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ものづくりに正社員必要。ところが・・・。
- 小泉構造改革の進行で、正規雇用と非正規雇用の格差が深刻なものになっていますが、政府もやっとその本質的危機に気付いたようです。
- トヨタ系とか三菱系など自社で契約社員を募集し、正社員登用制度も既に整っている大企業では、非正社員を正社員化するのは、比較的容易だと思われます。
- 家電系の大企業だといわゆるアウトソーシングと呼ばれる請負会社が契約社員、派遣社員を雇用して、現場に働かせている実態があります。この人たちの正社員化は、一体どうするのでしょう。
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製造業では、作業者自身による日々の改善活動が重要です。ものづくりの精神の継承ともいえますが、このことは一朝一夕で可能なことではありません。 トヨタ自動車などは工場作業者の約30%が期間工という数ヶ月単位の契約労働者です。そのため熟練度や作業モラルの低下が発生し、高い製品品質の維持が難しくなっていたり、日々の改善活動が低下してコストアップになったりなど様々な問題が顕在化し出しています。 その対策として期間工の正社員化の道を開くようになっていますが、実際に正社員になる割合は非常に狭き門です。 王道は、世の中の景気に左右されずに昔も今も厳選した新入社員をしっかり教育して立派な正社員を作っていくということのようです。 また、設計などの技術部門においてもアウトソーシング化が進んで派遣社員が増加しています。しかしながら大企業では、自社の子会社としてプログラマーなどの派遣会社を設立し、自社の仕事を分担させています。 自社グループでない外部の派遣会社からグループ会社にシフトしつつあるのが傾向のようです。これはグループ会社内での技術力維持やセキュリティ維持の面も大きいですが、やはり一番大きい理由は経費削減です。 質問者さんは、人件費を程度の低い問題と捉えておられるようですが、企業は慈善事業ではありません。国家が重い罰則を持った法律で強制的な執行をしない限り、ほとんどの非正規社員は非正規社員のままでしょう。 非正規社員の格差でまず最初に対策すべき課題は、現在の派遣企業が派遣社員の稼いで来たお金を必要以上にピンハネしていることじゃないでしょうか。
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- cse_ri2
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結局、この問題を突き詰めれば人件費の問題になるわけです。 たとえば政治の力で正社員増やせば、増えた人件費の負担は確実に会社にのしかかります。 人件費の負担さえ増えなければ、非正規社員を正社員にする案には大いに賛成です。 増えた人件費を製品の価格に転嫁すれば、その製品は国際競争力を失います。 したがって会社は人件費の安い工場を海外に移転せざるをえなくなります。 (とりあえず、補助金出せという意見は除外します。企業が政府に完全におんぶに抱っことなり、過保護になった業界は確実に国際競争力を失います) そのジレンマをどうやって解決したらよいか、妙案はありますか? (私は一つ案をもっていますが、あえて質問者の方に問います)
お礼
>結局、この問題を突き詰めれば人件費の問題になるわけです。 何か程度の低い話になってしまってるよな~あ。 トヨタ系や三菱系など直接、契約社員・期間工を募集しているところは、社会保険完備かつ寮費まで無料で雇用しています。正社員にしても大して人件費は増えません。 ちゃんと質問文を読んでいただきたいのですが、アウトソーシング会社、請負会社というものがありまして、そこが国内の大手企業(家電系が多い)の業務を請負い、そして労働力を契約・派遣社員として雇用して、大手企業の現場に安く送り込み、賃金をチョンポしている実態があるのです。大企業が人件費を安く上げているのはこの方法に寄っているのです。 >人件費の負担さえ増えなければ、非正規社員を正社員にする案には大いに賛成です。 多くの大企業と労働者の中に請負会社が介在していますから、簡単に正社員化は出来ない状況なのです。これをどう是正すればよいかということが本質問の主意なのです。 >したがって会社は人件費の安い工場を海外に移転せざるをえなくなります。 中国、韓国、東南アジアでも、生活水準が向上して来ていてドンドン人件費が高くなっています。海外が人件費が安いという認識は、もはや過去になりつつあります。それから海外の価格の安い製品が国内製を駆逐するという考え方も古いでしょう。プラズマテレビなどは、LG電子などの韓国製の方がはるかに安いですが、それより値段が高く高性能な日立や松下製の方が多く市場に出回っています。 どうして日立や松下製の方が売れるのでしょうか? それは日立や松下で働いている現場労働者の生産技術が熟練していて、製品の故障も少なく信頼性が高く評価されているからです。 日立や松下などは、それで儲けていますから、当然利益は非正規社員の方にも還元されてしかるべきです。
