日韓問題、あなたのご意見は如何でしょうか。

質問

• 日韓問題を考える
• ホワイト国除外問題の今後の展開
• 日本と韓国の対立関係の見通し

回答No.6

koncha108 · ベストアンサー

個人的には韓国も韓国人も嫌いじゃないし、文化的にも近い隣国として友好関係を深めるべきだと思っています。
ただ、今回の輸出管理強化とホワイト国からの除外は止むを得ない措置だと思うし、譲れない一線でもあると思います。強いて言うならば、安倍政権の常として端的に突き放したような言い方をすることで不必要に状況を悪化させたり双方の国民感情を煽ったりする部分はあり、丁寧さにはかけています。
今回の日本の措置は、韓国の輸出管理上の不備だけでなく、徴用工判決と差し押さえ、レーダー照射事件、慰安婦合意破棄など日韓の協定や合意事項を守らない韓国政府に対する不信感とそれの是正を求めるためのメッセージと思います。政府は報復措置じゃ無いと言っているしそれを真に受ける日本の人もいますが、あくまでも表向きの話で、全般的に韓国政府の対日姿勢に対する報復措置であることは間違いない。逆にそう韓国政府に受け取ってもらわなかったら困ると思います。ただ、輸出管理強化やホワイト国からの除外は、現段階ではほとんど韓国政府に被害がなく、逆に日本の輸出企業とお役所の手続きが煩雑になるだけ。強いて言えば、日本政府の意思と判断で特定品目の輸出を止めるために準備ができたと言う程度。まあちょっとした脅しであるのは間違いない。
じゃあなんで今そう言う措置に出る必要があったか。日韓関係は決してずっと良くは無いけれど、日韓基本条約と日韓請求権協定と言う国と国との基本的な約束事があります。この条約が結ばれるまでには日韓で10年以上にも及ぶ激論と紛糾があったそうです。統治した国と統治された国との歴史認識がまったく合わない。そもそも韓国内では日本の1910年の半島併合が不法で、1919年の3・1独立運動で独立して、日本と戦った戦勝国だと言う考えがあり、日本に戦勝国としての賠償を求めていたのに対して、日本からすれば合法的に合意の上で統合した同邦で賠償を支払う理由が無い。そう言う膠着状態でも平和条約は結ばないといけないと考えた双方の政治家が「解決せざるをもって、解決したとみなす」と言う密約を結んで歴史問題と竹島問題を終息させたと言われています。これは「お互い意見が違うことはわかったけどそれじゃあ話が進まないので、もう議論せず解決したと言う前提話を先に進めましょう」と言うことですが、面白いことにこの密約を交わしたのが今の河野外務大臣のおじいさんの河野一郎。日韓基本条約のために尽力したのは安倍総理のおじいさんの岸信介でした。玉虫色とは言え黙っていたら破綻した交渉を大人の知恵で乗り切ったとも言えます。日本からは賠償は一銭も払っていないものの、独立祝い金みたいな意味合いで多額の支援金を支出したし、韓国側は苦痛を受けた慰謝料みたいな気持ちで受け取ったと思います。ただ、基本条約、請求権協定は双方の国民、特に韓国では大きな反対運動が起こっていて、納得がいくものではなかった。それでも約束は約束で、今の日韓関係の基盤となるものです。韓国は当時朴正煕の軍事独裁体制で、その後反対運動と幾多の犠牲者の元に1993年に民主化を果たしていますから(文在寅現大統領は当時学生のリーダーとして反対運動の先頭にたった一人）今の韓国民からすれば、過去の悪い政権の約束事で自分たちは約束した覚えが無い、と言う気持ちはあるかも知れませんが、かと言って国と国との基本的な約束事を無視して良いはずはないし、もう一回条約をやり直すと言っても双方納得いく形でまとまるとは思えません。
