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ポーランド、「司法の独立」制限に懸念
ポーランド、「司法の独立」制限に懸念=EU不安定化にも http://news.ameba.jp/20170724-692/ 詳しい方、解説お願いします。
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最高裁判所の改革のことですね。 ポーランド語の単語を直訳すると「最高裁判所」となるのですが、日本の最高裁判所とはちょっと違います。 ポーランドには普通裁判所と軍事裁判所があり、普通裁判所は地方裁判所とその控訴審を扱う地域裁判所、上告審を扱う上告裁判所があります。 軍事裁判所とこれらの普通裁判所を監督するのがポーランドの最高裁判所です。普通裁判所が法律の適用や解釈の仕方が間違っていると判断したら判決を破棄することができますし、また、裁判所によって法律の解釈が違うという事がないように統一見解を示します。 改革の内容ですが、以下のような点です。 まず、最高裁判所の裁判官の数を減らすことを意図しています。現在87人います。それを減らしていいものだろうか、というのが反対派の意見の一つです。ただ、大きな争点は、改革を行う際に裁判官を任命しなおすことです。その再任命プロセスに国会議員や大統領が関与しますので、それは問題だという議論になっています。 現在、最高裁判所主席長官を任命する際、最高裁判所裁判官総会で2人の候補者を決めて大統領に提出することになっています。大統領がそのうちの一人を選びます。この候補者を5人にしようというのも改革の内容の一つです。つまり大統領にとって選択肢が増えるわけです。 最高裁判所には現在4つの審議会があります。民事、刑事、労働・社会保障・公共案件、軍事の4つです。これを公共、民事、専門分野の3つの審議会に分けなおします。これも争点にはなっているのですが、私には何がポイントなのかよくわからないです。ようするに「なんだそれは」という驚きと戸惑いではないかという感じはしています。 最高裁判所裁判官になるための資格は大幅に緩和されます。優秀な人材を広い範囲から求めるという点でいいとは言えるのですが、他方そんなんに簡単に最高裁判所裁判官になれてたまるか、という意見もあるわけです。 現在70歳が最高裁判所裁判官の定年で、最高裁判所主席長官が認めれば70を超えてもさらに最高裁判所裁判官でいることができます。これを65歳にして、国家司法評議会(最高裁判所裁判官や国会議員、大統領、法務大臣などで構成される)が認めれば、65歳を超えても最高裁判所裁判官でいることができることにします。つまり、65を超えた最高裁判所裁判官については、国家司法評議会が望めばいつでも引退させることができるという事になります。国家司法評議会は司法関係者だけでなく、立法や行政の代表者もメンバーになっていますので、立法府や行政府が影響力を行使できる余地があるわけです。 最高裁判所規則を承認する権限が最高裁判所裁判官総会から大統領に移ります。大統領は、国家司法評議会で協議された後、法務大臣の要請に基づき、最高裁判所規則を承認します。 最高裁判所は新しい法規を準備している段階から、それに対する意見を表明する権限がありますが、この種の意見表明の権限はなくなります。つまり、現状では最高裁判所は立法府の活動に干渉する権限があり、それをなくそうという事です。 要するに司法への不信、ということがこの改革の根底にあると私は思っています。司法関係者だけが密室の中でなんかよくわからない判断を下している状況を変えたいという事ではないでしょうか。 ただ、政治というのは外国人の目からみてわかりやすいものではありません。この最高裁判所の改革というのは、単に理想の司法制度を模索するというよりは、与党PiSと野党POの戦いになっているという側面もあるように私は思います。 リンクを張られている記事には、著名人も参加した抗議デモが計画されていることが書いてありますが、抗議デモがあるからと言って有権者の大多数が改革に反対だという事にはなりません(ワレサも客寄せパンダになり下がったような希ガス)。トランプが選挙で勝った直後にさえトランプに対する抗議デモがあったのと同じです。反対だと意見を表明するのは誰にでも与えられた権利だからです。実際、改革に賛成であるという意見のほうが多いという世論調査もあります。 そういうわけで、有権者の賛成・反対も単に司法制度改革そのものに対する賛成・反対という面だけでなく、PiSとPOのどちらを支持するかという面もあるわけです。 なんでEUが首を突っ込んできたのは、それは私は知りません。 ただ、現在の欧州理事会議長のトゥスクはPOの出身ですので、それと関係があるんじゃないかと私は勘ぐっています。
- ithi
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mitirubbb さん、こんばんは。 私はEUの職員はあまり好きになりません。2万5000人で5億の国民を支配してると錯覚している。欧州議員とは違い、待遇は好いし、選挙もないから何年でも在籍できる。そして、彼らの中には世界の各国で最低でも高級官僚出身の貴族みたいな人たちです。こんな人たちの規則なんか聞いたら、原則主体の現実から乖離するでしょうね。