予防接種を受けていない児童に麻疹や風疹をうつした場合の法的な責任とは？

質問

• 予防接種を受けていない児童に麻疹や風疹をうつした場合、法的な責任はどうなるのでしょうか。この記事では、その可能性や保険の適用範囲について解説します。
• 児童の予防接種は任意であり、預かっている児童が感染症に罹る可能性もあります。しかし、故意でない限り、保護者からの訴訟は起こりにくいです。保険の適用範囲に関しても詳しく説明します。
• 麻疹や風疹などの感染症によって、児童に障害や後遺症が残る場合、治療費が上限を上回る可能性もあります。この場合、過失として訴訟され、膨大な金額を支払うことになるかもしれません。記事では、そのリスクについても触れています。

回答No.3

inasaki-ch · ベストアンサー

他の回答者さんへの補足のなかで、質問者さんがどういったお立場で児童を預かっているのか理解できましたので、以下のことをお知りおきください。

質問者さんは民間人ではあるものの、知事の認定を受けた資格に基づいて児童相談所の委任により児童を預かっているとのことですので、この場合は国家賠償法上は公務員に準ずる者として公務員と同様に扱われます。
したがって、万が一預かった児童に障害等が発生し、その児童の親が損害賠償請求をしてきた場合、その賠償責任は当該都道府県が負うことになります（国家賠償法1条1項）。

ただし、国賠法1条はその2項で、「公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する」としています。
つまり、公務員に故意または重大な過失があったときは、国・公共団体が被害者に支払った賠償金を、加害者である公務員に請求できる（これを「求償」といいます）ということです。

以下、ご質問の件では、「故意」は問題にならないでしょうから、「過失」に限定して述べます。

ここで重要なことは、国賠法で求償が認められるのは、公務員に「重大な過失」があるときです。
完全な民間人としての場合は、「過失」があるだけで賠償義務を負います。
しかし、公務員（それに準ずる者を含む）が求償に応じなければならないのは、「過失」があるだけでは足りず、「重大な過失」があるときだけです。

何をもって重過失というかは議論の余地がありますが、少なくとも質問者さんは疾病予防に相当の注意をはらっておられるようにお見受けしますので、重過失が認定されることはまずないでしょう。

したがって、結論としましては、損害賠償の請求が認められたとしても、それを賠償する義務は自治体が負い、質問者さん個人が賠償義務を負うことはありません。

お礼

詳しい説明を有難うございました。
自分と同じ仕事をしている先輩方は、社会的地位や資産がある方が多いので、
訴訟となっても何とかなるかもしれませんが、

自分は若輩な上、地位も、まとまった財産も無く、
持っている物は熱意だけという庶民です。
こんな自分が、今後もリスクを伴う可能性のある仕事を続けていけるか
悩んでしまいました。

今まで知らなかった法律を詳しく書いて下さり、驚いたと同時に
すごく勉強になり、安心しました。

近日、仕事の先輩方と会うので、
この質問＆ご回答を話してみます！！！
先輩方もかなり興味を持つと思います。

本当に本当に有難うございました。