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行列の固有値と逆

Aが有限次元の行列のとき、固有値は|λE - A|=0 を満たすλです。したがって固有値に1が含まれないとき |E - A|≠0 なのでE-Aが逆を持つことはすぐに分かります。Aが無限次元ヒルベルト空間の線形作用素のとき、固有値に1が含まれなければE-Aが逆を持つことはどのように証明したら良いでしょうか。フレドホルムは行列式の無限次元の極限を考えたりしたようですが、そのようにしてできるのでしょうか。

みんなの回答

  • stomachman
  • ベストアンサー率57% (1014/1775)
回答No.6

{x|x(t)=at, aは実数}上でなら、f(t)=(t=1なら1、それ以外なら0) を掛け算する作用素Aが逆作用素を持つのは示した通りで、自明です。積分もしないのに測度が0かどうかは関係ありません。 でも、L^2[-∞,∞]上の有界な作用素に限るという条件のもとでのご質問だったのですね。それだったら、確かにこんなf(t)は例になっていません。(条件は付いてないか、恣意的に決めて良いか、どっちだろと思ってましたが、どちらも勘違いだったようで。) で、そういう条件を前提にするのが、この手の話では常識なんでしょう。常識的条件における話であれば、それこそ参考書を当たられる方が宜しいのではないかと。

grothendieck
質問者

お礼

御回答ありがとうございます。わたしが零点を持つ関数をかける作用素でも非有界な逆作用素を持つというのは元の作用素の定義域を狭めるとかいうことではありません。1/r(rは3次元空間で原点からの距離)のようなものです。1/rはrの値域全体で定義され、これは稠密になると思います。

  • stomachman
  • ベストアンサー率57% (1014/1775)
回答No.5

回答者が教えてクンになっちゃって申し訳ないですが ×exp(-t^2)の逆作用素が×exp(t^2)ではどうしてダメなのかなー?よくわかんないです。 また、 > f(t)が0になる点があっても非有界な逆作用素は存在することはある については、f(t)=0となる点の集合をTとするとき、T以外の他の点の集合Uについて、ナンカの関数gがあって、全てのxについて、t∈Tにおけるx(t)がx(t)=g({<r,x(r)>|r∈U}))と決まってるなら、たしかに逆作用素が構成できる。たとえば、 (Ax)(t)=f(t)x(t) f(t)=(t=1なら1、それ以外なら0) x∈X, X={x|x(t)=at, aは実数} はその例です。逆作用素は (A'y)(t) = (y(1))t これは、xの定義域からf(t)の零点集合Tを除外してもxが区別でき、Tへの拡大が一意的に決まるように、Xを線形部分空間に狭めたということです。言い換えればAの像がなす線形部分空間とXとが、線形写像で1:1に対応している。この意味で任意の線形作用素に対して逆作用素が存在するようにテキトーにXを選ぶのは、多分いつでもできそうですね。こーゆーのアリなら、無限次元ヒルベルト空間とは言いながら、線形作用素の逆は(Xを勝手にいじって良いなら)いつでもある、と言えてしまいそう。(有限次元なら「一般化逆行列」の話に相当するところでしょう。)

grothendieck
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。x(t)がL^2[-∞,∞]に属する時、exp(t^2)x(t)は当然のことながら一般にはL^2[-∞,∞]に属しません。測度0の集合上でのみ0と異なる関数は0と同値です。したがってf(t)=(t=1なら1、それ以外なら0) は0と同値で定義域をどの様にとっても逆は存在しないと思います。 > f(t)が0になる点があっても非有界な逆作用素は存在することがある というのは例えばf(t)=tとしたとき、1/tは非有界な作用素になります。

