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溶融塩原子力発電

最近たまたま書店で見かけて,次の本を購入し,読みました. 古川和男著:"原発革命" 文芸春秋社 この本で提案されている溶融塩による原子力発電は安全性を含めいいことづくめのようです.しかし,このような技術が現在どこかの発電所で採用されているという話を聞きませんが,なぜなのでしょうか.

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  • myeyesonly
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回答No.3

こんにちは。 前の方の回答にもありますが、熔融塩というのは腐食性が大変強く、水より高温であり、扱うのが大変難しいものです。 もんじゅの液体ナトリウムでさえ、確立された技術とは言えずあんな事故を起こしました。 諸外国の高速増殖炉の幾どがナトリウム漏れ事故をくり返し、この分野から撤退しています。 ある意味、「ナトリウムでさえ」と言えます。 熔融塩炉ではもっと温度は高く、腐食性も負けず劣らずですからさらに困難である事は想像に難くありません。 それに比べると、温度が低い欠点はあっても加熱水蒸気を用いる技術は長い歴史があり、ほぼ確立されているといえる状況だったので、実用化、商業化を急いだ結果、熔融塩炉はお蔵入りになったといえると思います。 日本でも初期は東海村で高温で循環するナトリウムが漏出したらどうなるか・・・など、実際に実物大模型を作り配管を破断させて爆発させる実験をやった時など、世界中から研究者が集まるなど、当初は各方向で研究が取り組まれていたのは事実です。 また、東海村の一号炉(発電炉)はガス冷却炉でした。 結局、少々問題があっても、米軍が艦船搭載用に実用化を急いだ水による加圧水型を民間に転用し併せて沸騰水型を開発、それらを日本を始め、諸国に売りさばいた結果、日本も今までの研究を幾ど止めてこちらになりました。 結局の所、少しでも早く実用化できる物に的が絞られた感じです。

egkeladhos
質問者

お礼

早速のご回答ありがとうございました. 溶融塩というものがいかに取り扱い上困難であるかよくわかりました.また,難はあってもすでに技術的に確立された技術との比較で,方式の選択が行われるという事情もよく理解できました.一旦ある技術が開発され,それが商用化されてしまえば,後発の技術がなかなか入りにくいのでしょう. 分野は違いますが,録音技術でエジソン方式のレコードが,ちょっと先に開発され当時すでに技術的にある程度には到達していたはずの磁気テープ録音方式がなかなか採用されなかった状況を思い起こしました.

その他の回答 (3)

  • SCNK
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回答No.4

高速増殖炉のことでしょう。液体ナトリウムは中性子の減速率が低いので高速増殖炉には向いています。また熱伝導が良いということで冷却効果も高いのです。 ただ漏れると厄介です。水分と反応して爆発しかねません。原子炉の小型化には都合がよいので、米海軍が原子力潜水艦の導入にあたって液体ナトリウムの使用も考慮しましたが、さすがに海中で使用するものだけに、さすがのリコーバ提督も二の足を踏んだようです。

egkeladhos
質問者

お礼

早速のご回答ありがとうございました.

  • IAC
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回答No.2

参考URLに紹介する資源エネルギー庁の回答にあるように材料上の課題や放射線防護上の課題が大きかったからだと思います。 個人的には,実効遅発中性子生成割合の小さな炉心となってしまうのがイヤ。

参考URL:
http://www.atomnavi.jp/uketsuke/qa06_22_020292-1.html
egkeladhos
質問者

お礼

早速のご回答ありがとうございました. ご教示いただいたサイトの資料は大変参考になりました.私の知りたいことが書かれておりました. ご指摘の材料上の課題,放射線防護上の問題が大きいということは理解できました. 京都議定書の発効にともない原子力発電の重要性は今後さらにますものと思われますが,廃棄物の処理を現状のままで問題を先送りにする訳にはいかなくなり,ある程度の困難を克服してでもいずれ何らかの形で処理しなければならなくなるのではないかと素人考えで思っております.

noname#136764
noname#136764
回答No.1

「実用化までにはまだ課題があるから」ということになるのでしょうが・・・溶融塩炉や高温ガス炉など可能性のある技術が古くから提案されていても、研究開発の資源はいち早く商用化した軽水炉や夢の核燃料サイクル、もっと夢の核融合などにばかり投入されてきたため、「課題があるまま放置されている」ということではないでしょうか。 溶融塩炉 http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/03041102_1.html 第4世代原子炉 http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/07020111_1.html

egkeladhos
質問者

お礼

早速のご回答を頂きありがとうございました. ご教示いただいたURLで溶融塩炉のさらに詳細な内容を知ることができました. 原子力発電のようなシステムでは,単純に原理的なアイデアから実用化するまでの間には,技術そのものの開発,商業化の問題,社会の受容のための啓蒙などが種々関連して,単純に原理だけの問題だけでは判断できないのかなあと思いました.

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