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天皇と国王

天皇と国王(エンペラーとキングともいえる?)に違いはありますか?そして、その違いはなんですか? 教えてください。よろしくお願いします。

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回答No.3

 まず一般論。皇帝は複数の国、民族を支配する元首。王はひとつの国、もしくは民族です。  つぎに漢文的用法。皇帝は中国の元首です。そして漢文的世界観では、中国が世界の中心、それ以外の国は野蛮な民族が住まっているところですから、中国以外に「国家」が存在することは認めません(土地があって人が住んでいるだけ、あるいは野蛮人の親分がいるだけ、とみなす)。したがって、皇帝は中国の主であると同時に全世界の主でもあります。この皇帝が、配下が半独立国を許可することがある。これが「王」です。漢のように有力な家臣や一族を「王」とすることもあれば、朝鮮や日本のような「野蛮人の親分」を「王」と認めてあげることもあります。いずれにしろ皇帝より下の存在です。(ただし以上は秦の始皇帝以降のことです。それ以前は中国の主も「王」でした。)  西欧的用法。皇帝=ローマ帝国の主です。ローマ帝国はその後東西に分裂します。東ローマ皇帝位はビザンチン朝を経てロシアが引継ぎ、西ローマ皇帝位はカール大帝から神聖ローマ帝国(ドイツ)に引継がれます。したがってヨーロッパで皇帝を称するのはロシアとドイツ、そして勝手に名乗ってしまったナポレオン(それ以前は「フランス王」)だけです。ヨーロッパにおいては時代が下るにつれ王と皇帝はほとんど差がなくなってしまうのですが、昔からの慣習でどこの国は王、どこの国は皇帝と定まっており、それが踏襲されています。ちなみに「大英帝国」というのはあくまで俗称で、本来は「王国」です。  このほか、イスラム教世界の「スルタン」「カリフ」「シャー」も皇帝とされることが多かったようですが、これはヨーロッパの人が勝手にそう「翻訳」しただけのことです。だいたい、ヨーロッパ以外の国の元首は一般的に「王」とか「酋長」「首長」と翻訳することが多かったようなのですが、特に強大な国を築いている場合にはやはり「皇帝」だろう、という意識が働いたようです。これも最終的には慣習で、上記イスラム教世界の例ほかに、インドのムガル朝、インカ、アステカ、ガーナ、マリ、エチオピアなどが「皇帝」とされています。  天皇は以上のいずれにも該当しません。昔の日本人が「皇帝というのは中国にしかいないものだ」という漢文の常識を知らずに、覚えたての漢字で適当に書いたものが通行しているものです。もっとも時代によっては「中国と同等なんだ」という、漢文的世界観からすればほとんど狂気の沙汰にちかい主張をしている人(聖徳太子など)もいますが……。儒学の優等生である韓国はちゃんと「王」を使っていました。  天皇をエンペラーと訳すのは、以上のような誤解に基づくもので、「天〈皇〉だから皇帝の仲間なんだね」ということです。現在エンペラーと訳される元首はもう天皇しかいないらしいですが……。

malaga10
質問者

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詳しく回答していただき、ありがとうございます。 天皇と皇帝と国王の意味の違いがよく分かりました。 天皇・皇帝の方が国王より地位が上なのですね。 また、西欧とアジアでは意味が違うのですね。

その他の回答 (9)

  • jazz04
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回答No.10

「エンペラー」は漢字で表記した場合「帝」「皇」という漢字が使用されます。基本的にその権威が他のより高い権威からの認証を必要としない権威を言います。 「キング」は「王」です。基本的には「エンペラー」からその権威を認証され無ければならないものです。 ヨーロッパではローマ教皇がエンペラーで各国の王は、ローマ教皇から権威を認証されてその地域支配者となっていました。 ドイツはプロテスタントの勢力が強くなったのでローマ教皇の権威から抜け出したために自らを「ドイツ皇帝」としました。 ナポレオンはかの有名な戴冠式で、ローマ教皇からではなく自分で自分の頭に王冠を載せることで自らを「皇帝ナポレオン」と称しました。 東アジアでは中国のみが元々「皇帝」を持つ国となっていました。その始めは「始皇帝」です。なので、朝鮮・ベトナム・タイ・ビルマなど全て「王」しか居ません。そしてその王の権威を中国皇帝から認証される必要がありました。そのために中国に定期的に貢物を捧げていました。これを朝貢(ちょうけん)といいます。 日本も元々そうでしたが聖徳太子が「日いづるところの天使、日の没するところの天使へ~」と言うかの有名な書状により、日本の王を中国皇帝と対等とする施策を実行します。これにより日本の「キング」は中国皇帝にその権威を認証される必要の無い「エンペラー」となり、「皇」の字を用いる天皇を称するようになりました。