  • stomachman
  • ベストアンサー率57% (1014/1775)
回答No.4

えーと、もうちょっと具体的に考えましたら、やっぱり最初の「射影」の話に戻ってしまいました。 ●まず有限次元で例を考えます。R={1,2,3,...,N}とするとき、ベクトル(f(1),f(2),.....,f(N))をR→Cの関数と考えてその要素をf(t) (t∈R) と書くことにします。そして、このN次元空間{x| x:R→Cの関数}をHと書くことにする。(ここで、Cは複素数とか実数とか。) ある関数f∈Hについて ∀x(x∈H ⇒ Ax = fx) と定義すると、これは確かに線形作用素である。(普通に書けば Ax = (f(1)x(1),f(2)x(2),.....,f(N)x(N)) ですから、 A=diag(f(1),f(2),.....,f(N)) です。) で、その逆作用素A'は A'x=x/f でなくてはならない。(普通に書けば A'x=(x(1)/f(1),x(2)/f(2),.....,x(N)/f(N)) です。)ところが x≠0(ゼロベクトル)であっても、∃t(t∈R ∧ f(t)=0) であるならば、そのtについて、(A'x)(t)は定義されないから、A'は存在しない。 そして、Aは元の空間{x| x:R→Cの関数}から、その真の部分空間{x | x:{t | t∈R ∧ f(t)≠0}→C}への射影になっている。 さて同じAについて、(A-E)も ∀x(x≠0 ⇒ (A-E)x ≠0) でありながら、(A-E)'が存在しないことがある。なぜなら、 (A-E)x=(f-1)(x) だから (A-E)'x=x/(f-1) であり、x≠0であっても、∃t(t∈R ∧ f(t)=1)であれば、そのtについて、((A-E)'x)(t)は定義されない。ということは(A-E)'は存在しない。そして、(A-E)は元の空間{x| x:R→Cの関数}から、その真の部分空間{x | x:{t | t∈R ∧ f(t)≠1}→C}への射影になっている。 ●上記の例は、無限次元でも事情は同じです。(今度はRを自然数なり実数なり複素数なりであると考えれば良いのです。)f(t)=0となるt∈Rがあれば、やはりA'は定義されない。このとき、Aは{x | x:R→C} から {x | x:t | t∈R ∧ f(t)≠0}→C}への写像になっていて、すなわち射影(もうちょっと正確に言えば、A=MP (Mは対角成分しかない正則な作用素、Pは対角成分だけしかない射影作用素)です。 (上記の例では、f(t)の値域は全てスペクトル点(= (A-λE)が逆を持たないλ)になるから、特にHが連続関数の空間の場合には、スペクトル点が連続する集合となり、「連続スペクトル」という呼び名がぴったり来ます。) ●従って、射影作用素と正則な作用素の積で表されるようなAは、逆作用素を持たない。言い換えればAを正則な作用素B,Cを使ってA=BΛC (Λは対角成分しかない作用素)と分解できたとき、(1/Λ)が存在しないならば、Aは逆作用素を持たない。 言い換えれば、Λ=MP (Mは対角成分しかない正則な作用素、Pは対角成分だけしかない射影作用素)と書けたとき、Aは逆作用素を持たない。 (Aの代わりに(A-λE)を考えても同様で、ただ(1/(Λ-λE))が存在するかどうか、という話になるだけです。) また、(1/Λ)が存在するなら、逆作用素C'(1/Λ)B'が構成できるでしょうから、分解A=BΛCが可能である限り逆も言えそうです。なお、(A-E)x≠Ax-xについては、イロイロ考えたところどうもまた勘違いみたいです。すいませんねえ。

grothendieck
質問者

お礼

御回答ありがとうございます。お礼が遅れまして申し訳ございませんでした。 Aがx(t)∈L^2[-∞,∞]に対して、f(t)をかける作用素である場合、f(t)が0になる点がなくてもAは必ずしも有界な逆作用素を持たないのではないでしょうか。f(t)=exp(-t^2)とすればそのような例になると思います。作用素が有界でなければAx=vの解が任意のvに対しては求められません。またf(t)が0になる点があっても非有界な逆作用素は存在することはあると思います。