補足
現在では、人件費が安い=信頼性が低い、です。
- cse_ri2
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私は本職はITですが、製造業の現場にも多少の理解はあるので回答します。 「ものづくり」の現場は、ニュースで取り上げられているような上っ面だけで眺めると、本質を見失ってしまいます。 製造業は細かく見ると業種や企業によって千差万別ですが、おおよそ 1)開発 2)製造 の二つの現場に分かれます。 このうち、開発は正社員がかなりの割合を占めるでしょう。 外注社員や契約社員もいるでしょうが、正社員が大きな役割を果たしています。 次に製造ですが、管理に携わる人間はほぼ正社員です。 その他、実際に製造の現場で働く人がいますが、実際に製造する人でも部品を組み立てるだけなど簡単な作業の場合は、必ずしも高度な技術は必要ではありません。 ここで働く人は、昔からパートやアルバイトが多くいました。 私も学生の頃(バブル期の頃ですが)、工場のバイトで荒稼ぎした経験があります。 ところが人数でみると、製造現場で実際に働く人が、人数的には非常に大きな割合となります。 ここの人件費が馬鹿にならないわけで、バブル崩壊後の製造業では人件費削減に必死になってきたわけです。 おそらく質問者の方の意見としては、末端の人すべてを正社員にしろという意見かと思いますが、これは現場を知る人間からいうと非現実的です。 なにしろ中国に進出する最大の理由が、製造現場の人件費削減にあるのですから、日本での人件費をあげると競争に勝てなくなり、再び中国への進出に拍車をかける結果となるだけでしょう。 もちろん、製造をする上で匠(たくみ)と呼ばれるような高度なスキルをもった人が不可欠という現場もあります。 そういう人は大いに厚遇すべきで、正社員どころかそれ以上の待遇を与えてしかるべきです。 しかし、誰でもできるような作業をする人に対し、必要以上の賃金を払うのは本末転倒としか思えません。 あえて言えば、マクドナルドのアルバイト・パート店員を、すべて正社員にするようなものです。 また最近では、セル生産方式の普及により、今までは均一だった単純作業の分野にも、一人一人の個性が認められるような製造現場が増えてきています。 そういう現場で働く人に対して、スキルの上達に従い賃金を上乗せする動きも出てきているようです。 『ものづくり』の現場というものは、それはもう本当に奥深い世界です。 ちなみにリンク先の記事は、いわゆる2007年問題に対処するための対策であり、匠(たくみ)と呼ぶべき高いスキルの持ち主が退職するのに合わせて、後継者を育成するための支援とよぶべきものでしょう。 一部分の動きだけを取り上げて、その他全てにあてはめるような議論は、いささか問題ではないかと、私は思います。
お礼
私も工場アルバイトはいくつも経験もあるし、自動車製造のラインに入ったこともあります。でも正直10年以上も前の水準で、現在の製造現場を語られても困ります。 >実際に製造する人でも部品を組み立てるだけなど簡単な作業の場合は、必ずしも高度な技術は必要ではありません。 時給1000円の仕事でも、最近はあらゆる工程でパソコンが導入されて実作業に加えて、液晶画面とにらめっこでテクノストレスに晒されるし、ISO規格を満たすために手でする仕事は、正確かつ確実なものが要求されます。ノートパソコンや携帯電話は、大変小さいデリケートな部品を扱いますから、手先の器用さも求められます。汚れや破損などを防ぐために、従業員に徹底した作業手順や基準を現場では叩き込んでいるのですよ。 開発技術の高度性と、生産技術の熟練性を混同されては困ります。 高度な技術を持っていなければ、ボーナスも出ない非正規雇用に甘んじて不安定な生活に甘んじていればそれでよい、というお考えなのですか。回答者様のいうところの「簡単な作業」をしなくて、どう市場に受け入れられる製品を完成させることが出来るのですか? >しかし、誰でもできるような作業をする人に対し、必要以上の賃金を払うのは本末転倒としか思えません。あえて言えば、マクドナルドのアルバイト・パート店員を、すべて正社員にするようなものです。 これは正直言って、非正規雇用で働いている方々を冒涜する発言だと断じざるを得ません。
お礼
質問者の趣旨に沿ったご回答ありがとうございました。 >その対策として期間工の正社員化の道を開くようになっていますが、実際に正社員になる割合は非常に狭き門です。王道は、世の中の景気に左右されずに昔も今も厳選した新入社員をしっかり教育して立派な正社員を作っていくということのようです。 まさにその通りです。 >非正規社員の格差でまず最初に対策すべき課題は、現在の派遣企業が派遣社員の稼いで来たお金を必要以上にピンハネしていることじゃないでしょうか。 そう思います。技術職はともかく、小泉政権で派遣労働者の幅が広がりましたが、是正しないととんでもないことになると思います。製造業などは回答者様の仰る通りで熟練工を養成しなければなりませんから、正社員の方が良いです。これから派遣会社・請負会社の社会的意義が厳しく問われていくと思います。 大変参考になりました。多謝!多謝!