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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:焼きならしの冷却速度)

焼きならしの冷却速度について

kuroneko2020の回答

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回答No.7

(1)変態点は試料をゆっくり加熱あるいは冷却しながら、どこで変化するかを測定します。変態点に到達すると瞬時に変態するのではなく、少し遅れて変態します。ですから測定された変態点は加熱法では少し高目に、冷却法では少し低目になります。前者がAc1、後者がAr1になり、その平均値がA1になります。 (2)(5)Acm点以上に加熱して(つまり全面オーステナイト)から徐冷すると、Acm点でセメンタイトが析出し始め、Ac1点で終了します。Ac1点で残りのオーステナイトがパーライト(フェライト+セメンタイト)に変態します。Acm点とA1点間で析出するセメンタイトを初析セメンタイトと呼びます。 初析セメンタイトの形態は冷却速度とオーステナイト結晶の大きさで変わります。オーステナイトの粒界は最も析出しやすい場所なので、まずそこに析出します。冷却が遅ければオーステナイト粒界に沿った網状に成長します。冷却速度が速くなると、粒内の炭素は粒界まで移動する時間が不足するので、例えば不完全な網(粒界に並んだ粒子)や粒内の粒子になってしまいます。 Acm点とAc1点の中間の温度に加熱した場合(つまりオーステナイト+セメンタイト)の初析セメンタイトの形態は、既存のセメンタイトの形態分布と冷却速度が大きく影響します。冷却速度が遅ければ既存のセメンタイトが成長しますが、冷却が速くなると新た粒子として粒界や粒内に析出します。粒界に析出するとしても網状になるほどの成長はしないと推定されます。 (3)正しい。 (4)網状セメンタイトは初析セメンタイトですが、初析セメンタイトは網状とは限りません。 (6)他にも一度Acm点以上に加熱する資料(その4)の(d)の方法があります。 (7)焼入温度がAcm点とA1点の間の場合には焼入後も残ります。しかしそのために焼入変形が大きくなることはありません。靭性が低下することはあり得ます。そのため刃付け研磨時の刃こぼれ、使用時の刃欠けの原因になる可能性があります。 (8)鍛造温度が高いとオーステナイトが粗大になります。しかし鍛錬によりオーステナイトが粒は大きく変形します。さらに焼きなまし(あるいは焼きならし+焼きなまし)をすることでオーステナイト粒の全部または大部分が再構成されるので、鍛造温度が高いことで直ちに脆くなることはありません。網状セメンタイトは脆さとして影響すると考えられます。 切れ味は参考文献にあるように刃先形状と硬さが主要因なります。脆さは(7)のような影響として現れると思います。単純に網状セメンタイトが主要因とは言えません。 (9)正しい。なお「SK105の焼きなまし」は軟化目的の一般的な焼きなましのことで、球状化焼きなまし条件は別に考える必要があります。 (10)正しい。なお「再結晶温度」は冷間加工率で変化します。応力除去焼鈍が冷間加工による硬化を消滅させる処理になります。必ずしも結晶構造の変化は必要ありません。

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/materia1962/27/9/27_9_703/_pdf/-char/ja
harubii
質問者

お礼

大変勉強になりました。ありがとうございました😊

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