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干支と十二支は同じ意味ですか?
kagakusukiの回答
- kagakusuki
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干支と十二支は全く同じ意味という訳では御座いません。 十二支は12年周期で1巡りしますが、干支は十二支と十干を組み合わせたもので12年ではなく60年周期で1巡りします。 古代中国では、西洋の占星術の様に、天球を12の区画に分け、太陽、月、惑星などがそれら12分割された天球上のどの区画に存在するのかという事を使って行う占いがありました。 この12の区画を「十二次(じゅうにじ)」と言い、西側の区画から順番に「星紀(せいき)」、「玄枵(げんきょう)」、「娵訾(しゅし)」、「降婁(こうろう)」、「大梁(たいりょう)」、「実沈(じっちん)」、「鶉首(じゅんしゅ)」、「鶉火(じゅんか)」、「鶉尾(じゅんび)」、「寿星(じゅせい)」、「大火(たいか)」、「析木(せきぼく)」という名前が付けられています。 【参考URL】 十二次 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E4%BA%8C%E6%AC%A1 何故11でも13でもなく、12の区画に分けたのかについては私は存じませんが、もしかしますと天球上を太陽が1周する周期である1年の間に、月が大体12回満ち欠けする事に関係しているのかも知れれません。 処で、惑星の1つである木星の公転周期は約11.86155年であるため、地球から眺めた際に概ね1年ごとに天球上の十二次の各区画を1区画ずつ進む事になりますので、木星が空のどの12次の方位に見えるのかという事を示すことで年を表す事が出来ます。 そのため中国では木星の事を「歳星(さいせい)」と呼ぶようになりました。 木星が約12年かけて天球を1周する動きは、西から東へ向かって移動する動きであるため、十二次もまた西から東に向かう順番が順方向となっています。 そして、地上における方位を表す際にも、十二次と同様に、東西南北360度を12に分割した際にどの区画に属する方位なのかという事によってあらわされる様になりました。 この12分割された地上の包囲の事を「十二辰(じゅうにしん)」と言います。 処で、現代と違って正確な機械式時計など存在しなかった昔には、時刻を表す際に、太陽がどの方角に見えるのかという事を使って時刻を表していました。 太陽や星の日周運動は東から西へと向かう動きであるため、時刻の順番も東から始まって西へと進む事になります。 時刻の順番が東から西へと進むという事は、方位を表す十二辰の順番も東から西へと進む方向を順方向と決めてしまった方が解りやすくなります。 そのため、12分割された地上の方位である十二辰も太陽が下降から上昇へ転じる方位である北方を意味する「子」から始まって「丑」、「虎」、「卯」(東)、「辰」、「巳」、「午」(南)、「未」、「申」、「酉」(西)、「戌」、「亥」という具合に進む方向が順方向となります。 一方、木星が約12年かけて天球を1周する動きは、西から東へ向かって移動する動きであるため、十二次を逆の順番に回る事になりますので、年を「十二辰と木星の位置の組み合わせ」で表したのでは順序が判り難くなります。 そのため、中国では木星と同じ周期で逆の方向に回る「太歳(たいさい)」という架空の惑星が考え出され、その太歳の動きを使って占いや暦作りが行われるようにもなりました。 これを「太歳紀年法」と言います。 【参考URL】 木星 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E6%98%9F 太歳 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E6%AD%B3 太歳星君 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E6%AD%B3%E6%98%9F%E5%90%9B 十二辰 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E4%BA%8C%E8%BE%B0 十二支 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E4%BA%8C%E6%94%AF この架空の惑星である太歳が「子」、「丑」、「虎」、「卯」(東)、「辰」、「巳」、「午」(南)、「未」、「申」、「酉」(西)、「戌」、「亥」の十二辰のどの方位の区画に居るのかを表したのが十二支の始まりで、現在では木星や太歳の動きとは関係なく、単純に12年ごとに1巡りするパターンとなっています。 