溶体化?固溶化?SUP材などの1100℃付近からの油冷による状態と、焼入れ後の組織変化とは?

このQ&Aのポイント
  • SUP材などを1100℃付近から油冷すると、溶体化や固溶化の状態になります。油冷によって材料の組織が均一化され、硬度や強度が向上します。
  • 焼入れは、800℃台で油冷を行うことで組織変化が起こります。焼入れ後の材料は、より硬くてもろい組織となります。
  • SUP材などの1100℃付近からの油冷と焼入れによって、材料の組織が変化し、硬度や強度が向上します。
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溶体化?固溶化?

SUP材などを1100℃付近から油冷するとどういう状態になるんでしょうか? また、その後に焼入れをすると、(800℃台で油冷)組織変化などはどうなっているのでしょうか? 簡単でいいので、お答えをいただきたいと思います。

noname#230358
noname#230358

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noname#230359
noname#230359
回答No.1

多分、1100℃からの焼入れなんて実際には行わないから、誰も回答していないようですね。40年前学生時代習った金属組織学の復習の積りで考察してみます。 1100℃と云うと、低目の熱間加工均熱温度ですね。オーステナイト(A) 域のドン真ん中。素材は多分、一旦熱間圧延された材料でしょうから、凝固偏析は既に拡散しまっている。となると、時間とともにA粒は粗大化してくる。おまけに表面は脱炭が避けられないから、更に粗大粒が成長する。 ここから、ドボンと油冷する。冷却速度は70-100℃/secとまあまあ緩い。鉄鋼便覧にあるJIS―CCTカーブを眺めるとNoseが1secのあたりにせり出している。これはどうやってもNoseにかかり、A粒界へのフェライト(F)の析出は避けられそうも無い。でも変態量はせいぜい8%前後。こうなるとその後に続くベイナイト(B)変態、マルテンサイト(M)変態で生じる膨張の応力と熱応力がA-F境界に集中するのは避けられない。つまり見事に割れるでしょうね。 800℃の場合、Ac3とAc2の中間温度で、通常の焼入れ温度より若干低い(通常はAc3+50℃)。ここから油冷すると、もしかするとNoseをかわしていきなりM域に入る可能性がある。内側は冷却が遅れるから、一部がF, B変態する部分が出る。そうなると表面は膨張、内部は若干の収縮となり表面から割れる事は無いか。但し残留応力は反転するから早く焼き戻しをしないと、遅れ割れの心配は出ますね。 ざっとこういったイメージでしょう。

noname#230358
質問者

お礼

大変勉強になりました。ありがとうございました。

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