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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:焼きならしの冷却速度)

焼きならしの冷却速度について

kuroneko2020の回答

回答No.3

よく勉強されていますね。資料を見て「そう言えば」と小生も再認識しています。 球状化熱処理条件として「長時間加熱法」を採用されたということで良いでしょうか。 加熱保持時間は「工具鋼の熱処理要領3(大和久重雄、金属学会誌1943年)」(参考URL)p.182左列にあるように10~100時間です。 必要保持時間に大きな幅があるのは、処理前の組織状態と組織変化を促進する内部歪の大きさ(例えば冷間加工率)により大きく変わるからです。 資料(その3)では700℃×4時間で充分球状化していますが、フープ材という薄板のため元々の組織が微細であることが影響していると思います。 現在の700℃加熱炉冷では、球状化はほとんどしていない懸念があります。 もう一つの問題は、長時間加熱法では前組織が限定されることです。 前組織が完全なパーライトの場合は、長時間加熱法では球状化しません(熱処理要領3p.179右列参照)。 また「初析セメンタイト(初析Fe3C)が存在すると、そのまま最終工程まで変化しないため球状化できません。この場合は、前回にも紹介したように、前処理として焼ならしを行って初析Fe3Cを固溶させる必要があります」(モノタロウの資料)。 最適な球状化処理条件は、その前の熱間加工後の組織により変わるはずです。 もし初析セメンタイト(網状)が存在していると770℃加熱の焼きならしでは消失しません。 「冷間鍛造により網状セメンタイトを寸断」と言われましたが、例えば厚みが半分なるまでつぶしたとしても網がつぶれるだけで、寸断は難しいと思われます。 資料(その3)は薄板冷間圧延で、表面から強いせん断が加わるので圧延率が低くても寸断の効果があったものと推測します。 球状化処理の前の冷間鍛造の目的は、各資料にあるように球状化の促進です。 網状セメンタイトを無くすには資料(その4)の(d)が必要になります。 色々な可能性が考えられますが、一度現在の組織がどのようになっているか調査されてはいかがでしょうか。

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jinstmet1937/7/4/7_4_A107/_pdf/-char/ja
harubii
質問者

補足

上の補足ですが、 (3)冷間鍛造の後、応力除去やきなましで、結晶構造を変えずに内部応力を除去してから焼き入れをした方が割れなどのリスクの低減にならないか ではなく、正しくは (3)冷間鍛造の後、応力除去やきなましで内部応力を除去あるいは、再結晶温度以下の加熱で多少なり内部応力を除去してから焼き入れをした方が割れなどのリスクの低減にならないか でした。

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