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簡易測量について教えてください。

昨年、大津波のニュースを見ていたら、被災地に入った地震災害の調査隊が、三脚の上にスコープの付いた道具を使って測量していました。おそらくその人たちの専門は地学関係でしょう。その三脚上の機械は、ネットで調べてみると、林業関係の測量でよく使われているコンパス測量の機材によく似ていました。 私はバイトで考古学の遺跡調査に関わったことがあるのですが、その時の地形測量では、ごっついトランシットとか、トータルステーションを使っているのを見ました。多分コンパス測量は、トランシットなどに比べると簡単軽量な分、精度は低くなると思います。そこで教えていただきたいのは、地学関係の調査では、どのような時にこういう簡易測量を使うのでしょうか。その場合、例えばコンパス測量程度の精度で充分と判断される理由は何でしょうか。それと、トランシットなどを用いた測量と比較して、精度の差はどの程度なんでしょうか。

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  • ベストアンサー
回答No.2

森林科学科卒です。 No.1さんがおっしゃっているとおり、測量精度の問題と据付(=測量器具の設置)の容易さが重要な判断基準です。また、器械の価格も重要な判断基準になります。さらに、トランシットとコンパスでは測量している対象が違うので、どのような測量をしたいのかによって、総合的に判断します。 トランシットでは20秒の角度まで読むことができます。これに対して、コンパスでは30分までです。自分の周囲360度をトランシットでは64800等分できる精度なのに対して、コンパスでは720等分しかできません。これくらい、精度には違いがあります。 また、トランシット・コンパスは角度を測る道具です。測量には、角度の他に距離を測る必要があります。この距離を測る道具も測量精度に影響します。例えば、光波測距儀(レーザー距離計)で距離を測れば、±10mm/200m程度の精度は出ます。これに対して、巻尺で距離を測ったとしたら、±10"cm"/200m程度の誤差は容易に生じてしまいます。 通常は、トランシットと光波測距儀、コンパスと巻尺を組み合わせて測量します。トランシットと光波測距儀を1台の器械の中にまとめたのが、トータルステーションです。ここまでをまとめると、トランシット+光波測量では数mm精度の測量ができるのに対して、コンパス+巻尺では数十cm精度の測量になってしまいます。 設置の容易さについては、専門業者にとっては、コンパスもトランシットも変わりません。両方とも1分くらいで測量できる状態に据え付けられます。素人では、コンパスが数分で据え付けられるのに対して、トランシットは20分以上かかることが良くあります。それに加えて、その重さも問題点です。コンパスの方が圧倒的に軽く、藪の中や急斜面では非常に取り回ししやすいです。山の斜面での測量でコンパスが多用される理由は、ここにあります。 価格面ですが、コンパスは本体が10万円程度で三脚が5万円強なのですが、トランシットは50万円以上、トータルステーションでは150万円以上します。距離を測る道具も、巻尺は3千円くらいなのに対して、光波測距儀は安いもので5万円くらい、高いもの(=遠くまで高精度で計れる)は100万円くらいします。実際の現場に、どれだけの予算があり、どれくらいの器械を揃えられるかが、測量精度に大きく関わってきます。 最後に、トランシットとコンパスでは計測するものが違います。トランシットは異なった3点の成す角度を計測するのに対して、コンパスはその点における磁北からの角度を計測します。つまり、トランシットは前後の測点から求めた相対的な角度を計測するのに対して、コンパスは北極から時計回りに何度という絶対的な角度を計測します。これが何の問題になるかというと、、、もし測点の近くに自動販売機があったら、コンパスの磁針が狂いますよね。自販機は鉄の箱ですから。つまり、都市部などの磁場に異常が生じやすい場所では、コンパスの測量精度は落ちやすくなるのです。ここでは言及を避けますが、この計測対象の違いによって、コンパスとトランシットでは、測量の進め方や精度計算の方法も異なってきます。 こんなことを総合的に判断して、コンパス測量でO.K.なのか、トランシットを使う必要があるのか?を決めているわけです。

KoganeAkira
質問者

お礼

詳細かつ,要を得た御説明有難うございました。大変参考になりました。有難うございました。

その他の回答 (1)

  • ultraCS
  • ベストアンサー率44% (3956/8947)
回答No.1

鉱山学科出です。 地学系の方と、復旧や救出作業に携わる方のどちらも測量の必要があります。 要求される精度が違うからというのが一点、地学系で言えば、メートルの精度があれば十分でしょう。 また、災害復旧では少々大雑把でも早く手順を確立するために簡易な方法としているという面もあるでしょう。 考古学は論文に記載しますから、精度は必要なのでしょうね。 鉱山関係でも、両方使いますよ、探鉱のときは簡易な方法で数をこなすこともあります。坑道内だと精度も必要ですから、トランシットやセオドライトを使います。

KoganeAkira
質問者

お礼

申し訳ありません。御礼をしたつもりだったのですが、もれていたようなので御礼させていただきます。鉱山関係でも測量が行われている事をはじめて知りました。特に坑道内のような狭い場所で行なわれている点興味深く思いました。ご教示有難うございました。

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