）　1.15＋記載なし
ベルギー（2002）　1.50＋0.40
フランス（2000）　1.78＋記載なし
ポルトガル（2000）　2.47＋1.90
スペイン（2000）　1.25＋0.24
イタリア（2002）　1.12＋0.63
スイス（2002）　2.92＋記載なし
ドイツ（2002）　1.11＋1.00
デンマーク（2002）　1.04＋0.19
ノルウェー（2000）　1.09＋0.91
スウェーデン（2002）　2.45＋2.38
フィンランド（2002）　2.54＋0.52
オーストリア（2002）　0.81＋1.35
ポーランド（2002）　1.87＋0.44
チェコ（2002）　2.29＋0.48
ギリシャ（2000）　0.76＋0.18
リトアニア（2002）　8.45＋0.66
ラトビア（2002）　9.15＋0.47
エストニア（2000）　10.45＋1.97
カナダ（2002）　1.67＋0.19
メキシコ（2002）　13.04＋15.87
エルサルバドル（2002）　31.54＋0.75
グアテマラ（2000）　25.47＋記載なし
コスタリカ（2002）　6.44＋14.00
コロンビア（2000）　62.74＋記載なし
ベネズエラ（2000）　33.15＋記載なし
パラグアイ（2000）　12.05＋10.06
ウルグアイ（2002）　6.46＋1.13
アルゼンチン（2002）　9.47＋10.33
チリ（2002）　1.55＋1.17
オーストラリア（2000）　1.57＋1.54
ニュージーランド（2002）　1.29＋0.28

死刑実施国の殺人発生率／人口十万人あたり

国　　　（年度）　　故意殺人発生率＋故意でない殺人発生率／人口十万人
日本（2000）　0.50＋0.40
韓国（2000）　2.02＋7.90
中国（1997）　2.12＋記載なし
フィリピン（2002）　8.20＋3.24
シンガポール（2000）　0.92＋0.12
マレーシア（2000）　2.36＋記載なし
タイ（1997）　7.90＋0.41
ミャンマー（2002）　0.19＋1.42
インドネシア（1999）　1.05＋0.20
インド（1999）　3.72＋0.39
スリランカ（1997）　9.98＋記載なし
クウェート（2002）　0.99＋1.37
カタール（2000）　0.17＋1.03
オマーン（2002）　0.59＋0.51
サウジアラビア（2002）　0.92＋0.24
イエメン（2000）　3.98＋0.74
チュニジア（2002）　1.22＋0.20
モロッコ2002）　0.48＋0.67
タンザニア（1997）　7.52＋7.81
ナミビア（2002）　6.35＋1.91
ザンビア（2000）　7.89＋0.31
ジンバブエ（1997）　7.24＋7.69
南アフリカ（2002）　47.53＋24.70
タジキスタン（1997）　7.63＋記載なし
ベラルーシ（2002）　9.96＋0.94
モルドバ（2002）　7.99＋0.45
ウクライナ（2000）　8.93＋0.68
ロシア（2000）　19.80＋1.15
アメリカ（2002）　5.62＋記載なし

注１：実施国と廃止国の分類は大部分は正確なはずですが、
　　　近年、実施と廃止が変更された国の最新情報を全て把握しているわけではないので、
　　　実施国と廃止国の分類は一部不正確な可能性があります。

注２：通常の刑法犯罪に対して法律上死刑を規定しているが、
　　　最近10年以上執行が無い国は便宜上廃止国に分類している。

注３：フィリピンは今年死刑を廃止したが資料は死刑実施当時のもの。

注４：一般的に、独裁政権国の統計は信用性が低いと評価されていますが、
　　　他に資料が無いので参考までに例示しています。

注５：故意でない殺人とは、日本の刑法で例えれば、
　　　傷害致死、強盗致死、強姦致死、監禁致死などに相当する事例であり、
　　　過失致死、業務上過失致死、危険運転致死などの事例は含まない。

上記は人口十万人あたりの故意殺人発生率と故意でない殺人発生率を例示したが、
上記リンクの国連犯罪予防機関の資料には、殺人未遂、銃使用による殺人、
誘拐、強姦、重度傷害、傷害、強盗、窃盗、詐欺、横領、収賄、薬物などの
罪種別の国別の発生率が表示されているが、
各罪種とも、死刑制度の実施・廃止、その他の刑罰の実施・廃止に関わらず、
各国ごとに罪種ごとに発生率が高いか・低いかは千差万別であり、
死刑も含めて刑罰が犯罪発生率に統計上有意な影響力を及ぼしている
という関連性を検出できない。

結論を言うと死刑は犯罪（殺人）の抑止力にならない、
死刑も含めてあらゆる刑罰は犯罪の抑止力にならない。

より正確に表現すると、死刑も含めてあらゆる刑罰は、
いかなる犯罪に対しても統計上有意な影響力を検出できない。

別の表現をすると、殺人も含めてあらゆる犯罪は、
刑罰や刑法とは異なる別の要因により発生する。

一般的に言うと、

(1) 人が生物種として持つ固有の精神的・知的な欠点
(2) 個人が生物種の個体として持つ固有の精神的・知的な欠点
(3) 上記の(1)(2)を社会的に抑止する政策・制度の不備