そう言う背景がある中でなされたのが韓国大法院の徴用工判決。この判決の何が問題かと言うと、巷で言っているような日韓請求権協定で解決ずみのことに反する判決が出たことではありません。国際条約と国内法のどちらが優先されるべきか、矛盾してはいけないのかと言う議論は韓国だけでなくどこの国にもあります。問題なのは、大法院の判決は、日本が不法に朝鮮半島を統治した環境の中で日本の企業で働いた労働者（徴用工では無く実際には募集工で、そのことの不当性を指摘する人もいるのですが、判決の趣旨には関係なく俗称で徴用工とメディアが言っています）が受けた苦痛に対しての慰謝料を認定したこと。つまり、日韓基本条約で棚上げにして議論しないことにしたはずの歴史認識の判断を大法院がしたことにあります。そうなると、今の日韓関係の基本になる土台（もともと不安定なのですが）が崩れかねません。しかも、徴用工、慰安婦、竹島を含む歴史問題は北朝鮮も韓国と共通で、今後日朝で会話、交渉がされることがあれば必ず北朝鮮は韓国と同等以上の条件を突きつけてくることになります。
もし、日韓関係が改善されて、問題が収束し飛び火する危険がなければ（よく言われる、最終的かつ不可逆的な解決ですね）徴用工判決で支払わなければならない額はそう多くないかも知れないし、対象企業もその方が早くかたがついて良いかも知れませんが、この問題はそれだけでは終わらない根本的な日韓関係に関わる問題で日本政府としては譲れない一線。にも関わらず文在寅(もともと徴用工に対する請求問題は日韓請求権協定に含まれ解決ずみと言う立場）は日本とまともな話し合いをしようとせず放置しました。厳密には放置ではなく日韓で基金を作って対応しましょうと言う提案をしてきたのですが、同じ仕組みで対応した慰安婦合意の和解・償い財団を解散した政権の提案を受け入れろと言うのが無理な話で、日本政府は一蹴しました。
レーダー照射事件も驚愕するような話で、同盟国では無いものの少なくとも友好国で軍事情報保護協定(GSOMIA)を結んでいる隣国と、不慮の事故につながりかねない懸案に対して意見の相違どころか、事実を否定され目合わせすらできないと言うのは異常事態と思います。
だから私は真摯に話し合いをするためにはもはや何らかの制裁措置くらいしか無いのかと思っていたところの措置が今回のものです。実は想像していた中でもかなりマイルドな物。即効性のある実害は無いですから。ところが今の韓国内での騒ぎです。そもそもが今の日韓には水面下で会話するルートが無い。それだけ関係が悪い。その中で止むを得ずとった比較的マイルドな制裁措置に対してこれだけ騒ぎが大きくなると逆にやめるわけには行かない。何故ならばやめたら完全に手詰まりになってしまうから。ただ文在寅大統領は当初こそ日本とちゃんと対話してこなかった姿勢をメディアや野党から批判されたものの、韓国民の反日感情が高まるとそれに載って強固な対日姿勢に転じてしまって、このままだと話し合いにならなさそうです。一方、韓国の反日運動は実は一部の反日団体が扇動しているもので、日本製品不買にしても日本旅行中止にしても多くの韓国民の本意ではなく、でも韓国のムードとしてはそれを堂々と言い出せないところがあるとも聞きました。
であればなおのこと民間レベルでの会話や交流はちゃんとやるべきでしょうね。
後、日本人もそうなのですが、韓国人も今は再びお互いの歴史認識の違いがあることとそれを今大きな問題にしてはいけないことを理解すべきでしょう。立場が違うんだから味方が違うのは当たり前で、いつかそう言う話ができる日がくるかもしれないけど。

お礼

読んで頂き有難うございます。詳細な論説に感銘を受けました。「韓国人も今は再びお互いの歴史認識の違いがあることとそれを今大きな問題にしてはいけないことを理解すべきでしょう。立場が違うんだから味方が違うのは当たり前で、いつかそう言う話ができる日がくるかもしれないけど」との節に、何か希望をかんじたくなりました