S45C歯車への硬質クロムメッキの影響は?
- S45Cの高周波焼入れ歯車に硬質クロムメッキを施した場合、許容歯元曲げ応力や許容ヘルツ応力に影響はあるのでしょうか?
- 耐摩耗目的で硬質クロムメッキを施していますが、強度計算においてはS45Cの高周波焼入れの数値を参考にすべきでしょうか?
- この記事では、S45Cの歯車に硬質クロムメッキを施した場合における許容歯元曲げ応力や許容ヘルツ応力への影響について詳しく解説します。また、耐摩耗目的でメッキを施す際の強度計算についても考察します。
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S45Cの歯車への硬質クロムメッキ
S45Cの高周波焼入れ歯車に硬質クロムメッキを施した場合、 許容歯元曲げ応力や許容ヘルツ応力に影響はあるのでしょうか? 耐摩耗目的で硬質クロムメッキを施しているのですが、 強度計算としてはS45Cの高周波焼入れの数値を見ておけば大丈夫でしょうか?
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硬質クロームメッキの硬度は、以下の資料から http://sanko-sp.co.jp/catalog2.html http://www1.cts.ne.jp/~nitto/merit.html Hv700~1000で、硬度換算表の以下資料から、 http://www.khkgears.co.jp/gear_technology/gear_reference/img/KHK_title_text_486.gif HRC60以上となります。 また、S45Cの高周波焼入れ表面硬度は、HRC46~53となります。 さて、 Q1 S45Cの高周波焼入れ歯車に硬質クロムメッキを施した場合、 許容歯元曲げ応力や許容ヘルツ応力に影響はあるのでしょうか? 耐摩耗目的で硬質クロムメッキを施しているのですが、強度計算 としてはS45Cの高周波焼入れの数値を見ておけば大丈夫でしょうか? A1 YESです。 理由は、前述の資料結果からです。 以下に、使用例を記します。 http://www.e-mss.co.jp/products/plating.html
その他の回答 (2)
回答2さんに付け加えますと、 私の経験で、以前SCM435高周波焼入れ(HRC48程度)に無電解ニッケルメッキをかけたところ、使用後すぐにメッキが剥離してまいりました。 その歯車は歯面強さに対して80%程度の負荷に設計しておりました。 今でも、歯車にメッキをすることはありますが、許容歯元曲げ応力や許容ヘルツ応力を計算しなければいけないような場合はメッキを行いません。 調査したわけではありませんが、S45C高周波焼入れした歯車の許容ヘルツ応力(歯面強さ)に対し、メッキの密着力は桁違いに弱いと思われます。 耐摩耗目的ということであれば、SCM415浸炭焼入れ、歯研、潤滑をよくするというような方向が良いと思います。 (コストはS45C高周波焼入れ品に比べると倍以上になると思いますが)
お礼
ご回答ありがとうございました。 大変参考になりました。 浸炭焼入れも考慮してみます。
老婆心ながら少し気になることがあります。 歯車の摩耗対策で硬質クロームメッキを施しているようですが かみ合う歯車全てにクロームメッキを施しているのでしょうか? 既に実施しているのであれば、本当に耐摩耗の効果が出ているのでしょうか? 歯車の摩耗はなぜ起こるのかご存知でしょうか? 正常な摩耗と異常な摩耗の見分けはできますか? このあたりの基本的な保全知識がないと歯車の摩耗対策は無理ではないでしょうか? 摩耗対策=表面を硬くする これが正解で無い場合もあるのが摩耗の難しさです。 アブレーシブ摩耗なら硬くすればOKですが、凝着だったら硬くしても意味はないです。 ご理解いただけますか?
お礼
ご回答ありがとうございました。 耐摩耗性と書きましたが、耐食性の意味合いの方が強いようでした。 摩耗に関してはご回答の内容で理解できます。 どうもありがとうございました。
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