malaga10
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お礼が遅くなってすみません。 よく分かりました。特に日本の天皇について知ることが出来、うれしかったです。 どうも有り難うございました。

  • Tacosan
  • ベストアンサー率23% (3656/15482)
回答No.9

Imperator の話ですが.... まず Imperator とは, ローマ時代において「外敵との戦いに勝った指揮者」のこと. まあ普通は凱旋式を挙げることができるほどの戦果が必要です. Caius Julius Caesar は「平時に, しかも死ぬまで Imperator と名乗る権利」を受け取り, それを世襲の権利として手に入れたのが Caius Julius Caesar Octavianus (⇒Augustus). ちなみに Octavianus は C. Julius Caesar の「姉の孫」. で, 「終身独裁官」は Dictator Perpetua. 文字通り「ず~っと独裁官でいられる」ということ. 本来は, ローマの一大事に対処するため臨時の措置として平時には 2人で政治を執っている執政官 (Consul) の権利を 1人で行使できるという「臨時の役職」. 基本的に任期は半年でした.

malaga10
質問者

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お礼が遅くなってすみません。 よく分かりました。 どうも有り難うございました。

回答No.8

天皇は世俗権力を超えた「時間」の支配者と考えられます。ですから、元号と大きくかかわっています。 国王や皇帝は世俗権力の頂点にあると言えます。政治と軍事の最高権力者であります。

malaga10
質問者

お礼

お礼が遅くなってすみません。 天皇と皇帝の違いも分かりました。 どうも有難うございました。

  • error123
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回答No.7

もういい回答がたくさん出てるみたいなので、英語の「エンペラー」(Emperor)の語源でも。 これは古代ローマのラテン語の「インペラトール」(Imperator:終身独裁官)からきてるのよ。 じゃあ、そのインペラトールって何者? 初めてそう呼ばれたのはオクタヴィアヌス(アウグストゥス)ね。彼はユリウス・カエサル(Julius Caesar」)、英語読みではジュリアス・シーザーの甥よ。 カエサルが登場したその頃はローマは共和制だったんだけど、今のドイツやフランスやイギリスの南半分までも征服した圧倒的な軍事力で絶大な権力を握ったのが、カエサルなわけ。 そのカエサルが暗殺されて、跡目を継いだオクタヴィアヌスがローマの初代皇帝とされてるのよ。 だから、その「インペラトール」が英語に引き継がれて「エンペラー」になったのよ。 面白いのは、ドイツ語やロシア語では、「カエサル」の名前のほうのを引き継いで、「カイザー」(ドイツ皇帝)と「ツアー」(ロシア皇帝)になってるわ。

