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バトル・オブ・ブリテンのIF

GratefulDeadの回答

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回答No.4

独空軍は陸戦直協(地上部隊への近接支援)に特化した空軍であった為、西部戦線などの電撃作戦には有効でしたが、バトル・オブ・ブリテンのような渡洋爆撃には不向きの兵力であったことが独の敗因といえます。Bf109は優秀な機ではありましたが前述のような戦術目的での設計なので、その航続距離は英仏海峡を越えて5分もしないうちに帰投しなければならない程度のものであり、爆撃機の直掩とはいえないようなものでした。この結果として英本土上空は独爆撃機の屠殺場と化してしまいました。 対する日本海軍航空隊はというと、世界に先駆けて近代的戦略航空作戦を行える唯一の航空兵力でした。独空軍が陸戦直協の戦術空軍に特化していたのに対し日本海軍航空隊は戦爆連合の戦略空軍ともいえます。 渡洋攻爆撃といった戦略目的で設計された零戦や一式陸攻はその行動半径はBf109の5倍を誇り、まさにバトル・オブ・ブリテン向きの航空兵力であったといえます。 航続距離は問題ないとして、英空軍が誇るスピットファイアと零戦との空戦性能の差はどうだったのでしょうか。 この答えは、実戦で証明されています。 1943年、日本海軍は連合軍の反攻がオーストラリアのダーウィンを起点として開始されることを予測し1943年3~9月にかけて零戦と一式陸攻の戦爆連合によるダーウィン空襲を9回行っています。当時の豪空軍は英からスピットファイア3個中隊を譲り受け、パイロットも北アフリカ戦線の英空軍エース、コールドウェル中佐をはじめとするベテラン飛行士から編成された第一戦闘航空団があり、さらに英本土同様の高低2連のレーダー早期警戒網 が整備されていました。英本土同様の防御体制でのダーウィンでの空戦結果は、 9回の空戦で、零戦延べ機数208機のうち撃墜されたのはわずか2機、一式陸攻は101機のうち撃墜2機であったのに対し、豪空軍スピットファイアは延べ機数261機に対し撃墜されたのは38機と日本に対し20倍もの被害を出しています。 零戦の圧勝でした。。。 なので、零戦がBf109の代わりにバトル・オブ・ブリテンに参加していれば、制空権を握ることは十分可能であったと思われます。 ただ、制空権を握った後に予定されていた「あしか作戦」がUボートしか持たない独海軍に行えたかどうかは疑問です。英海軍主力は温存されていたので。。。

black25
質問者

お礼

とても面白いお話で参考になりました。ありがとうございます。

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