• 締切済み

京都議定書にアメリカが参加しない理由

ruehasの回答

  • ruehas
  • ベストアンサー率68% (816/1194)
回答No.9

こんにちは。 #7です。回答をお読み頂きありがとうございます。 >「京都議定書」が発効して途上国から先進工業国が「温暖化ガス」排出権を盛んに買っていますが、途上国の側から言えば、安易に「温暖化ガス排出権」を売ることによって設備投資をせずに、外貨を得てしまうと言う問題が生じないかと言う事です。 そうですね。 あまり詳しくないので、これに就いては調べて参りました。 温暖化ガス排出権の運用を可能にしたのは、議定書に於ける「京都メカニズム」なのですが、まず、排出権というのは先進国同士でのみ売買が可能なもので、先進国が途上国から直接排出権を買い取ることはできないようです。 京都メカニズムでは排出権の運用に三種類の方法が設けられています。 「排出量取引」先進国同士で排出量削減事業の実績が売買できる。 「協同実施(JI)」先進国同士が協同で実施した削減事業の実績の分配が獲得できる。 「クリーン開発メカニズム(CDM)」先進国が途上国で実施した削減事業及び技術供与の実績の分配が獲得できる。この技術供与は、途上国が継続可能という条件が付けけられています。 ここでまず重要なことは、先進国にしても途上国にしても、売買・転用できる削減量というのは、元々持っていた排出権ではなく、何らかの投資、もしくは技術開発によって新に産み出された「削減実績」でなければならないということですね。 京都メカニズムは排出量の削減事業や技術開発を活性化させるための措置です。言われるまでもなく、先進国は積極的に削減事業や技術開発を行なわなければ実績を獲得することはできないのですが、海外でそれを行なうことができるというのであれば広範囲な展開が可能になりますし、何よりも途上国であるならば設備投資がたいへん安くできます。また、これによって、排出量割り当てのない途上国も技術提供を受けやすくなり、結果として間接的に温暖化対策に参入してくるということになります。 日本はオイルショックなどを経験し、既にたいへん省エネの進んだ国です。そのため、これ以上の省エネを実施しようとすると、技術もお金も余分に掛かります。例えば、日本で二酸化炭素1トンを削減する費用は125ドルなんですが、欧州では35ドル/tと、三分の一以下の値段になるんだそうです。ですから、二酸化炭素削減事業を海外で行なうことができるのであれば、日本はたいへん安い投資で削減実績の獲得ができるということですね。 温暖化ガス排出権の市場化を可能にしたのはこのような京都メカニズムです。ですが、言うまでもなく、先進国は実績を獲得するのが先決ですから、しばらくは売り手に回ることはありません。そして、途上国が売り手になるということは、途上国は元々削減枠がないのですから、先進国の事業や技術供与を誘致するならば、その分がそっくり余剰放出権になるということですね。途上国はそれほど削減実績を必要としませんから、残りの取り分も欲しければ代価をよこせと先進国に持ち掛けてくるかも知れませんし、それを国際市場に出して外貨獲得の手段にすることもできます。 先進国が途上国から削減実績を獲得するというのはこのようなことです。京都メカニズムは00年頃から採択が見込まれていましたので、既に国内でもクリーン開発メカニズム・CDMによる海外での実績獲得の動きは盛んに始まっているそうです。ですから、質問者さんの仰る、既に先進国による排出権の買取が始まっているというのは、実態としてはこのようなものだと考えれば良いのではないでしょうか。 排出権の市場化と言っても、それはまず鋭意努力によって産み出されなければならないわけです。ですから、途上国が自国の排出権を安易に切り売りして外貨を獲得したり、先進国が金にものを言わせて削減実績にしたりということはそう簡単にはできないようです。まして、しばらくは圧倒的な売り手不足の状態になります。削減実績が市場で取引されるというよりは、途上国を相手にした獲得競争は、まずこのような形で激化してしてゆくのではないでしょうか。

関連するQ&A

  • 京都議定書へのアメリカの不参加

    何故、アメリカは京都議定書に参加しないのでしょうか? これだけ地球温暖化が叫ばれているのに最もCO2を排出している国が参加しないのは何か意味があるのでしょうか? 何分、無知なものでどうぞご教授よろしくお願い致します!

  • 京都議定書とアメリカ

    質問させてもらいます<(_ _)> 京都議定書にはアメリカは参加していないのに目標温室効果ガスの削減率は5.2%のままなのは何故なんですか??この5.2%にはアメリカの7%も含まれていますよね。アメリカの脱退を受けて議定書で書かれていることに変更はなかったのでしょうか。 ご返答よろしくお願いします。

  • アメリカの京都議定書不支持について

    アメリカが京都議定書に批准しないで、他の国だけの批准で議定書が発効した場合は、アメリカに削減義務は課されないということなのですか? また、日本などの先進国はなんでまだ京都議定書に批准していないのですか?

  • 京都議定書について

    京都議定書批准以降、日本、EU、アメリカはCO2削減に関してどのような努力をしてきたのでしょうか?又、アメリカの京都議定書の離脱についてどう思われますか?あと、京都議定書はまだ発効されてはいないんでしょうか・・・? もし、良いサイトなどもありましたら教えて下さると嬉しいです。(日本語若しくは英語で)

  • 京都議定書について

    京都議定書が発効していますが、アメリカは批准していませんよね。 京都議定書にはアメリカの削減目標も定められていますが、この場合削減しなくても制裁とかはないということなのでしょうか? もし参考となるサイトなどありましたら回答とともに教えていただけると幸いです。

  • 京都議定書について

    こんばんわ。私は詳しいことはよく分からないのですが、アメリカは京都議定書への参加を拒否しましたよね。これはブッシュの意見だったのでしょうか?それとも環境庁(アメリカでは何というのか知りませんが・・・)などの意見で国会(?)によって決められたものなのでしょうか?それから、今現在もアメリカは京都議定書に参加していないのですか?詳しい事情の分かる方、よろしくお願いします。 あと、アメリカが京都議定書を快く受け入れない理由を何かご存知でしたら教えて下さい。

  • 京都議定書 アメリカ

    京都議定書 アメリカは、現在参加しているか。教えてください。 よろしくお願いします。

  • 京都議定書の参加国について

    今、中学校で環境問題についてのレポートを提出するということで京都議定書について取り組んでいます。 (1)主な参加国を教えてください。 (2)アメリカを参加させるには・・・ (3)環境問題に取り組む意義。 (4)議定書についてわかりやすいサイトがあったら教えてください。

  • 京都議定書

    京都議定書について知りたいのですが、アメリカのポジションがいまいち良く解りません。 「署名はしているけれども批准はしていない」というふうに解釈しているのですが、そもそもこの2つの違いが解らなかったりします(恥)。 中国などの発展途上国が議定書にサインしているのは、排出権を買いたいだけで温室効果ガスを減らす気は無い、と解釈してしまっていいのでしょうか?

  • 京都議定書の法的拘束力について

    京都議定書が2月に発効されますね。 ところで「京都議定書には法的拘束力がある」ということですが、 仮に日本が京都議定書で定められた温室効果ガス1990年比-6%削減を 達成できなかった場合、一体どんな罰則(?)があるのでしょうか。 また、そもそも「法的拘束力」が差すものとは何でしょうか。 ご存知の方いらしたら教えてください。 よろしくお願いします。