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広告代理店の仕事内容
広告代理店の仕事は、企画力・マーケティングスキルが求められる、知的な職種だとイメージしておりました。一般にcreativeな頭脳労働の場合、業務の時間管理に裁量権があり、専門知識や情報収集のための語学力、それらを維持するための時間的余裕が必要だと考えております。 電通の業務実態を耳にする限り、自己啓発の時間がなく、馬車馬のように働いているように思われてなりません。広告代理店の仕事は自己啓発が不要な知的労働とは無縁の世界なのですか? 業界のことを知っている方、教えてください。
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- eroero4649
- ベストアンサー率32% (11127/34633)
#2です。 >この業界は、普通の能力の社員が健全に勤務するのは不可能なのでしょうか? はい。不可能だと思います。 私は今はどちらかというと広告を出す側に近い立場にいますが、広告を作る人って、才能がある人は喉から手が出るほど欲しいですが、そうじゃない人には用がないです。 凡人のクリエイターが必死に作っても結果が出ないものを、才能ある人がちょっとちゃちゃっとやるとすぐ集客が伸びたりするんです。なんていうのかな、凡人がどんなに努力してもウサイン・ボルトには絶対追いつかないみたいな感じですね。 野球や100m走って結果が明白に出るじゃないですか。広告も同じで、集客したかしないかってはっきり出るんです。もちろん中にはイメージ広告みたいな、はっきりと集客に結びつかなくても知名度やイメージが上がればいいというものもありますが、そんなのはお金に余裕がある大企業だけの話で、世の広告の99%は「売りたい。集客したい」なのです。 そして何が当たるかなんて、誰にもわからないのです。トップクラスの天才クリエイターでさえ、たぶんヒット率は3割とかそんなもんだと思います。外してるもののほうが多い。だけど天才クリエイターは、ホームランが打てるのです。スタンドまで飛ばす長打力は、天性の才能です。 野球はチームスポーツですから、渋い黒子役も必要です。でも広告はあまりチームは関係ないですからクリエイターのパワー(才能)がストレートにモノをいうんですよね。 東大出の秀才が過去のヒットのデータを分析して作った広告は、そりゃ「どこかでよく見かける典型的なモノ」です。でもそんなん「平凡で面白くない」に決まっています。凡人の努力は天才のひらめきに太刀打ちできないんですよ。 天才クリエイターはデータの積み重ねを見て、そこから何かをスパークさせて新しいものを見出すのです。そこが天才といわれる所以です。そんな才能なんてごく限られた人しかありませんから、そうなるともう足りない才能は気合と体力でカバーするしかありません。スタンドまでボールを飛ばす力がないなら、ランニングホームランを狙うしかないじゃないですか。 天才コピーライターとして知られる糸井重里氏は、オフィスにやってくるとだいたいロクに仕事しないでスタッフとお喋りをしたり社内で遊んでるそうです。ところが、そのお喋りだったり遊びの中で何かがスパークして「おいしい生活」なんて言葉が出てくる。遊びやお喋りこそが畑を耕す行為なんですよね、天才というのは。 「ゆるキャラ」「マイブーム」という言葉を生み出したみうらじゅん氏はかつて糸井重里氏のところで働いていたそうなので、彼の言葉のセンスは糸井氏によって磨かれたのは間違いないでしょうが、糸井氏の弟子はみな成功しているわけではないでしょうから、やっぱりみうらじゅん氏のセンスってのがあればこそだと思いますね。 天才は紙一重でバカに行くことはありますが、バカが紙一重を超えて天才に行くということはないわけで。
- eroero4649
- ベストアンサー率32% (11127/34633)
広告代理店の仕事って、要するにたいして価値がないものをさも価値があるかのように思わせてお客さんに買わせる商売です。その商品が本当に価値があるものだったら、宣伝に頭を悩ませる必要はありません。その価値を淡々と伝えればいいのですから。 ですからとにかく口先三寸手八丁、「私はコレで、会社を辞めました」とかなんとか、とにかく注目を集めればそれでドカンと売れることもあるのですから、とにかくなんとかして消費者に商品を手に取らせるかということになるわけです。 そしてそのベクトルが消費者ではなく、クライアントに向かうとそこがもうなんというか口先三寸手八丁の世界になります。なにしろ広告代理店にお金を払うのは結局クライアントですから、まずはクライアントを乗せないと意味がないわけです。 そして広告の世界では、たぶん天才が10%いれば充分なのだと思います。だって凡人がどんなに努力したところで「おいしい生活」なんて言葉は思い浮かばないです。そこはもう才能ですよ。 だいたい、名コピーだの名作CM、話題の広告なんてのは本当に限られた人たちによって作られているんですよ。平均点のクリエイターが何人集まっても、天才クリエイター1人には勝てないのです。 ですから、残り90%の凡才というのはその天才クリエイターをフォローする立場に徹するか、あとは力業で食べていくしかないのだと思います。またクリエイターというのは業種を問わず他人に干渉されることを極端に嫌いますから、お互いに干渉しない、悪くいうと協力しないということになるのだと思います。 自殺してしまった彼女は東大卒ということですから、やはり秀才型だったのだと思います。自由な校風の京大や一橋だったら精神的にそこまで追い詰められなかったのかな、というのもありますね。東大というのは「頭のいい人が常識的に頑張ったら絶対にたどり着ける」という学校ですから、東大受験を始めとして「努力でここまでたどり着いた」という彼女のプライドと経験がむしろああいう「頑張ったからといって結果が出るわけではない」という業界に行ってしまうとレーゾンデートルを見失ってしまったという面はあったと思います。 私はあの事件の最大の悲劇は、彼女の適性が発揮できない業界に本人は気づかずに行ってしまったことだったと思っています。電通はそもそも東大卒なんて採用しないほうがいいと思いますね。天才を支えるタイプの社員は、運動部や応援団から引っ張ってくればいいのだと思います。
お礼
コメントありがとうございます。 Creativeな分野の仕事は、才能が重要だとの観点は想像がつく話です。 お二人のコメントから、広告代理店は個人プレーが中心の自己責任の業界で、時間管理は各自に任されているように思えます。つまり、労基法を無視した長時間残業は個人の判断で行っていることになります。 ひょっとすると、クライアントが非常識な注文を出すのが当たり前の業界で、凡庸な社員に過度な負担がかかるのではと、思いを巡らしてしまいます。 この業界は、普通の能力の社員が健全に勤務するのは不可能なのでしょうか?
