出願人名義変更に関する代理権の証明
特許法や規則によると、権利の承継の届出を行う代理人は代理権の証明を行うとあります(規則第四条の三 )。
これは例えば譲渡人側の代理人が手続きを行うのであれば譲渡人の委任状が必要で、譲受人側の代理人が行うなら当然譲受人の委任状が必要と解釈できます。
そこで規則を再度読むと、
「特許を受ける権利の承継の届出を行う譲渡人代理人が届出前の代理人と同じ場合は、その代理人の代理権は書面をもつて証明することを要しない。 」という但書ありました。
ただし、その特許の出願時から代理人が変わっていないというのは普通のことだとも思えるので、譲渡人側の代理人が名義変更する場合の殆どは、その名義変更のための委任状というのは一切不要となるということでいいのでしょうか?
しかし、名義変更の際、通常は承継人のみを記載して届けをする場合が多いようです。要するに譲渡人ではなく譲受人の代理人が届けをする場合が多いので、そうなるとその代理人は譲受人から委任状をもらう必要があります。
具体的な事例で検討してみると、
「Aが代理人Xを通じて特許出願した(この時点で委任状なし)。その後、Bを出願人に加えるため出願人変更届を予定している。記載方法としては、出願人変更届に承継人、承継人代理人欄だけ設ける」
この場合にXが入手すべき書面は、Bの委任状のみでいいでしょうか?Aの委任状は不要でいいのでしょうか?またBの委任状の記載方法としては「名義変更」とう文言が必ず必要でしょうか?あるいは「~に関する一切の手続き(件)」という文言で足りるでしょうか?ネットで個別委任状のフォーマットをみると「~に関する一切の手続き」と最初にあって、その後に国内優先権の主張等の記載がありました。一切の手続きというのが具体的にどのような手続きを意味しているのかが疑問です。
よろしくお願いします。