  • stomachman
  • ベストアンサー率57% (1014/1775)
回答No.3

どうもスカタンばかり言ってて申し訳なかったです。 ∀x(x≠0 ⇒ (E-A)x≠0) は(E-A)が逆作用素を持つための必要十分条件。(実は、最初に回答したときはここまでしか考えてなかったんです。)しかしながら、必ずしも (E-A)x=x-Ax ではない。すなわち ∀x(x≠0 ⇒ x-Ax≠0) ⇒∀x(x≠0 ⇒ (E-A)x≠0) は言えないために、(2つ目の回答はここんとこを間違えています。) ∀x(x≠0 ⇒ x-Ax≠0) は(E-A)が逆作用素を持つための(必要条件ではあるが)十分条件ではない。そういうハナシであると理解しました。 ∀x(x≠0 ⇒ x-Ax≠0) でありながら ∃x(x≠0 ∧ (E-A)x=0)となるのはどういう場合か。 これはまず、E-Aが一体何を意味するのか、という所から考えなくちゃいけない問題なのでした。 固有値1に限らず、一般にλ(≠0)について ∀x(x≠0 ⇒ λx-Ax≠0) ∧ ∃x(x≠0 ∧ (λE-A)x=0) を論じても全く同じ事になるんで、これはスペクトル分解の話そのものであるということになりそうです。

grothendieck
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。しかしながら、私には  λx-Ax ≠ (λE-A)x となることがあるとは思えません。もしこのような例があるのなら教えて頂けませんでしょうか。

  • stomachman
  • ベストアンサー率57% (1014/1775)
回答No.2

イーカゲン過ぎでしたか。射影の話のほうは: 固有値が1か0だけという意味での射影作用素Pと、別の作用素Cを使って、 B=PC と書けるんであれば、アトはPだけの問題だろう、というようなツモリでした。が、それは本題ではなかったですね。 じゃあ、単刀直入こういうのでは如何でしょう。 まず、任意の線形作用素Bは∀x(x≠0 ⇒ Bx≠0)ならば逆作用素を持ちます。(なぜって、このときc≠0について、もしBx=c, By=cであるなら、B(x-y)=0より(x-y)=0、ゆえにx=yである。だから、Bx=cは唯一の解を持つからです。) んですから、線形作用素(E-A)は ∀x(x≠0 ⇒ (E-A)x≠0)ならば逆作用素を持ちます。つまり ∀x(x≠0 ⇒ x≠Ax)ならば逆作用素を持ちます。 てことは、 Aが固有値1を持たないならば(E-A)は逆作用素を持ちます。

grothendieck
質問者

お礼

御回答ありがとうございます。(E-A)v=u という方程式がヒルベルト空間Hに属する任意のuについて解けるかを考えます。Aが固有値1を持っていてはいけないことは明らかですが、E-Aの値域がHで稠密でない場合、uをE-Aの値域の外にとると上の方程式は解を持ちません。また値域が稠密であっても(E-A)^-1が有界でない場合、(E-A)^-1 u がHに属さないことがあるので、やはり上の方程式は解を持たないことがあります。そこでzがAのレゾルベント集合に属する条件としては「z-AがHで全射、1対1で有界な逆作用素が存在すること」であるとされていると思います。Aが固有値1を持たないというのは、このうちの1対1であるということしか意味していないのではないでしょうか。

  • stomachman
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回答No.1

B=E-A としますと、Aが固有値1を持つとは ∃x(Ax=x) なんですから、Bは固有値0を持つ。言い換えればBは元の空間からその閉部分空間への射影です(Bx=0となるxは閉部分空間の直交補空間の要素です)から、逆作用素がないと分かります。 てことは、「Bが射影作用素でないときBは逆作用素を持つ」と言えるかどうか、あるいはもうちょっと拡張した言い方で、「Bが逆作用素を持つための条件は?」のご質問だと思われます。教科書にモロ載ってそうな気配です。

grothendieck
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。固有値0を持つということか直ちに射影作用素であるとは言えないと思います。射影作用粗であるためには少なくとも固有値が0と1だけであることが必要でしょう。無限次元の場合、有限次元での行列式≠0に相当するような逆が存在するための条件はないのではないでしょうか。zE-Aという形でAのレゾルベントとスペクトルとして考察されることが多いと思います。Aが固有値1を持たなくても、1が連続スペクトルの中に入っていればE-Aの有界な逆作用素は存在しません。したがってE-Aが逆作用素を持つためには、固有値1を持たないと言うことの他にどのような条件が必要になるのでしょうか。

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