などの生物的・個人的・社会的要因の複合的影響の集合として、
ある国家・社会の、ある時代における、
殺人も含めた犯罪発生数・発生率が表面的な事象として出現する。

ご質問のような問いは、犯罪心理学、社会心理学、犯罪抑止政策、
国民と行政の犯罪抑止政策の運用という観点では本質から逸脱している。

再犯予防（特別予防）政策は刑罰・刑事政策のカテゴリですが、
全ての国民・住民を対象にした犯罪の一般予防政策は刑罰・刑事政策のカテゴリではなく、
人が罪を犯す可能性を未然に除去し、犯罪発生を抑止するために、
家庭・学校・職場・社会において、犯罪の被害者・加害者にならないための教育・広報活動、
社会保障・社会福祉制度の整備、支援を必要とする人々に対する相談・助言・支援制度の整備、
犯罪抑止に必要な法律や制度の整備、失業・貧困対策などのさまざまな予防政策の集合体として、
包括的な犯罪予防政策を確立し、国民と政府・自治体が連携して取り組んでゆくことが必要です。

回答No.13

luune21

抑止にはなりません。

今、学問的にははっきりしていることは、
・死刑廃止によって凶悪犯罪は増えない（でも抑止の証拠にはなりません）
・死刑存置によって凶悪犯罪が減るかどうかは不明
ということだけです。

このことからわかることは、「抑止力はない」とはっきり証明することはできないが、「抑止力がある」とは認められない、ということです。

もともと死刑廃止国だったのが、凶悪犯罪が多いという理由で死刑制度復活させた国にフィリピンがありました。
しかし、死刑制度復活後に凶悪犯罪が減ることはなく、結局、今年、再び死刑廃止国になりました。
アメリカの死刑廃止州でも、凶悪犯罪の増加はほとんどみられません。
また、日本も死刑存置国ですが、死刑執行はきわめて少なく、実質は廃止国に近い国です。しかし、凶悪犯罪発生率は非常に少ない国です。
一方、中国は、世界の死刑執行者の90%！(3000人～5000人/年)をしめる死刑大国ですが、凶悪犯罪はまったくへっていません。

お礼

中国はすごいですね。
死刑のデータとして北朝鮮は入っていないかもしれませんが、中国以上にすごいでしょうし、共産主義だからなのかわかりませんが、中国と北朝鮮の政治体制は恐ろしいですね。
どうしてそんな国になってしまったのか・・・

回答No.12

gsxr600

産業団地に刑務所をたてる時、地元の人が大喜びしていましたが
こんな考え方しかできない国はおそらく滅びるでしょう

お礼

地元住人は大喜びだったんですか。
正直、よくわからないんですが、どうして喜んだんでしょうか？
普通だったら嫌だと思うんですけど・・・

補足

援助金とか、経済効果だと思うんですが、そんなに沢山もらえるねしょうか？

回答No.11

pekopon2100

「○歳未満であれば罪にならない」ということも一つの動機となって凶悪犯罪が発生したこともあったようです。

やはり「死刑がいやだから」思いとどまったケースもあったのではないでしょうか。

参考URL：

http://kangaeru.s59.xrea.com/13.htm

補足

当然ありますよね。
しかし、沢山事件はありますね・・・・
身近でも沢山おきていました

回答No.10

Kon1701

輪わしの知っているものでは、"死刑の犯罪抑止の効果は薄い”というものです。
死刑に相当する犯罪者への調査で、"死刑になるから犯罪をやめよう”と少しでも考えた人はほとんどいない。というものでした。数字とは違う調査例ですね。
犯罪というのは、異常な心理、あるいは理性を失った状態での行為、になるわけですから、机上の考えが通用しにくいということなのでしょうね。

お礼

確かに、犯行の瞬間に意識するかといえばそうでもないですよね。
しかし、計画的なものならその段階で抑止する面もあるのではと思うんですが。

回答No.9

toranekosan222

抑止につながるかもしれません。

なぜ死刑があるのか？

死刑はいわゆる「被害者」の溜飲を下げる為ではありません。

死刑に相当する罪を犯した人間が再度死刑に相当する罪を犯させない、被害者を増やさないようにする為であり、多くの人を守る為、被害を拡散させないための物だと思います。

これは結果として将来起こりえる犯罪を減らす事につながります。しかし、一年あたりの犯罪件数を減らすことが目的ならばこれに該当しませんが、累積犯罪件数を考えれば確実に減らせることでしょう。

死刑廃止論は死刑に相当する罪を犯した人間が完全に更生される手法を確立しない限り、不完全である。（無期懲役になっても外の世界に出て犯罪を犯す可能性がある、あるいは養育する事自体無駄である。）