malaga10
質問者

お礼

お礼が遅くなってすみません。 よく分かりました。 有難うございました。

回答No.6

足利義満が柵封を受けたのは唐ではなくて明ですよね。 時代がこんがらがってしまいました。ごめんなさい。

malaga10
質問者

お礼

いえいえ。わざわざ有難うございます。

回答No.5

始皇帝が皇帝という称号をはじめて用いた由来ですが、中国の外に対しての権威というよりも、自国のためでした。 そもそも、「中国」という国はそれまでになく、今の中国には多くの国が国王によって治められていました。しかし秦の国王が他の国を制圧し、始めて中国を統一し、以来中国は一つの国であるという考え方ができました。 この時に他の国を治めるため、それまで治めていた国王よりもさらに権威のある「皇帝」という名称を使うようになったわけです。 このとき自分を始めての皇帝、「始皇帝」と呼び、以降「二世皇帝」「三世皇帝」と代々続くことになっていました。 この時には郡県制が布かれて、国王という役職(?)は無くなり、代わりに中央から派遣される役人が国を治めるようになったのですが、秦が滅んだ後の混乱期に漢の高祖がやむをえず韓信に国王になることを認めたのをきっかけに、漢では一部に国王を認めて代々その国を治めることを認め、一部は群県制にした郡国制を布き、国王が復活して皇帝の下に国王を任命(柵封)する封建制が復活しました。日本では後に室町幕府の3代足利義満が唐の皇帝から柵封を受けて日本の国王になり、天皇の権威に対抗しようとしたりしました。 またカトリックのローマ法皇は「皇」の文字も用いられますが、かつてローマ皇帝が宗教の最高位にいたものが、ローマ皇帝の宗教的な権威だけ残ったのが法皇の由来だからだそうです。

malaga10
質問者

お礼

お礼が遅くなってすみません。 よくわかりました。 どうも有難うございました。

回答No.4

天皇もEmperorですが、天皇陛下はわが国にしかいらっしゃいませんので、まずは皇帝(Emperor)と国王(King)の違いを書かせていただきます。 皇帝は帝国(Empire)を治める人です。 かつて欧州で皇帝として帝国を治めた人には、ローマ皇帝に始まり、ロシア皇帝、ドイツ皇帝などがいました。彼らに共通するのは、言語・文化の異なる複数の民族を有する帝国を支配していたこと、または、限られた地域にしか統治権が及ばない王の上に立つ存在であったということです。 フランス皇帝ナポレオンにしても、欧州の広域に覇権を確立し、自らの親族を各地の王に任命したことからみて、この定義に当てはまります。 アジアでは初めて皇帝を名乗ったのは、秦の始皇帝ですね。 これは欧州の定義とは違い、天帝(天上にいる神)の命により国を治める人を言うようです。 日本では、古代天皇の称号は「スメラミコト」でした。しかし、漢字文化圏であったため、称号を漢字で表記する必要が生じ、「スメラミコト」の漢字表記として編み出されたのが、「天皇」の文字でした。「皇帝」とすれば中国に喧嘩をうることになりますから。 明治になり、天皇を英語に訳す際、天皇をEmperorとし、日本は「大日本帝国」を名のるわけです。そののち朝鮮台湾を領有する帝国になったわけで特に欧米から異議はありませんでしたが、しかし、中国や朝鮮は、日本が天皇を戴くことを許せないようで、いまでも「日王」あるいは「倭王」と呼んでいるようです。

malaga10
質問者

お礼

詳しく回答していただき、ありがとうございます。 天皇・皇帝・国王の違いがよく分かりました。 中国や朝鮮が日本の天皇を日王と呼んでいるのに理由があるというのは知りませんでした。でも、それだけ天皇と国王に違いがあるということが分かりました。

  • TTOS
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回答No.2

現在の天皇と大日本帝国憲法(明治憲法)で規定された天皇には大きな違いがあります。専門外ですが,イギリス国王もマグナカルタ以前と以降では違うと思います。 「天皇と国王の違い」では漠然としすぎているようですが。 また,国王(キング)にたいして皇帝(エンペラー)という名前の使い分けもありませんでしたか?

malaga10
質問者

お礼

確かに「天皇と国王の違い」では漠然としすぎていますよね。 すみません。 回答していただき、有難うございます。

  • M0FUM0FU
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回答No.1

天皇は中華の皇帝と見た目だけでも対等の存在としてあろうという考えで作られた肩書きです。中華秩序において、王とは皇帝の下にあるものでした。つまり字の持つ権威が違います。日本国王と名乗った将軍はいましたが、天皇が国王と名乗ることはまずないはずです。 なお確かに天皇の英訳はエンペラーですが、これは皇帝と同じものとしてとらえられたためで、確かに明治~戦中までの姿はその通りと考えることもできるのですが、本来の宗教的な指導者である天皇の意味合いがなくなっていて私には誤訳とも思えます。 ここに書いたものはあくまでアジアの中での王と天皇の違いであり、欧米のはよくわかりません。望んだ答えじゃなかったらごめんなさい。

malaga10
質問者

お礼

回答していただき、有難うございます。 天皇と皇帝と国王の違いがよく分かりました。

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