- hue2011
- ベストアンサー率38% (2801/7249)
あそこは極端な組織なんです。 普通の会社というのは、部長がいたらその下にいくつかの課があって、ひとつの課の下にいくつかの係があって、その係の中に数人が勤務している状態です。 人間が目が行く範囲というのはせいぜい7人までと言われています。 せいぜい10人でしょう。指でかぞえたらその程度です。 誰が今何をやっていて、誰は何に苦労していて、誰が問題にしているのは何か、みたいなことを上長が把握し管理できるのはせいぜいひとけたです。 これは実感でおわかりでしょう。 同時に30人も見る必要があると、どうしても1対多となり、個々人が見えてこなくなります。 学校のようなところだと、皆が同じことをしていますからそれでもなんとかなりますが、企業の場合はひとりひとりが別のことをしているわけですから。 特に残業などの話は直属の上長が許可しないとできないのが原則で、無駄にだらだら残ってもロスになるだけだから許可しません。 長くいられると、誰かがつきあって最後に部屋を締めるなどの操作をしなければなりませんし。 必要なら許可しますが、連日の残業加算は中止し抑止します。 誰かが何かに悩んでいるようなら呼んでその内容を聞いてみて、アドバイスをしたり、頭冷やそうやといってお茶につれていったりできます。 人間は、誰かがしっかり見てくれているとなるとなんとかしようという前向きの気持ちが出てきます。 それが一般の会社です。 末端の社員が個々にどう悩んでいるかは見えなくても、それを管理している課長たちが悩んでいるなら部長がその面倒をみられます。 ピラミッド型の組織です。 個々人は未完成の人間たちだけど、相互に支えてもちこたえるわけです。 ところが、あの電通はそういう組織になっていません。 マネージャがどんといて、その下に、あの、まつりさんとかいうひとたちがずらずらずら、といる状態なんです。 当然上司は個々のメンバーが見えません。アドバイスもないし、勤務状態も管理していません。ハンコつくだけです。 そして、個々のメンバーは、それなりの優等生がきていますから、自分にプライドがある。 なんか、完璧なものを仕上げよう、仕上げられる、と考えてむきになって作業をします。 当然ですが、そんなものを客先に見せて無条件でOKになるわけがない。あれやらこれやらを言われます。 これは単なる通過儀礼みたいなもので、こうすれば相手は納得するよ、みたいなことを教える人はだれもいません。 また、完璧なんかありえない、ねらいどころはこことここだ、というアドバイザもいないわけです。 そうするとプライドたっぷりの優等生はどうするかというと、むきになって残業しまくってぼろぼろになっていくのです。 自分は満点をとれた人間だという変な無意味な自信がそれに拍車をかけるのです。 実際にはその状態になったらもう何をやってもろくなことはないんだけど、誰も見ていないのです。 サッカーだってFWがつかれ始めたら即交代をします。そういうことをしてくれる監督がいないと、選手は大けがをします。 そもそも人間相手に完璧な仕事なんてあるわけがない。 適当にいい加減にごまかす部分が、客に共感を呼ぶなんていうこともあるのです。それは経験していけばわかる呼吸法です。 それも誰も教えてくれない。 さあここに優等生、誰も指導者おらず、そんな状況だったら、擦り切れて当然じゃないでしょうか。 広告代理店じゃなくても似たようなことはありますよ。 関西電力のだれそれさん、というのが、おそらく自分だけのスタンドプレイ状態で働いていた。廃炉がどうだとかいう話ではなく、誰も支えない状態で全力疾走したんです。
お礼
とても興味深い説明ありがとうございます。 私の職場でもマネージャーの下に20-30人の研究職がいて、職位は様々ですが職務内容はさほど変わらない、フラットな組織です。その意味では共通点を感じました。 驚いたのは、経験が浅いメンバーで即戦力として成果が問われる点です。厳しい世界ですね。 我々の世界では、一部の卓越した人材は別として、入社後の教育次第で、使い物になるか否か分かれます。 質問の一部は納得できました。
お礼
恐らく、業界の一面の真実だと思います。興味深い情報ありがとうございました。 一握りの有能な人材以外の大半の社員は、今のままでは健全な勤務は難しようです。 どんなに残業しても、有能な人材の足元にも及ばないのなら、いっそ能力のない事実を受け入れ、通常勤務内で業務を終わらせる工夫をするのが、賢いやり方かもしれませんね。 「下手の考え休むに似たり」で、無駄に長時間会社にしがみつく必要も無いでしょう。 生理学的にも12時間を上回る作業は、能率が著しく低下することが証明されています。緊急事態以外は賢いやり方ではありません。睡眠不足も翌日の作業効率や、創造力を更に低下させます。 長時間勤務で、本来の半分以下の能力しか発揮できないコンディションで作業し、さらに残業が増える愚かなやり方と感じました。 健全な体調を保ち効率よく仕事をすれば、長時間勤務は解消されるのでは、との素人の結論に至りました。