一方で、死刑論は死刑に相当すると判断された罪人が、完全に罪人であると証明できる手法を確立しない限り不完全である。（法を逃れた真犯人が罪を繰り返すから犯罪を防げない。）

回答No.8

myeyesonly

こんにちは。
私はそもそも犯罪防止の為に死刑が必要などという考え方はしてませんが（死刑は必要だと思ってる人です）、犯罪をしようとしても死刑が怖くて出来なかったという人が一人でもいれば、それで十分、抑止としての意味もあったのではないかと思いますが？

＃余談ですが、一応、私が死刑が必要だと思う訳を。
○最高刑。
○被害者に対する最大の謝罪。
以上とは別に、刑の加算制度は絶対必要だと思います。

お礼

確かに、確実に抑止につながっている面はあります。
しかし、えせヒューマニズムだと思われるかもしれませんが、争論の論点としては犯罪者でも「一人の命を奪っていいものなのか」という事ですよね。
犯罪を単純になくすだけを目的とするのなら自分も死刑に何の異論もないんですけど・・・

回答No.7

春原 なの（@ymda）

回答としては、Noですね。

実は「死にたくて犯罪をした」という人もそこそこいます。ですが、これらの人は大抵数年の懲役程度で終わってしまうのが大半です。

このような犯罪防止っておかしな面がありますよね？
実際に、「おいしいごはんが食べたくて」牢屋に入るために犯罪をおかすとか、
つい最近の事件では、「勉強したくないから」自宅を放火する例まであるわけです。

本来、人間の苦痛なはずの死刑を悪用されない為にも、それなりの考え方をなおさないといけないのではと思います。

そういう意味では、刑務所も物足りないわけです。
高等刑務所・・とかいう感じで、苦痛を与えまくる場所が、死刑の代わりに必要な時代がいずれやってきます。

なにせ、「死んだほうが」「楽」ですからね。

お礼

なるほどね～。
確かに、塀の中の生活が一概に苦痛だけだとは言えませんもんね。
人によっては毎日働いたり迷ったりする生活よりは、隔離されて与えられたことだけを黙々をこなすという生活が楽な人もいますから。
しかし、同じ人ということで「加害者の人権」という下、人としての生活は確保するということになっているわけですが。
本当に考えさせられます。確かに、犯罪という悪に対して純粋に撲滅をしたいのであれば、ルールーを破った者に対して誰が苦痛と感じる扱いをする事が「究極的な抑止」となるでしょうが、どうでしょう・・・。

回答No.6

ogasawaraensis

回答としては「Yes」です。

ですが、確実にいえることは、
1.実証実験が行われない以上、答えは出せない。
（もし死刑を廃止した翌年に凶悪犯罪が増加したら、誰が責任を負えるのでしょう？）
　犯罪はその国の風土文化に多少なり影響を受けますから、他国の事例は実験結果ではなく参考にしかなりません。

2.犯罪はその時々の社会状況等により発生数が変動するものであり、純粋な数字として扱うにはムラがありすぎる。

3.死刑の有無に関わらず犯罪は発生する。

4.死刑があることにより、犯罪を思い止まる者がいる。

お礼

確かに、これはラットのように生態実験をできるようなことはできませんから答えは出せないですね。
＞＞４
自分の率直な気持ちとしても賛同できます。
犯罪をしたくても「捕まるし、命も奪われるかも」と思うからこそ止めています。

回答No.5

kisukeblue

私もそういう記事を見たことがあり疑問に思ったことがありました。死刑がなくなったら、どんな凶悪犯罪を犯しても決して死刑にはならないんだからもっと犯罪を犯す人が増えるのではないかと。。tokoten2さんの質問で、私も疑問を解決したかったので少し検索したのですが、この記事だとそういうことかと納得したので参考にどうぞ。

参考URL：

http://www1.linkclub.or.jp/~tomoneko/jugyou/sikei/sikei2/2sikei11.html

お礼

なるほど、このサイトでは減らないと結論付けられていますが、どういう人たちの対談なんでしょうか？
それによっては自分としては納得とまでは残念ながらいかないですね・・・
正直、自分としては人を殺したいと思ったことがあっても「自分が死刑になる」というのが殺して諦めている所は事実あります。

回答No.4

y32kai

あくまで自分の意見です。
死刑で犯罪は減るかといえばそんなには、減らないでしょう。
無期になったところで10数年ででてこられるし。
アメリカのように、未成年でも死刑があるが抑制出来ていないのが現実で、
加害者保護ばかりしている日本は、更に難しいでしょう。

お礼

まあ、どうなんでしょうかね～。
単純に考えれば死刑が怖いからやらないというのが当然だと思うんですが、殺人をする瞬間の心理は「この後どうなってもいい」と思うほど興奮しているんでしょうから、
しかし、最近は被害者の保護されていない問題や、加害者保護に対する疑問が風潮として本村さんの事件から始まっているように感じるんですが