一方、干支とは十二支だけの事ではなく、十二支に「十干(じっかん)」を組み合わせた60年周期で1巡りする年の表記法の事です。 十干は昔の中国の「陰陽五行思想」が関係して生まれたもので、「甲(「木の兄」:きのえ)」、「乙(「木の弟」:きのと)」、「丙(「火の兄」:ひのえ)」、「丁(「火の弟」:ひのと)」、「戊(「土の兄」:つちのえ)」、「己(「土の弟」:つちのと)」、「庚(「金の兄」:かのえ)」、「辛(「金の弟」:かのと)」、「壬(「水の兄」:みずのえ)」、「癸(「水の弟」:みずのと)」の10個の区画の事です。 陰陽五行思想は、昔の中国の「五行思想」と「陰陽思想」が組み合わされて生まれた思想で、「五行思想」とはこの世に存在する万物は「木(もく)」、「火(か)」、「土(ど)」、「金(ごん)」、「水(すい)」の5つの元素から構成されていて、物質だけではなくありとあらゆる現象はこの5元素が互いに影響を及ぼし合って発生するものであり、年や季節、時刻、方位等もこの5元素の内の何れかの性質を備えていると考えられていました。 一方、「陰陽思想」とはこの世の全ては「陰(いん)」か「陽(よう)」という対立する性質を持つ「気(き)」によって成り立っており、この世の万物は陰陽どちらかの性質を備えており、あらゆる現象はこの陰陽2つの気の働きによって生じるものであるとする考え方の事です。 陰陽五行思想はこの2つの思想が組み合わさった思想で、例えば同じ五行の性質を持つものであっても、「陽」の気が強いものや「陰」の気が強いものがあり、「陽」の気が強いものを「兄」、「陰」の気が強いものを「弟」と見做し、例えば「木」の元素に属するもので「陽」の気が強いものを「木の兄」、「木」の元素に属するもので「陰」の気が強いものを「木の弟」と呼びます。 五行思想では東方が「木の性質を持つ方位」、南方が「火の性質を持つ方位」、西方が「金の性質を持つ方位」、北方が「水の性質を持つ方位」とされています。(因みに土はどの方位でもなく現在居る地点そのものである「中央」を表します) 方位は1日の間に太陽が巡るのと同じ順番である「北」、「東」、「南」、「西」の順番が順方向になりますから、陰陽五行思想では同じ東方でもやや北寄りの方位は「東よりも少し先んじてやって来る方位」である事から「東の兄」という意味で「木の兄(甲)」、同じ東方でもやや南寄りの方位は「東よりも少し遅れてやって来る方位」である事から「東の弟」という意味で「木の弟(乙)」とし、南北どちらにも偏っていない真東は陰陽のどちらにも偏っていない事から兄でも弟でもない只の「木」の方位とするといった具合に、東西南北を更に細かく分類する事で12の方位を定めています。 陰陽五行思想も十二辰も、どちらも方位や年、時刻を扱っている事から、これら2つの思想を融合させたものが十干なのです。 年を十干で表す際には、「甲」の翌年は「乙」、「乙」の翌年は「丙」という具合に単純に年が変わるごとに次の十干へと移って行くパターンになります。 一方、十二支でも「子」の翌年は「丑」、「丑」の翌年は「虎」という具合に年が変わるごとに次の十二支へと移って行くパターンになります。 このため、丁度60年で十干は6巡り、十二支は5巡りして、十干と十二支の全ての組み合わせを一巡する事になります。 この60年で1巡りする年の表し方の事を「干支」(えと)と言うのです。 【参考URL】 五行思想 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E8%A1%8C%E6%80%9D%E6%83%B3 陰陽 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B0%E9%99%BD 陰陽五行思想 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B0%E9%99%BD%E4%BA%94%E8%A1%8C%E6%80%9D%E6%83%B3 十干 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E5%B9%B2 干支 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B2%E6%94%AF
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