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鋼材のヤング率について
kuroneko2020の回答
ハイスは多量の炭化物生成元素(Cr,W,Mo,V)を含むため、ヤング率は210GPaよりも高なります。 工具鋼は耐摩耗性を発揮するために、鉄よりも硬い炭化物を多く含んでいます。高炭素鋼の場合はFeの炭化物(セメンタイト)を、ダイス鋼の場合はCrの炭化物を、ハイスの場合はMo、W、Vの炭化物を含んでいます。 炭化物の量は熱処理により変化し、焼きなましで最も多く、次いで焼ならしで、焼入状態で最も少なくなります。 セメンタイトのヤング率は鉄と大差ありません。このため工具鋼以外の鋼のヤング率は210GPa程度であり、熱処理してもほとんど変わりません。 工具鋼に含まれるCr,Mo,W,V炭化物は、鉄よりも高いヤング率を持っています。 https://www.tytlabs.com/japanese/review/rev354pdf/354_021tanaka.pdf の表1。なおこの表の「WV」は「WC」の間違えです。 ハイスの場合、例えばSKH51には4%Cr,W6.5%,Mo5%,2%Vと大量の炭化物生成元素が含まれています。このためヤング率が210MPaよりも高くなります。 SKH51の焼戻温度とヤング率の関係 https://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1970/07/1970_07_12.pdf の図3 にあるように、ヤング率は焼入状態で最も低く、焼きなましに相当する800℃焼戻で最も高くなっています。 しかしSKH51の通常の焼入焼戻状態では216MPa程度ですから、仮に210MPaを使用しても実用的にはほとんど問題はないレベルです。
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