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漱石は『虞美人草』を嫌っていたのか
sophia35の回答
- sophia35
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こんにちは。 確かに漱石自身、「虞美人草」はあまり好んではいなかったようですね。実際、連載中に三四郎のモデルと言われた小宮豊隆に宛てて 『虞美人草』は毎日かいている。藤尾という女にそんな同情をもってはいけない。あれは嫌な女だ。詩的であるが大人しくない。徳義心が欠乏した女である。あいつをしまいに殺すのが一篇の主意である。うまく殺せなければ助けてやる。しかし助かればなおなお藤尾なるものは駄目な人間になる。最後に哲学をつける。この哲学は一つのセオリーである。僕はこのセオリーを説明するために全篇をかいているのである。だから決してあんな女をいいと思っちゃいけない。小夜子という女の方がいくら可憐だかわかりやしない。 と言う書簡を送っている事から分かると思います。 この「哲学」と言うのは、自ら提唱した「悲劇論」の事だと思いますし、(悲劇論に関しては下記サイトを御参考にされてみてください)確か、同じく小宮に宛てて、「『悲劇論』で展開されるセオリーを説明するために全篇を書いているのだ」とも言っておりますので、嫌な人格設定であり、ストーリー構成としてハムレット的悲劇を下敷きにしたこの「虞美人草」を、自分の好むと好まざるとに係わらず、一実験作品として書き上げたのではないでしょうか。 一応私論ですので・・・御参考になれば幸いです。 ところでちょっと思ったのですが、百が表示できるのですね。今まで幾度か百を紹介したのですが、こちらでは変換できているのに、実際に送信すると「・」コレで表示されるんですよ・・・ヘンだなぁ?
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お礼
こんにちは。 そうですね、確かに藤尾は嫌なタイプです。でも、それは最初から分かりきっていることなので、百閒の言う、「晩年非常にきらっていた」ということの理由にはならないと私は考えています。でも、もしかすると百閒の言うのが間違いで、最初からずっと嫌っていたのかな。そういえば、参考URLに執筆中の言葉として、「私は『虞美人草』に嫌気がさしてきた。」というのがありました。なるほど。 ご紹介いただいたホームページは読み応えがありますね。嫌いかどうかはともかく、この作品が“問題作”であることがわかりました。それに、回答者さんの「自分の好むと好まざるとに係わらず、一実験作品として書き上げたのではないでしょうか。」という言葉を解読するヒントもここにはあるようです。 もう一つ、“ヘンだなぁ?”の件について。私のブラウザーでは、「百が表示」「百を紹介」となっているのですが、回答者さんは「百閒が表示」「百閒を紹介」として、送信したのでしょうか。だとすると、確かにヘンですね。まあ、これは、カテゴリーが違うのでここでは追究しませんが。 ありがとうございました。