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cDNAライブラリー 標識
cDNAライブラリーの作製方法を色々見ていると、Size Fractionatingのために放射性活性物質を用いた標識を行っていますが、 1,放射性活性物質でないとダメなのでしょうか。 2,標識は必ずしなければならないのでしょうか。(つまり、どうせ電気泳動でバンドを確認するのであれば、通常どおりの泳動をしてエチブロで確認、というのはダメなのかということなのです) 基本的な事なのかもしれませんがどうしてもわかりません。 どなたか教えて下さい。よろしくお願いします。
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私も最初はマニュアルどおりRIを取り込ませてcDNAライブラリーを作成していましたが、後にはRIなしにしました。 RIを取り込ませる理由は 1.逆転写、セカンドストランド合成の効率をモニターする。 2.少量を泳動して適当なサイズのcDNAフラクションを選ぶ。 3.cDNAの収量を計算して、適当なベクター:cDNA比を得る。 の3点です。 逆に不利な点は、RIの崩壊、β線の放出によって、cDNAが壊れていくので、速やかにライブラリーを完成させて大腸菌で増幅しないと、どんどん質が悪くなっていくことです。しかし、これをnon-RIラベルにするのは、cDNAの化学構造を変えてしまうことになるので、いい考えではありません。 1)では特に逆転写の効率がRNA純度などによって振れやすく、ここがうまくいっていないと良いライブラリーが作れないので取り込み量のモニターは重要でした。しかし、最近は各社が競って、良いRNA精製システムや、高性能の逆転写酵素を出していますので、ここの効率が悪くて失敗するということもそれほどないと思います。セカンドストランド合成は、活性が影響を受けにくいPol Iの反応で、サンプルによる振れは気にしなくて良いです。 2)では、極端に短いcDNAを排除するのが目的ですが、フラクションをいくつもとらなくても、低分子量をカットオフするexclusion gel filtrationで充分です。サイズを確認せずにeluateをそのまま使えばよいです。また、Syber Greenなど高感度の検出試薬を使えば、電気泳動で確認することも可能です。 3)はEtBrやSyber Greenなどをつかったスポットテスト(Molecular Cloningに出ているサランラップ法)による定量で代用できます。また、適当な宿主ーベクター系を使えばnon-recombinantを排除できますから、比を気にせずにベクター過剰にして、一発勝負でやってしまうというのもありでしょう。 やはり微量なサンプルだとだとRIを使うほうが有利だと思いますが、RIなしでもできないことではないです。 その場合、できれば、スタートのRNAの量はシステムが許す上限ぎりぎりまでふやしたら良いですね。
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少し古い本になりますが、「バイオ実験イラストレイテッド〈4〉苦労なしのクローニング」に、そのへんのことが書いてありました。今手元になくて確認できないのですが、「どんな場合でも必ずしなければならないというわけではないが、できれば」というニュアンスだったように記憶しています。 これは私の想像ですが、以前は収量や泳動パターンの確認が放射標識でなければ感度の点で難しいかったのではないでしょうか。現在なら検出の方法もいろいろあるので、やろうと思えばRIなしでもできるような気はします。
お礼
すぐにご返答いただいたのに、お礼が大変遅くなってしまい、本当に申し訳ありません。早速「バイオ実験イラストレイテッド」を読ませていただこうと思います。ありがとうございました。
お礼
早々に、しかもとても丁寧に教えて下さり、本当にありがとうございました。お礼を申し上げるのが大変遅くなってしまいすみません。実はcDNAライブラリーを作製しようとしているのですが、当方にはRIを扱う設備が整っていないため、代用を考えていた所だったので、大変助かりました。実験初心者なため、もしかしたら今後も何かお世話になることがあるかもしれません。その時はよろしくお願い致します。